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治療
村田は男性の負傷した腕を支えながら、慎重に男性の家へと足を進めた。
部屋に入ると、彼は迅速に行動を開始し、救急箱から必要な医療用品を取り出して治療を始めた。
彼の手元は落ち着いており、看護師としての豊富な経験が、
この緊迫した状況下でも彼の冷静さを保たせていた。
治療が一段落つくと、村田は胸を撫で下ろし、安堵の息をついた。
「よし、これで止血はできました」
と彼は安心させるように男性に告げた。
「ありがとうな、大分楽になったよ」
男性の声には感謝とともに、痛みから解放された安堵が滲んでいた。
村田は男性の感謝の言葉に頷き、
「しばらくは安静にしていてくださいね」
と優しく促した。
その後、村田はライトの様子を見に戻ることを決め、男性に一言告げた。
「すみません、少し席を外しますね」
彼は、ライトが無事であることを確認するため、急いで空き家に戻った。
しかし、部屋に戻ると、ライトの姿がそこにはなかった。
「ライト..どこにいったんだ?」