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ゲノム~失われた大陸の秘密~  作者: Deckbrush0408
第四章【メガラニア王国編】
109/197

突入

「これをジレ救出前にあいつら目掛けて投げて血をまき散らす、作戦は以上だ」

村田が簡潔に作戦を説明した。


「なるほど、ライト君の血には魔素が大量..だからそれで攪乱しようってことね」

ケイラは理解した様子で頷いた。


村田はさらに頷き、

「まずは小屋まで向かおう。リオ、先導してくれ」

と指示を出した。


四人は慎重に進み、何事もなく小屋まで到着した。

周囲には静寂が漂い、ただ風の音だけが耳に届く。

小屋の扉の隙間からはわずかな光が漏れ、そこにジレがいることを確信させた。


村田が慎重に周囲を見回し、低く声を出した。

「..ジレ以外の魔力は感じるか?」


ライトが目を閉じ、集中して魔力を探った。

「中には一人しかいないと思う..リオさんどう?」


「あぁ、俺も兄貴の魔力以外感じない」

リオも同意した。


「よし、開けるぞ..」

村田は緊張を抑えつつ、扉にゆっくりと手をかけた。


古びた扉が軋む音を立て、ゆっくりと開かれていく。冷たい空気が四人を包み、緊張が走る。

薄暗い部屋の中央には、ベッドが一つ置かれており、その上には肩に血をにじませたジレが横たわっていた。


「兄貴!!」

リオは真っ先にジレのもとへ駆け寄り、心配そうに彼を揺すった。


「ん....リ、リオ..どうして..ここに..」

ジレがゆっくりと目を開け、か細い声で弟の名前を呼んだ。


「助けに来たに決まってるだろ!」

リオは涙をこらえながら、必死に言葉をかけた。


「肩からの出血が止まっていないな、早く安全な場所に連れて行こう」

村田はジレの様子を観察しながら冷静に言った。


「もう大丈夫だよ兄貴..行こう」

リオは安堵の表情を浮かべ、ジレを背負おうとする。


しかし、村田の心には何か不穏な感覚が広がっていた。

(それにしてもなんだ..この小屋の違和感は..)

彼は何か見落としている気がしてならなかった。


ジレがか細い声で話すのを聞いたリオの顔には、一瞬の安堵が浮かんだが、その直後、ジレの言葉に不安がよぎった。

「お前ら早く逃げろ....あいつは..」


その瞬間、ケイラは背後から不気味な魔力の気配を感じ、警戒の声を上げた。

「..!後ろ――」


ケイラの警告が耳に届くや否や、四人は振り向こうとした。

しかし、その反応も間に合わないほどの速さで、突然轟音が部屋中に響き渡る。


リオは一発の銃弾により左胸を貫かれ、その場に崩れ落ちた。

血が一瞬にして広がり、リオの体から力が抜けていく。


「お..流石レムリア国産の魔法銃、素晴らしい精度だね」

その声の主は、扉の裏に隠れていた仮面の魔人だった。

片手で魔法銃を構え、その銃口はまだリオに向けられていた。


「こいつっ..!」

ケイラは怒りに燃え、すぐさまマチェーテを抜き、魔人に斬りかかろうとした。


だが、魔人はすばやくケイラに銃口を向け、冷酷に制止する。


「あんた..シャダール族じゃないわね?」

ケイラは鋭い眼差しを魔人に向け、にらみつけるように問いかけた。

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