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第7章
「さっきから何にやにやしてんだよ。おい」
声と、肩を叩かれた振動が伝わって、やっと僕の意識が戻ってきた。携帯電話の画面を見たまま、しばらくどこかに行ってしまってたようだ。
「まーた委員長の妄想か?お熱いねえ」
柏木の耳障りで単調な冷やかしが続く。黙ってろ。
「は?委員長?」
「今日は屋上デートだったそうで」
「ああ、そうだった。あいつ昼来てたな」
「何、その余裕な感じ?モテアピール?爆発しろ爆発」
「柏木おまえさ、あいつ有りなの?委員長」
「ぶぇ?あああ有りとかおまえ、何?それどういう」
「いやまあ何でもいいけど」
僕がいちいち構うからこいつも調子に乗るんだろうか?でも別に害もないし、無視するのは気の毒だから、だいたいこんな感じで適当にあしらうことにしている。
幸は委員長で何だかんだしっかりしてるし、誰とでも同じ目線で話すし、男子に人気はあるほうだと思う。そして胸のサイズだけは美弥子さんに勝ってる。だけは。