フェア
「さて、片足は奪った。自慢の拳に威力を乗せる..体重移動ができなきゃ大したことないわ」
とケイラは挑発的に笑う。
彼女の声には戦いを楽しんでいるような響きがある。
ケラプは痛みを押し隠しながらも、ほんの少し笑い、
「ふふ..詳しいのだな。それに刃物の扱い方も妙に剣士を彷彿とさせるな..」
と感心するように言う。
ケイラは一瞬、過去の影を浮かべながら、
「剣士、ねぇ..もう昔の事よ..そんなことより、もう終わりよ」
と言って、現在の戦いに焦点を戻す。
「あぁ..一思いに、全力で斬ってもらえると助かるな....」
その声には、戦いへの疲労と覚悟が混じっていた。
ケイラがその言葉を受け、右手に握るマチェーテを振り上げる。
その刃が光る瞬間、ケラプは痛みを抑えつつ急速に立ち上がる。
彼の体からは、雷を纏った強烈なプラズマクラッドが発動し、右足を軸にして左足の蹴りを繰り出す。
「出力最大..だ」
と叫びながらのこの一撃は、空気を振るわせるほどの威力を持っていた。
ケイラはその蹴りを間一髪で右腕で受け止めるが、その衝撃は予想以上に強く、彼女は大きく吹き飛ばされる。
キネティック・サージを斬る方向に発動していたため、蹴りを受け流すことができず、
右腕に走る強烈な痛みとプラズマクラッドからの電撃により、マチェーテを手放してしまう。
「あがぁっ!?..よくも、やりやがったなクソババア!!」
ケイラは地面に叩きつけられながら、痛みと怒りで叫ぶ。
彼女の声は、苦痛と怒りで震え、その表情は激しい感情に歪んでいた。
ケラプは、疲れた身体を支えつつも、落ち着き払ってケイラの前に立つ。
彼女の声は疲労を感じさせるが、同時に冷静さを保ち続けている。
「これでフェアだ..」
という彼の言葉は、戦いにおける正義感と均衡を重んじる彼の性格を表している。