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陰キャヲタクが実は最強の〇〇だった件

「た、助けて...シンジくん...」


アイリの目には大粒の涙が溜まり、

俺に向かって絞り出すように声を出してた。


俺は淡々と言った。


「あのな、不良ども。その女の子を離せ」


「だーれが離すかよ!?おまえの彼女でも

なんでもないんだろ?じゃあ、ほっといてとっととどっか行けよ」


「いや、それがだな。その女子は俺の友達っつーか?」


「ふーん。友達?まぁ、その程度ならとっとと

失せろよ。見るからに弱そーな陰キャ眼鏡が!」


「そーだそーだ!!怪我したくなきゃ、

消えろよ」


取り巻きの二人まで俺のことバカにしてきた。


「場所を変えようか」


「は?」


「今は階段の、昇り途中。

つまりな、昇り切った平地で、喧嘩しようじゃないか」


「はぁ??喧嘩?俺らとか?こっちは三人、

お前は一人!正気かよ、陰キャ眼鏡!!」


「おーよ...」


「面白ぇ!その言葉、ぜってー後悔させてやんぜ...!」


不良トリオと、俺、そしてアイリの四人で歩道橋まで駆け上がった。


少しの間、

アイリは解放された。


奴らは卑怯にも、三人一斉に俺に向かってきたからな。


俺の顔面を狙っての、パンチはフットワークを駆使して全部避けて。


最終的に、空手技で三人とも地に伏した。


ボソボソと聞こえてきたるは、負け犬の

遠吠え。


「おい、今のバットで殴られたような重みの!る回し蹴り....

あの伝説のヤンキーじゃねぇ??」


「金色の夜叉かもですね...今は黒髪ですけど...」


「それにしても、痛え....」



「よし、いっちょあがりっと」


俺はパンパンと、手を叩き、

それからアイリに向き直って言った。


「さ、アイリ、帰ろーぜ!」


「う、うん。ちょっとシンジくん、

強過ぎない!?」


「あ、俺。実は元ヤンでさ」


「元ヤン!?」


「そ。訳あって逆高校デビューして陰キャヲタクになってるだけでさ」


「眼鏡も伊達なんだ。あと、ほら。

剃り込みも、一応入ってる」


ジャーン!と俺は眼鏡を外し、

髪の毛もかき上げてみせた。


すると、どうだろう。

西野アイリの黄色い声が聞けた。


「う、うそ。やばい。超カッコいい!!

待って待って、なんでそんな陰キャに扮してるのよっ!?」「なんでカッコいいの隠してんのよっっ!」


「元ヤンのカッコだとさぁ、勉強に身が入んないと思ってさぁ。だから陰キャヲタク、になってんだけど。結局、数学、補習受けてるから、

あんまし、効果なかったわ。

外見変えれば、真面目になるかと、思ったけど

ダメだったから、

元ヤンのカッコに戻ろうかな、と今さっき思った」


「不良集団に、陰キャ眼鏡、とか、言われんの。

やっぱり、俺のプライドが許さねぇ、っつーか!」


「キャーッ!!」



アイリはもう。


顔真っ赤だった。


俺はふざけて、


「惚れた?」と尋ねてみた。


こくこくっと、何度もアイリは頷いてくれた。


「か、彼女にしてくださいっ!!」


「ったく、仕方ねぇなぁ...」


「やった!」


思わず、ぎゅうっとハグされ。


「そのハグ、おまえ、陰キャヲタクの弄びの

一環じゃねーだろうな?」


「違うよ!心からのハグだよぉ!!」


紆余曲折を経て。


どうやら、俺のこと真剣に惚れさせることに

成功したよーです。


翌日、俺は金髪にして登校した。


アイリは、俺を見るなり、更にビビって、


「ヤバイ!金髪、カッコいい!」と

言いつつ、


「私もお揃いの金髪にする!」とノリノリだった。


もっとも。

ピンクアッシュの髪色は、そのうち

金髪になるからな。



俺らの髪の毛がお揃いになる日も近い。



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お星様を塗り潰してくれたら嬉しいんだなっっ!

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