9話、これからへの安心
俺は依頼の目的であるイノシシを前にしていた。
「でかいな・・・」
これはイノシシなのか?と疑うほどに大きい。
そのイノシシが突進してくるが、俺のステータスが高いおかげか、イノシシの動きを追いきることが出来た。
横へかわした後、イノシシの首を切り落とそうと剣を振り上げるが――
「・・・ッ」
寸前でとめてしまった。生き物を殺すことへのためらいではなかった。
切るときの感触、切ったときに飛び散るであろう血と肉、切断された断面、それら生き物を殺すときのダイレクトに伝わる光景や感覚が気持ち悪そうだったからだろう。
「『サンダーボルト』!」
発射された雷が、イノシシを襲う。雷の炸裂した音とともにイノシシの断末魔が響く。
そのままイノシシは動かなくなった。
魔法なら直接手を下さなくても殺せるな。
刃物とか使ってたら刺したときの感触が気持ち悪いしな。
依頼達成だ。
「依頼達成ですね。確認しました!こちら報酬になります」
「ありがとうございます」
俺は数枚の銅貨を受け取ると、宿屋へ戻ることにした。
冒険者はこういうふうにやればいいんだな。
依頼とかギルドとか、色々とやり方はわかった。
これから上手くやれそうだな。