表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/77

第29章

「で……あのさ。なんで二回連続で俺んち集合になったんだっけ?」


「だって、やっぱり四人で集まれるっていうの、けっこうハードル高いんだもん」

「ご、ごめんね。桐島くん、次はうちでできるようにするから」

「まあでも昔から、悠の母上様は器大きいよな。ほんと……あら」


「はーい。貴ちゃんが褒めてくれたところで、母さん西瓜切ってきちゃいました。ささ、どうぞ」

「計ったようなタイミングだな」


 皆でやるから、僕も何とか続けられている。しかし勉強というのは本当に地味な作業で、これを自主的にできる人の思考がどうなっているのか、僕には想像できない。


 おそらく机の上でしか使うことのないであろう知識を、僕達は無限に詰め込んでいく。世界史なんて、それが本当にあったことかもわからないのに。




 玄関の呼び鈴が鳴ったのに気づき、僕の意識が外に戻った。


 勉強会も多少だれてきて、しばらく無言が続いていた時だった。


「はーいはーい、今開けまーす」


 さっき遊びから帰ってきていた妹の声と、階段を下りる足音。ちゃんとインターホンで確認したのか?


と思っていたら、「悠兄、美弥子さんだよ」と呼ぶ声がした。


 唐突な訪問。僕は動揺、「今日、来るって言ってなかったよな……」と無意識に呟いてしまっていた。


 それでさらに慌てて立ち上がろうとしたので、幸が「え?誰なの?」と怪しむように訊いてくる。


「あの、この前言ってた、事故の……」と僕が中腰の姿勢で言いかけた時、ドアが開いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ