エイプリルフール 前編
色々とアクシデントが起きてしまい前編と後編に分けてしまいました。
え?単なるサボリだって?
違います。今回は本当に未曾有の事態が……
オレはこの街の何番目かは、忘れてしまったが、歴史ある領主をやっている。
何でだろうな。ちょっと前までは、普通に日本でサラリーマンとして働いてたのにな……
気づいたら、次期領主だーとか言われて……
それは置いといて、ここの歴代の領主達はみんなそれぞれ、一つずつ新しい領内行事を追加しているらしい。
ちなみに、オレはまだだ。今からと言った方がいいのかもしれない。
そう、オレは仕掛ける!
オレが子供の時に苦手だったあれでな!
そして、あれの数日前。
昼前の事だった。
扉を開けて、誰かが入ってくる。
「らっしゃい」
『何でもそろう、夢の雑貨屋』という謳い文句の街一番を目指す、雑貨屋ノグサの久しぶりのお客さんであった。
「こんにちは。ミハエルさん。回覧板よ」
「客じゃなかったか……」
ミハエルはがっくりと、肩を落とす。
残念ながら、客ではなく、彼女、ルーシーはお隣さんの一人娘である。
「ごくろうさん。ほら、お駄賃だ」
と言ってたまたま、手元にあった、リンゴをルーシーにあげ、回覧板を受け取る。
「わぁ!美味しそうなリンゴ!ありがとう!」
リンゴを持って、帰って行く。
「はぁー」
大きなため息が、ミハエルから漏れる。
(最近、お客さん来ないなー)
暇だなーと思い、さっきルーシーから受け取った、回覧板を開く。
その中には、数枚の紙が入っていたが、全て同じ内容だったので、恐らくは一枚とればいいのだろう。
一枚、取り出した紙には、大きな文字で、
エイプリルフール!と書かれていた。
(お!楽しそうだな。暇だし、客が来るまで考えときますか)
そう、雑貨屋ノグサは超絶暇だった。
そして、当日。
ミハエルのパーティーメンバーが来たとき用の椅子と大きなテーブルを出し、その上にマリエルの作った料理が乗っている。
「お待たせー」
家に入ってきたのは、ミハエルの仲間である4人と『蒼の竜』のパーティーリーダーのダグスだった。
「おい、ダグス、何でお前がいるんだよ」
「いいじゃねーか兄弟。マリエルさんの料理が食いたくなっただけだよ」
「俺とお前はいつから兄弟になったんだよ…」
ガハハと笑いをあげていると
「ダグスおじさん!それにみんなも!」
奥からエリーが飛んできた。
とりあえず、それぞれの椅子に案内する。
急きょ来たダグスはミハエルの椅子に座らせた。
「じゃあ、今日は一つお話をしようかな?」
ある程度ご飯を食べ、エリーがお腹いっぱいになり始めたとき、ミハエルのお話は始まった。
「お話!?パパは何を話してくれるの!」
エリーは興味津々である。
他の面々も料理を食べながらミハエルの話に耳を傾けていた。
これから始まる、とても面白く、感動的なお話に。
後編は4月中に頑張ります!
え?連続で出せって?
だって未曾有の事態が……