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過度のネット依存の女

作者: 岸亜里沙

夜な夜な、私は居場所を求め、電子空間(サイバースペース)へと旅立つ。


─昼間いつも良い子を演じるのも疲れちゃうわ─


ここは私が別人格になれる場所。

Twitter、Instagram、TikTok、Facebook、YouTube。

心に抱える悩みをぶつけたり、誰かにちょっと甘えてみたり。


─でもなんで私はSNS(ここ)に居るの?─


誰かに注目されたい訳でもないのに。

誰かと繋がりたい訳でもないのに。

多分、これが私の毎日の習慣と化しているのね。もはや。


─こんなの無意味─


─こんなの時間の無駄─


頭では分かっている。

でも何故か毎晩、SNS(ここ)に来てしまう。

別に評価してほしい訳じゃないの。

でもたくさん高評価(イイネ)貰うとやっぱり喜んじゃう。

そしたらいつしかそればっかり考えるようになってた。


─バカみたい。いっその事、全部消したい─


─そうすれば楽になれる─


何度も何度もネットから姿を消すけど、やっぱり戻ってきてしまうの。

私は自由な猫。

私はネット依存の女。


─そんなの分かってるわよ!─


気がつけば私の周りには、顔も名前も知らない奴らが沢山群がっている。

男か女かも、年齢も分からない。


─なんなのコイツらは─


だけど私はそんな奴らに、素を晒しているの。

セミヌードを載せた時なんか、みんな魚みたいにパクパクと食い付いてきたわ。


─低能な奴ら─


でもなんか悪い気はしないの。

だんだんと過激になっていく私。

唇にバストやヒップ、ありとあらゆる部分を晒してみたの。

そしたら増える高評価(イイネ)とコメント。身震いしちゃう。


─もっと頂戴!─


でも、そんな折に届いた一通のコメント。


「ねえ、あなた、もしかして◯◯ちゃん?」


私は凍り付きました。


─えっ、嘘?!なんで?どうしてバレたの?顔は隠してたのに─


─誰?あんた一体誰なの?─


─どうしよう。どうしよう─


私は布団を被って、震えました。


─怖い─


─怖い─


─怖い─


そんな中、ふとフラッシュバックしてきたのが、小さい頃によく遊んでいた『かくれんぼ』の風景です。

鬼に見つからないよう、暗闇で必死に隠れていた私。

だけど結局私は見つかってしまいました。


「◯◯ちゃん、見ーつけた!」


そう。今回も。

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