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癒やされたいキャンパー。異世界を癒やしに行く。  作者: カトー
第3章 王都へ行こう
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魔法の訓練

 トルトサの村に行く街道より、少し入った場所でキャンプしています。実際問題、何とか魔法で身を守れるようにしないと、僕の装備は棒乳切なのです! でもやっぱり槍術なんて難しくて出来そうもないです。もうこの際、恰好だけなら魔法使いの凸凹節がある杖でもいいかなと思ってきました。お爺さんぽっいけどそれなりにかっこいいし?


 エミリーも低い威力の火魔法と風魔法が使える。イリア王国で魔法が使えるのは、20人に1人か2人だそうだ。それでもイリア王国は、他と比べて魔法が使える人口は多くレベルも高いらしい。王国より魔法を使える者が少ない為、お隣のエバント王国やケドニア神聖帝国では魔法使いや術師は更に貴重だ。

 しかし、魔法の優位性もだんだん無くなりつつある。ケドニア神聖帝国はイリア王国より科学技術がかなり進んでいる。話では簡易鉄道といわれる鉄道馬車が帝国の各都市に作られつつあり、鉄の加工も盛んだ。魔法の様な理不尽な事は出来ないが、この世界も段々と科学文明になっていくのかな?


(まぁ、魔法が使えるのは嬉しい)

 今は魔法が使える。(日本で言ったら、どこかへ連れて行かれそうなセリフだ)さらに練習をして護身にも使いたい。魔法使いと言われるには、訓練もそうだが天賦の才が必要になるという。覚え立てでも、使える魔法が八個もあるのは凄い事だとエミリーも言っている。


 土魔法で整地して(意外と小石でも背中に当たると痛い)テントを張り、火魔法でたき火(なんとこの世界では直火でも良い)を起こし、魔法でシャワーにお風呂と調理に洗い場、トイレも作れる。(これ凄くない!)

 魔法の利用法を考えてみるが、正直考えるより小説を読みなおす方が良いような気はしている。スマホに保存してあるウェブ小説が役立ちそうだ。(実録のドキュメントで無いのが少し残念だが、でも先人に感謝!)


「ねえ、エミリー見て。すごいと思わない。水が空中に浮かんでいるよ」

ペットボトルの容器に、魔法で造った水を入れて自由に操っている。お風呂と違って密閉容器に入れれば、水はかなり自在に動かせる。飲まなければ入ったままで消えないし。

(念動力で良いのかな? 自在に動かせるなら、アレ取ってと頼まなくても良いけど。今は作り出した水しか操作できない様だが、火や風もグルグルしたいな)

「これ、ドローン作れるよね。四方にプロペラがあってさ」

「ン、ドローンって何だ?」

ペットボトルに水を入れていたら、ふと思いついて地面に絵を描いてみた。

「何ぶつぶつ言ってんだ。同時並行魔法を使えるのカトーだけだぞ。それも複数な。他の人は無理なの。王都の魔法使いなら出来るかもしれんがこれは常識だぞ。それより、そんなんで遊んでないで早くお風呂を入れてくれないか」


「イヤ、これなら空を飛べるはず」

「まだ遊んでるの? チョット見せて……ペットボトルに水を入れてか。なるほどね。出来るかもしれな。それで、フーン、それならこうすると良い」

落ちていた木の枝で地面に絵を描いて見せてくれた。

「浮かばせて自由に操れるなら、2本の棒の端に水の容器を結んで、十時に紐で組んで、板を敷いて荷物ぐらい載せられるんじゃない。早い話、筏だよ。そうすれば後ろから押すだけで動くし、筏全体を前に進めるぞ」

「ウーン、確かに良い考えかも知れないね」

「でもカトー、さっき言ったように膨大な魔力が無ければ何時間も水球を動かしたり、維持したりするのは普通出来ないんだよ」

「動かすのも維持も、魔石をバッテリーとして使えばOKじゃないかな。これって魔石の正しい使い方だよね?」

「そうかも知れないけど、それで板の上に座って、水を操るだけじゃなく、後ろから風魔法で吹き付けたらもっと早く進むんじゃない。私が乗るんだったら板より絨毯か、せめて毛皮にしてくれ。それに風を受けるのは布にしたらどうだ。船は帆を使っているからな」

「いや、ちょっと待って。これって自分で自分を持ち上げる様な物じゃない?」

「やってみたら」

「できる訳ないよ」

「つべこべ言わないで、作ってみたらその空飛ぶ船っていうの」

「いやここは、空飛ぶ絨毯でしょう」


 これで、空飛ぶ絨毯と呼ぶ物は出来た気がする。だが、今使っている方法の水魔法ではスー●ーマンの様に空飛ぶ事が可能かどうかは実験したくない。自分の水分だけが抜けてしまい、空中を水がプワプワ。残されるのはミイラの様な体かも知れないし。遺跡都市メリダで空飛ぶドラゴンを見たけどあれは水魔法では無さそうだ。

(ワ! 今、攻撃魔法を考えちゃったかも知れない。戦う相手に向けて、魔法で水分を分離できるようになったら? ウン、干物や鰹節もどきにされるなんてぞっとする)


 ※ ※ ※ ※ ※


「エミリー、そろそろ暗くなって来たね」

「あぁ、そうだな。じゃ点けてくれ」

夜に備えて、火魔法による松明もどきを考える。もどきなので松明状という形だけだけど。松明の芯は木材を使うけど炎は魔法によるのでススが出るんだ。まだ洗濯機の様な魔法が有るので良いが、何処かに照明の魔法でも置いていないかと思う。

「お風呂を沸かすのに使っている、炎のスクリーンの出来上がり。丸いままだと人魂だとか鬼火に見えちゃうから、これを伸ばして引いて幕状にすれば……あら不思議。これ攻撃魔法になるよね」

「そうだな。相手に向けて自由に炎を動かす事ができるようになったら、喉で炎を吸い込んであっという間に火傷して呼吸困難で窒息してしまうぞ」

「何て事だ。ファイヤーボールじゃなくても良いとは……」


 水魔法でも当然、水量が多ければ溺れてしまう。

「自在に動かせれば、口を塞いで攻撃出来るね」

「そうだな」

「洗面器の水でも使いようでは溺れるらしいから、お風呂の残り湯も注意だよ」

「そんな少なくてもか?」

「そうだよ。ついでに言ってくと、お風呂の水魔法を使った後は、野外では要らなくなって念じれば形が崩れて下の地面に落ちるでしょ」

「それはいつも見ているが」

「宿屋などの水場もこれでいいのだが、部屋の中では排水を考えて使わないと後が大変な事になると思うよ」

「形が崩れれば水浸しだからな」

「これが部屋の中での風呂魔法の使用はお勧めできない理由だよ。たいていの宿屋の床は、木の板一枚なので下に部屋があると水浸しになるからね」

「町の宿屋の部屋は上階に有るから……一階まで水浸しになるか」

「絶対クレームが来るよ。となると残り湯を水場まで操っていくしかない。水がくねくねと動いて階段を降りて行くんだ。中々シュールでしょ」

「絶対、夢に出てきそうだな。町の宿屋では折角のお風呂だが使わない方が良いかもしれんな」


「じゃ、気兼ねなしに風呂に入るには野営か排水が出来る処しかないのか」

「そうなるね。屋外なら良いからね、でも排水かー。雨が降って、ベランダ? でも良いかもしれないなー」

「行水みたいになってしまうな。町では共同浴場の方が良いな。覚えておくよ」


 ※ ※ ※ ※ ※


「風魔法は、お風呂上がりの扇風機が一番の有効利用だと思うんだ」

「それなのに、ウインドなんたらーといって。こうなったのか」

「ウン。風を送って遊んでいたら木にグサグサ刺さって小枝がバシッと落ちたんだ」

「お前は詠唱をするのは、厨二病とか危ない奴だとか力説していたぞ。無詠唱じゃなかったのか?」

「エェ、まあ。そんな事も言いました」

「フーン。それで?」

「思った通りだったんだ? 僕の体内にある魔力だけでも威力を上げれば、ウェブ小説にある通り何でも切り刻む事が出来るようになった」

「そのウェブ小説とやらにはなんで詠唱が書いてあるんだ? 作者はここに来たことが有るのか? それとも魔法使いなのか?」

「イヤ、来た事も無いだろうし、魔法使いでも無いと思うよ。でもウェブ小説には大抵の出来事が書いてあるんだよ」

「何でも書いてあるのか。まるで、聖秘跡教会の教本か予言の書だな」

「それとは少し違うけど崇拝はされていると思うよ」


 風魔法では最初はみじん切りしかできなかったけど、だんだん応用が出来るようになった。例えば料理の時なんかは飛び散るのを防止しとけば調理作業が非常に楽になるんだ。

「泣いて玉ねぎを刻まなくて良いし、野菜は包丁やピーラーを使わなくても良いんだ。だが屋外の狩りなどでウサギに向かってウインドなんたらで、ビュッとやったら後が大変だしね」

「カトーちゃんと分かっているじゃないか。私も上達したと思うが、もう少し考えて使った方が良いぞ」

「ウン、反省しているよ。肉なんかはちょっとスプラッターになってしまうからね」

細切れのウサギや鳥を見る時は、ちょっとした覚悟が必要だ。これも気を付けないと大量の風の刃を作り出してしまう。

「一個だけ作って、首だけ落とすコントロールが必要だぞ。こんなになってしまっては毛皮も獲れんからな」

スープに浮かぶ、少し革付きの細切れになったウサギ肉を見て、そうエミリーが真剣に言っていた。


 土魔法では、お約束通り壁を立てるのに有効だ。これはトイレ造りで練習済み。さらに大きく固くする為、練習中である。お風呂の湯は空中に浮かせる水魔法の方が楽だし、かなり大きな水塊が造れるようになっている。しかし湯船も捨てがたい。土魔法で作れば足先までプカプカできる事に気が付いた。まだ、これは練習量が少ないせいか、土魔法で浴槽を作ると少し土が混ざり、触れると濁ってしまうので研鑽中である。


 あぁ、それから土魔法の発動には随分と注意していたのだが、

「だから気を付けろと言ったのに」

「うっかりなんだよー。空中に槍をはやしたのは」

「私は避けれたから良いものの、ミスリム着ていて本当に良かったな。本当に驚いたぞ」

「僕は自分の胸に槍が落ちてくるのに動けなかったよ」

「カトー、今回は土の槍が胸に刺さっても弾き飛ばせたが、次も上手く行くと思うなよ。本当にやばかったんだぞ」

「ウン」

「杭だったら、まずアウトだな。それに今のカトーなら土魔法で頭上に巨大な土塊を作れるんだぞ。忘れるなよ」

「ウン、反省するよ」


 地形の魔法では、危ない場所を探したりだけでなく、待ち伏せする場所を探す事が出来る。不意を突く事で攻撃も楽になる。軍事転用が簡単だ。面白いのは地図の表示だ。町や山の名前が分かるとすぐ表示されるし、通って来た所のグレー表示が変わる。すべては無理だろうが、ポケ●ン図鑑の様に全部埋まると良いなと思わせる。達成感をくすぐる魔法だ。


 鑑定の魔法では教わるまで何かは確定出来ない。一度、教われば忘れるという事は無いみたいだ。エミリーが教えてくれて毒草が分かるようになった。この王国では誰でも知っている毒草だ。日本と同じでトリカブトやドクゼリの様に割と簡単に手に入る。少し田舎なら街道横にあるし、森には結構な数が生えている。簡単な科学知識で毒の抽出も出来るし大量生産も可能だ。


 時空の魔法? 癒やしの魔法? 若返ったんで時間と空間をいじれるのかと思ったんだ。ウェブ小説のストレージと言われる魔法まであと一歩二歩? 今は無理かも知れない。ストレージみたいな収納魔法はすごく欲しいけど、エミリーに聞いても収納魔法なんて「?」だし。実験に失敗して自分がクラインの壺になってしまうのはいやだし。弱いヒールも使えるけど、癒やしの魔法の機能の一部分なのかな? と思う。 


 癒やしの魔法を、普通に使えるようにしたい。体内魔力で出来るヒールと違って、癒やしの魔法は燃費が悪いので魔石もいる。なんでケガや傷、気力、体力とも回復して年若くなるのか分からないし? ローブを被らないと、結界が効かなくて若くなってしまうし、何時までも子供の体のままではなー。日が過ぎれば普通に年もとって行くと思うけど、魔石・大を使うと一年ぐらい若くなるのはきついなー。


 癒しの魔法とヒールの境界とか、ごっちゃになって分からない。体に持っている魔法量でヒールと唱えても足の豆や擦り傷の治療ではね。訓練してレベルみたいのが上がればヒールだけでも使えるのかな? 練習あるのみか。

 でもこれ、良い事も有ったんだ。小説にあったように細胞組織の再生を考えた後、エミリーの太ももにある子供の時の古い傷跡でも治るかと思い唱えたら治ちゃったけど。小さかったし、後でのぼせたけどね。

 あぁ、このエミリーの古傷はお風呂で確認したのでね。これからは水着美人になってもOK。これだけできれば●●クリニックとして美容整形も出来るね。

欠損になっても魔力量の大きな魔石があれば治るかもしれないし……。

「ウーン、分かんないなー。やっぱ先送りだな」


 魔法の種類も多いし使いこなすには時間もかかりそうだ。魔法の使用法を考えて行くと身を守るどころか人を攻撃する事も出来る。良薬も使い方次第で毒になるとか。どんな魔法も簡単に転用できて大きな災いをもたらしそうで、古代アレキ文明が滅んだのも魔法がらみかも知れないな。

ふと、遺跡となった都市メリダを思い出した。


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