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癒やされたいキャンパー。異世界を癒やしに行く。  作者: カトー
第3章 王都へ行こう
29/201

王都観光と商業ギルド

 イリア王国歴180年15の月6日

 小さな町でも大きな都市でも、人々が生きて行くには水が必要だ。水が無くては、どんなに高い城壁も守りの堅い城門も何にもならない。嘗て、古代アレキ文明の人達が、建造した水道施設が完全に消えてしまった訳ではない。確かに隕石テロのもたらした破壊は衝撃的だったし、続く群雄割拠の時代も厳しかったが生きて行くには水がいる。

 建造された水道は、文明の崩壊後も使用され修繕もされていた。嘗ては新たな水道橋や城壁が建設される事さえあったのに……。


「今では新規に工事にかかれるほどの土魔法の魔力集積が難しくなっている」

「魔力集積?」

「魔力集積とは魔石の事だと思っていい。私も詳しい事は知らんがもう随分と使われていない。まさに稀少価値となっている」

「魔石かー」

「こう見えても魔女だからな。だが誇れるほどの魔力は無い。王国の魔法使い達の魔力も小さくなっている」

「そうなの?」

「いずれ魔石を使った大規模魔法は失われる事になるだろう」

「フーン、残念だね」

「まったくだ。あぁ、水道の話だったな」


「王都は、比較的綺麗に維持されているんだ」

「ウン」

「古代アレキ文明時代からの、水道施設によって上水が維持された為だろうな」

「600年以上だよね」

「王国では水道施設がある都市はあちこちにある。いずれも完全な形で残されていたのは少ない」

「でもよく保っているね」

「まあな。直轄都市が17個あるが、いずれも水源からの導水が少なく水量が常に不足している」

「そうなんだ」

「水源が枯れる事もあるし、水道橋の修復が追いつかないからな。残念ながら王都の一部地区では慢性的に水が不足しているんだ」

「新しく作れば良いのに」

「さっき言ったように魔石がなー。大規模修繕工事が何十年おきにあるんだが」

「ウン」

「まぁ王国では魔法使い達もいるし、他国と比べたら人数も多い。だから王都では複数の水源から水が引けたんだ。だいたい八割がたの水量を維持できている」

「大変なんだ」

「第三城区、つまりロンダの中心地にある王城や貴族の私邸は、環境も良く臭気も酷くなくその水質も良好だ」

 貴族達は、王都が置かれているのがやはり政治の中心であるロンダという事もあり、長年住まいを動かそうとしない。水道設備の維持費も渋々だが出されていた。


 王都ロンダの水道には5か所の水源がある。最大の物は、遥か35キロ離れた湖から延々と60メートルの間隔で柱を築き、高低差わずか15メートルで水路を作って通している。供給された水は、噴水となって王都の民の喉を潤した。水道施設は偉大な土木建設の業績であり、今でも多くの都市で水を供給している。中でも王都ロンダや帝都ヴィータは古より巨大な都市だったらしく、魔法を併用して100年の単位で水路と城壁が建造されたと言われている。


 古代アレキ文明が造った水路は非常に精巧で、重力により効率よく大量の水を運んでおり、くぼ地ではサイフォンを利用して10メートルも水を上昇させた。水道施設としては、地下や地上の導水渠の他にアーチ構造の水道橋、沈殿池、分水場があり、水密性がある導水管によって公衆浴場・有力者の私邸・公共施設や噴水などに配水されていた。 


 水路は王都に入ると九割が地下を流れている。高架や地下に作られることで、敵の攻撃や動物による汚染も避けられると考えられた。これら水道施設が隕石テロでも残った一番の理由は、広域防御結界壁によって隕石の直撃をくい止められたのが大きい。もちろん無傷であった訳では無い。結界壁の無い郊外では、衝撃波により、かなりの規模が破壊されたと言われる。


 隕石テロは、多くの都市のインフラ(水道を含む)を一瞬で破壊した。無事だった施設も、年月によりメンテナンス不足で故障していく。現状は、定期点検と清掃員による努力で奇跡的に使用されていると言っても良い。残された水道が、使用できる事は人々の誇りともなり、水道で産湯を使った事が自慢話ともなった。最盛期よりすべてのインフラが衰退してはいたものの、ロンダはイリア王国の永遠の都としての地位を手に入れた。


※ ※ ※ ※ ※


 シロチドリの宿に戻り計画を立てる。ミテロはクリスティナの義理の従兄弟で、クリスティナは第三王子エドムンドの母という事だ。王族が関係するとなると慎重に計画を考えないと身の破滅になる。

 

「貴族の悪知恵は底知れないからね」

「カトー、そんな話を何処で聞いた?」

「エ、違うの?」

「私だけなら良いが、貴族達の話は外ではしないほう良い。……まぁ良い。だがさっき言った通り城壁内の貴族エリアは、許可証を持たない一般人は入れない。武器を持ちこめない事と言うのは貴族とその従者は当然除かれるがな」

「ウン」

「第三城壁の城門で、貴族街に入る為の三ツの条件が調べられる」

「厳しいのかな?」

「平時で有れば武器を持ちこまない事、きちんとした身なり、許可証の提示だな」

「最初の条件は無手で行けばいいし服も金を積めば何とかなるだろう。許可証以外は何とかなると思うけど」

「カトーはそもそも身分証明書など持っていないだろう?」

「ウン。今まで使わなかったし」

「平時とは言え王都の貴族エリアだからな。私も王都守備隊の証明書を出すというのも今はまずいだろう」

「許可証は頼めばクラウディオが用意してくれるんじゃない。行けると思うんだけどね」

「イヤ、問題なのは作法だな。しぐさと言おうか。門から潜り込もうとする者はたいてい見つかるな」

「そうなのー? なんでー」

「口ではうまく言えないが、私も王都守備隊で門衛の一人だったから良く分かるんだ。門番と言うのは意外と鋭いぞ」

「エミリーが? それは無いと思うけど……」

「失礼な、これでも副長なのだからな」

「ゴメン。だとすると他の方法かー?」


 役者じゃあるまいし作法なんて。でも役者かー。思いついた。権力や地位が有る方に立てば良いのか。僕は黒目黒髪なのだが、東方の貴族に繋がる者でどうだろう? エミリーは、地方都市のレディと考えたがとても化けれそうはない。お付きの、ボディーガード役の冒険者になってもらう事にした。因みに本人は、レディ役が最適だと言い張ったが、慣れないドレスでは歩けないだろうと言って納得させた。

(彼女の名誉の為、他の理由は伏せておく)


 第3級転送ステーション113にいる、セバスチャンとエマは執事とメイドになってもらおう。二人とも、多言語翻訳機能及び外交プロトコル準拠。自己学習・自立作業可。ハウスサーバント及び家庭教師可だからね。すんなりと成れそう。堂々と貴族として乗り込めば良いんだ。今考えている作戦は、お金がかなりかかりそうだが、やってやれない事は無いだろう。


 イリア王国歴180年15の月7日

 あれこれ計画を考えて、眠れない夜を過ごしたが一応計画は出来た。よって本日は、気分をリフレッシュして王都観光の一日とした。せっかく王都に来たんだものね。

 宿から、商業ギルドに行きながら街並みを見学。王宮と貴族街を遠目で見て、王立聖秘蹟教会で参拝する。その後、広場近くの市場でお土産を購入して、帰りに食事を取るというコースだ。クラウディオの店に行くのは、王都を出る前日で良いだろう。


 持ち帰った金貨を入れたベストとベルトを着て動くのは重くて大変だ。布で包んで巻いてぐるりと結び、故郷へ持ってく王都のお土産品と言ってフロントに預けた。エミリーが目をつぶって何やら堪えて居る様なのだが、重いのでそこらへんに置いといてと言って半銀貨を渡しておいた。半銀貨は2000エキュ(500円)に相当する。最初見た時は驚いたが、王国では銀貨を半分に割った貨幣が実際に流通していた。貨幣を損壊していけないと言う法律は無いみたいだ。


 宿を出て商業ギルドに向かう。この国の本部は、王都にあると聞いていたので覗いてみたい。

「そうだ。エミリーは守備隊の仕事として何回か出向いた事が有るんだよね」

「ウン、何回かあるぞ。商業ギルドの本部は、幹線通り沿いの第一と第二城壁との中間の第一城区にあるはずだ」

「フーン」

「立派な石造りの玄関があり、天秤の彫刻が訪れる者を迎えてくれるぞ」

「へーそうなんだ。秤かー秤と言えば、元の世なら正義の女神が出てくるんだよ」

「神の目が見ているという事だな」

「そうかもしれないね。こちらでは秤の皿にそれぞれコインと箱が乗せられているデザインなんだ」

「商業だからな。荷物と公平だったかな。そんなような意味だったと思うが」

「看板はもう良いか? 良いなら、なかに入ろうか」

「ハーイ!」


 警備員の居る、1階玄関ホールで案内板を見る。冒険者関係は、正面入口を入って右手にあり左手は商業関係とある。中央は1、2階吹き抜けの事務室になっている。建物自体は3階建てだが天井が高い作りだ。冒険者カウンターと書いてある横を通り抜けると、奥には冒険者用の食堂兼用酒場がある。その向こうは警備詰所だ。地下室もあり、訓練場・購買部・金庫室等になっているそうだ。


 商業カウンターもほぼ同じ造りだ。奥には貴族スペースの様な個室や、高めの食堂(レストランに近い)兼酒場バーとバーラウンジがある。個室の中がちらりと見えたが、中には制服を着た4人が疲れているのだろうか? 徹夜でもしたのかな? 傍目でも、分かるほど眠りこけている。

「きつい仕事をしているんだなー。徹夜は辛いもんな。分かるよ」


 冒険者カウンターに向かう途中、エミリーは僕に大人しく椅子に座って待つように言って、依頼ボードに向かって行った。

「どんな依頼があるのかな?」

 冒険者カウンターは朝という事もあって、多くの人が受付嬢の前に行列を作っている。ここで仕事の斡旋を受けるのか。ホー、カウンターにいるのは、かなりの美人受付嬢だ。ボーと見つめていたら、こちらを向いてニッコリされてしまった。精神年齢27なのに。

「チョット、恥ずかしい」

 ここは、本部だけあって各施設が終日開いている。食堂兼用酒場から、ときおり賑やかな話声が聞こえる。商業ギルド全体は、役所のような雰囲気だが冒険者関連はやや砕けた感じがしている。エミリーには良く分からんと言われたが、なんとなく冒険者だぞーと言う雰囲気を十分堪能する。この後は、ギルドを出て王宮の方へと進む事にした。


 王宮や貴族街に近づくにつれ高そうな商店が増えてくる。噴水のある広場には辻馬車の停車場もある。停車場は、王都各所に有るようで昼間は辻馬車が待機している。エミリー曰く、乗る前には値段交渉を忘れずにしなければならないそうだ。片道のみ一か所の行き先となるが、城壁内なら何処でも12000エキュでOKの料金設定が有ると聞いた。


「そこを出ると広場になる。少し休んで行こう」

「ハーイ、本当だ。喫茶店? があるね」

「アァ、お洒落な軽食を出したりする喫茶店が結構あるんだ」

「女の人で賑わっているなー」

「あそこにしよう」

「カトー、カウンターが良いか? テーブルが良いか?」

「座って休みたいな」

休息がてら、その内の1軒に入る事にした。ウエイトレスさんはエミリーがうなずいているのを見てテーブル席に案内してくれる。座る場所によって料金が違うそうで、エミリーを見たのはテーブルかカウンターかを確かめるためだったらしい。

 早速、革製のメニュー表を持ってきて見せてくれる。ウエイトレスさん達は動きやすそうな感じの服だが、一人一人ばらばらだ。しかし白いエプロンで統一されてはいる。ここで柑橘系のジュースを薄めたような飲物と、蜂蜜を使い薄く焼いたパンに近いゴーフルの様なお菓子でしばし一服する。


 ※ ※ ※ ※ ※


 今日は、貴族街に入れないので入口の門を見ただけだ。続いて、王都第一聖秘蹟教会に参拝に行く。この国は建前では宗教は自由だが、国民の97パーセントが神を信仰する一神教である。僕は、日本で宗教を特に意識していない。初詣にも行くし、お葬式にはお寺さんのお世話になったりする。神道でも仏教徒でもあると思っている。


 王都第一聖秘蹟教会は、王族も来る格式の高い豪華絢爛な教会である。エミリーによると、参拝時はおかしな事や服装、大声を出さないなど常識的な事を守れば自由に参拝できるそうだ。

(異世界も日本も、当たり前だよね)

「カトー、寄進箱に気持ちを入れて来てくれ」

「40エキュ?」

 入り口横の箱に、一人銅貨で20エキュ(5円)を入れて内部を見学。ケチと言う訳では無い。偶然だと思うが、日本円に変換すると同じ5円という金額である。マァ、良く分から無いが、日本の神社みたいに5円(ご縁)が有りますようにと言う語呂合わせだそうだ。


「もう良いか? 帰りにはそこを見ていこう」

 参拝の帰りには、記念のメダルと革のしおりを買って出るのが王国民の定番である。行った証拠として、近所の人に見せびらかす為でもある。残念だが、この世界ではお土産の○○饅頭はまだ無い。


 広場近くの常設市場は、さすが王都らしく大きく店舗数も多い。食品だけでなく、台所用品に花、靴、化粧品、衣類、雑貨、塩、嗜好品等様々な物を売っている。イリア王国では、指定都市(指定都市とは人口3万人以上で王国には43都市ある。直轄指定都市は17個で人口は5万人以上である)以下では、常設の市場は少ないそうだ。


 3万人以下の都市や町、まして村程では商品が少ないし、野菜などの農産物も収穫がかぶる事も多いので常設は無理らしい。いきおい、教会前の広場の朝市が賑わう事になる。少し地方になると野菜は自分で作り、パンは税金の関係もありパン屋で手にする事になる。肉は、猟師が狩って来るので何時もある訳では無い。野菜、エールの様な酒、薪、たまに革や布が出るぐらいである。


 塩は国が管理する必需品だが、イリア王国では、大量生産する方法はまだ知られていない。王都は内陸にあるので海塩も取れないし、岩塩は知られてはいるが生産量が少ないのでどちらも高い。塩辛い保存食や、塩を使った加工品は南部から海塩と共に運ばれてくる。勿論、街道の整備や治安の改善など、地道な改革が必要とされる。安定且つ大量に供給出来れば、塩は巨万の富を生み出すだろう。


 エミリーによると、王都では税率の変更で流入量や価格を調整させている。季節的要因を除き、不当な利益が出無いよう役人による見回りも頻繁に行われている。エミリーも、取締りの応援に出かけた事があるそうだ。不当な利益もそうだが取引にも同じよう注意が払われている。

 特にパンや肉などの必需品とされた食品は、国による営業許可証の取り消しや重い罰金(ほとんどが1日と13日の裁判で死刑になる。食い物の恨みは何処も厳しい)がある。この国では、犯罪を防止するには重罰による抑止が効果的と思われているらしい。


 ※ ※ ※ ※ ※


「エミリー、お腹空かない?」

「そうだな。昼は中で取ろうか。市場の中には、食堂や喫茶店があるんだ」

「便利だね。皆の胃を満たし喉も潤しているという事だね」

「調理済みの食品を買って、食堂に持ち込んでも良いし、調理を頼んで持ち帰る事もできるぞ」

「通りで賑やかなはずだね」

「ここで、シチュー粥と内蔵の煮込みで遅めの昼食を摂ろう」

「パンもつけて。お店は市場の入り口にも有ったよね」

「立ち食いの露店は、市場の近くと噴水横の広場にまとめて置かれいるな」

「馬車が有った所だよね。繁盛しているね」


「露店は、商業ギルドの露店販売の許可証が必要となる」

「そうなんだ」

「食べ終わったら、お土産になる様な物を探そうか。雑貨は向こうだ」

「香辛料が置いてあるから買おう。そこの数種と、あとは植物性の食用油を手に入れたいな」

「香辛料も油も少し値が張るぞ」

「しょうがない。タラゴナには無かった物なんだ。蜂蜜は高いけど、量はそこそこあるみたいだね」

「私も甘いものは好きなんだが、高くてな」

「甘味と言うのは蜂蜜ぐらいだな。残念ながら砂糖は見つからないなー」

話をした雑貨屋の主人が教えてくれた。

「ハハ、坊主。砂糖なんて探しても無駄だぞ」

「なんでー?」

「希少品だし、高くて手が出ないよ」

「マァ、どうしてもって言うなら薬屋で売っているかもしれん」

 砂糖は、王都でも見つけにくい品だそうだ。ごく僅かな量が、遥か東からの隊商が持ち込むだけだそうだ。遠く中央大陸にまで行かないと無いのだろうか? そういえば、遺跡都市メリダの近くで、甜菜の様なのが生えていたけど? 砂糖が取れるかな? まさかねー。


 ※ ※ ※ ※ ※


 帰りがけに王立図書館を見つけたが、夕方近くで閉館時間を過ぎていたようだ。入場料は、国が認める学者や学院生以外、一律8万エキュ・保証人一人・保証金一冊につき16万エキュが必要。貸出不可、書架には立ち入り禁止。本は司書さんに持って来てもらう。やはりお金のかかる照明や、火災の危険のある灯火は使えないので、太陽光のある昼間のみの開館なんだろう。


 帰りに食事を取るというコースなので、エミリーが言っていた王都の名物料理という羊の丸焼きの店に入るそうだ。

「ここが羊の丸焼きの店だ」

「良く来るの」

「偶にだが給料が入ったらな。ここは一匹丸ごとも注文出来る。大人数で来ても良いんだ。少人数でも定食があるしな。定食には豪華版が有ってな、満足セット(色々な部位の肉が楽しめる)というエールの付いたのが一番のお勧めだ」

「美味しいんだ」

「そうだな。毎朝、羊をつぶすんだ。炭火の焼肉だから美味いぞ」

「新鮮には違いないね」

「庶民が利用する食堂で注文できるメニューというのは珍しいんだ。肉も選べるしな。料金は肉の部位と肉の量によって値段が上下するようになっている」

「良心的だね」

「追加した、羊の脳みそはかなりの逸品だ。今日は予約してないので無理と思っていたんだ。ハーフサイズで10000エキュなら出す価値はあるぞ」

「そうかー。良かった。羊の脳みそなんだ。そんなに美味しいならエミリーに全部譲るよ」

 郷に入っては郷に従えと言うのは本当だった。確かに、羊の脳みそは美味かったよ。マァ、偏見はいかんという事だな。


 少し遅くなったが無事観光を済ませ、シロチドリの宿に戻って来た。この世界は27時間位なので、一日4度の食事を摂る人も珍しくない。いつもは干し肉を片手に、軽く飲食をする4度目の食事だが、さすがに今夜は止めた。

「では、おやすみなさい」

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