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第65章

「美弥子さんが、原因なのか?」

「俺はそうとしか思えん。ただ、こんな世界に俺たちを、いや自分まで閉じ込める意図はわからんな。ひょっとしたら、制御不能な力なのかも」


「あ、あの、私は、四条さんは悪い人じゃないと思う……あの男の人たちに連れて行かれる時も、四条さん、すごく震えてたのに、幸ちゃんと私を庇ってくれたんだよ」

「そうだね結華、でもどう考えたって、大田くんはやりすぎたよ。だからその罰として、私たちみんなが閉じ込められたんじゃない?罪を償うまで、ここに」

「いや、もし閉じ込めたのが美弥子さんだったら、自分まで巻き添えにする理由がないだろ」


 反論しながらも、罪を償う、という幸の言葉が心に引っかかっていた。


 人を殺した罪なんて、償えるわけがない。


 相手がどんな悪人だったとして、あれだけやってしまっては法的にも、正当防衛が認められることはないだろう。


「償う……か。じゃあどうすれば、償えるか」

「無理だな。やっちまったことは仕方ない。ゲームじゃあるまいし、死んだ人間はもう生き返らないよ」

「大田くん。あなたが……あんなことしたから、こんなことになったんでしょ。自分でしておいてそんな発言、人として許せない」

「幸ちゃん、幸ちゃん、やめようよ。大田くんはみんなを守ってくれたんだよ。桐島くんと大田くんがいなかったら、私たちがめちゃくちゃにされて殺されてたかも知れないんだよ」


「……なあ、みんな、落ち着いてくれ」

「悠、どうした?」

「少しわかった気がする」

「何が?」


「俺の記憶だけが蓄積されていくってことは、リセットされて戻った俺が、過去の何かを変えて来なきゃいけないんじゃないのか。探すべきは、この世界の中じゃなく」

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