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俺、神様になりました。  作者: 商 秋人
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?間話?昔話?前??



「な、なにっ??」

「でっでっ、どうして亮太の事知ってるの!?」

「な、なんですかっ!? この人っ!!!」


 半透明の女の子が私の声に対して、驚きの声を上げている。どうでもいい。そんな詳細情報どうでもいいからはよ、はよっ


「え、えーとっ!! 私はたまたま変な国で会った日本人を探しにここまで来ました!! 現在迷子中ですっ!!」

「なるほどっ!でっ!?亮太は今何処にっ!!」

「すみませんっ!!私も探し中です!!」

「なるほど!! この子役立たずですっ、ラミア!エルタ!」

「はう!!」

「「おい!!」」

 私の至極真っ当な感想に対して、エルタとラミアがツッコミを入れる。真っ当だよね☆


「初対面の相手に失礼だろリア」

「そうですよ。もっとゆっくり聞きましょう」

 まぁ確かに急すぎたな。もっと順序だてて話すべきだった。でも聞きたいこと聞いちゃったしなぁもう。亮太の居場所知らないらしいし。


「ねぇ、名前何て言うんですか?」

 ラミアが、オドオドとせずに流れるように言う。成長したな、ラミアも。どの立場で言ってんだよって感じだが


「えーと、き、霧乃歩っていいます。気軽に歩と呼んでくださいっ」

「じゃあ歩、亮太とはどこで会ったんだ?」

 それを聞いたのはエルタである。相変わらず一番亮太の事どうでもよさそうにしてるくせに行動派だなー。ツンデレかっ


「えーと、さっきのクレーターです」

「あのいっぱいあったやつか?」

「はいっ」

 あったなー、そんなのも……でもあれが亮太に関係してくるのかあー、面倒事に巻き込まれてンだろうなー


「あ、そういえば私の事見えるんですねっ」

「は? なにいってんだ?」

「私幽霊なんですっ!!」

「は? なに言ってんだ?」

 変わってないですよ言ってること、いや漢字になってるけども……


「えーと、実は……」

 そう歩さんが口にすると、これまでの経緯を話始めた……




「なるほどなー」

 説明を終えた彼女、歩は私達が理解したのを確認すると、続けて話す。


「そうなんです。亮太達が真面目な雰囲気になっていたので、終わるまでちょっと離れようかなと思ったらいつの間にか……」

「それで探してたら変な遺跡を見付けてここまで来たと……大体わかった」

 つまり彼女は亮太と同じ世界から来た。そしてナゼか幽霊の姿をしていた。さらに変な魔術を使えてそれで文字を書いたら亮太に会った。

 あとは説明された通りか……


「でもどうする? 完全に亮太を見失ったぞ、リア」

「うーん、どうせ場所分からないならもうちょっと先に進みますか? どうせですし」

「分かった、そうしよう」

「そうですね、そうしましょう」

「わ、私も付いていってもっ?」

「うん、OK」

「ありがとうございますっ」


 ……よし、先進むか……でもここは何なのだろうか……遺跡にしもても不思議だ。例えば外壁、細かい装飾がされている。とても綺麗だ。埃ひとつない。そう、埃ひとつないのだ。まぁあり得ないな、昔からある遺跡なのに汚れがない、だが誰かが掃除しているような跡もない。


「ん? 何してるのエルタ?」

「いやあ?何て言うのかな……違和感の確認」

「いわかん?」

「あぁ」


 そう言い俺様は静に前に歩きながら、魔術を使う、使う魔術は決壊だ。使う理由としては結界が治っていないかの確認である。


「でもきれいな遺跡ですね」

 歩が遺跡を染々と眺めながら口にする。

「まぁ最近できたんでしょう」

 リアが目を瞑り前に進みながら言う。

「いや、それならオカシイですよ、あの碑文はリア達が知らない訳だったんですから」

 ラミアが指をたてて反論する。


 綺麗な遺跡から連想されるのは最近できたということだ、だがあの碑文の説明がつかない。

 嘘だったのか?

 いや、あの言語は師匠から教えてもらった。

 師匠はもう何千年と生きている。いや私も2000年ちょっとだけど、それは置いといて、少なくとも3000年は生きている。その師匠が言っていたがこの言語はもう滅びている。書ける人間はそうは居ない。

 なら……まさかな……

 嘘ではないなら……真実なら……

 私達は本当に私達なのか?


 だがそれに答えはなく、在ったのは

 唐突に現れた、見たことのない一人の人間だった。


「ようやく一人辿り着いたか……これで終われる」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 こんにちは、私の名前は神野亮太。普通の人間だ。ごく普通の人間だ。

 なんの力も無い。スッゴク前にいや、無くなった。

 人間になった、力が無くなった。

 普通の人間だ。


「はぁ……」


 私は今全てを終わらすために、遺跡を造っている。力は無くなったのにどうやって造るか、極単純、違う者にやってもらっているからだ。


「亮太、これでいい?」

「うん、ありがとう」


 今行われている作業がだいたい終り声を掛けてきたのは黒髪の女の子だ。凄く美人である。

 名前は無い。今は無い。

 唐突だが場所はシャラルダ国の遥か端、何もない土地だ。吹く風は暖かく、地面は熱い。

 そこで何をしているのか……

 簡単に言うと遺跡作り。

 難しく言うと最終回だ。

 

「まぁもしこれが完成したら、すぐ誰かがここに来るだろう。いや、だろうじゃないな、来る」

「これ必要? もうどうせ誰か気づくでしょ」

「いや、多分この物語は終わらん、誰も気付かずまた続く、いや、多分じゃない、絶対だ」

「あんたその言い方好きね」

「ん?」

「多分じゃないとかだろうじゃないとか……」

「う……」


 わ、私だって見栄を張りたいんだよ……いや、正直には言えんけど。絶対に言えんけど


「見栄張るのも大概にしないとまたミスっちゃうよ、もう何回目? 1000? 2000?」

「なんでわかるんですか? 見栄張ってるて……」

「だから、もう何回目よ?」

「まぁ、長い付き合いだもんな……ちなみに1524回目だ、この世界は」

「そ、長い付き合いでしょ?」


 1524回目……これがこの世界の回数だ。


「でも、私達の付き合いもこれで終りかー、お疲れ様だねー」

「あぁ、だがそんなことを言うとまたミスをする、あまり言うなよ」

「はいはーい。わかってますよ、あ、そういえば」

「ん?」

「これで本当に大丈夫の質問に答えてよ」

「どの時のだ……」

「2日前の方……」

 胸に少しざわめきが走るが、すぐに収まり、正面を向く。私の答えは変わらない。


「大丈夫じゃない、だから大丈夫にするんだよ」



 俺と彼女は再び作業に入る。俺はまとめへと、彼女はその準備にと、それぞれの作業に……

 彼女がある程度の距離になると、私はひと言だけ、小さなな声でこうつげる。


「まぁ、答えはみんなが揃ってからだな」


       

ーーー亮太サイドーーーーーーーーーーーーーーーー



「あ、あのー、痛いんですけど……」

「「「「で?」」」」

「うぐっ」


 俺の意識は今、朦朧としている。

 こんなセリフ普通真面目なシーンで使うのだろうが、ふっ、今更俺達に普通を……

 なぜこうなったのか……少し現状の説明をさせてもらおう。本当に少しなので自分の中でまとめさせてもらう。


 まず一つ目

 「で」×4を言ったのは誰か……まぁこれは簡単だ。ラミア、リア、エルタ、ナラマ様だ。とりあえずエルタが予想外だったな。

 次に二つ目

 ここがどこか……端的に言うと、外だ。詳しく言うと遺跡だ。なぜここにいるのか、エルタにここに来てくれと言った人がいるらしい。

 話があるとかなんとか……

 次に三つ目

 彼女達がここにいる理由は、遺跡に連れてきてくれと言った人に聞いたらしい。この国にいること自体はわかっていたが、国の場所がわからなかったという。なんともらしい理由だ。

 最後に四つ目

 俺の現状だ。場面の現状ではなく、俺の現状だ。単純に怒られている。あの本妻がどうのこうのも含めて怒られている。それ以外でも怒られている。


「おい、お前らその辺でやめとけ、そっちでずっと見てるおいてけぼりな可哀想なやつらの事も考えてやれ……私はもう大体分かってるからいいが……」


 そう声を掛けたのは師匠だ。気だるそうに欠伸をしながら声を掛けてきたよ。人の事言えないよね、師匠も。放ったらかしだよ、投げっぱなしジャーマンだよ目の前の人。投げっぱなしジャーマンの意味知らんけどさ


「はは、やっぱり続ける?」

「ふざけないでくれる? こっちの苦労どれだけ酷いことになってると思ってるの? あと個人的にもう嫌よ」

「……そうだね、もう懲り懲りだ」


 向こうも向こうで投げっぱなしジャーマンだなぁ、ほったらかしに話が進む。

 あ、蹴るの止めてくれた……

 びっくりしたよ、遺跡ついたらラミア達から質問攻めをくらい、ある程度話したらこの通り虐められた。イジメダメゼッタイ。


「で、はなしってなに?」

 ひと言目を切り出したのはナラマ様である。

 相も変わらずジトメの美少女、いや、美幼女である。だが、その表情は真面目で、真剣なものだった。……この子だけ蹴るの止めてないんだけどね


「話か……じゃあまず聞こう、私を見てどう思う?」


 まったくもって下らない。腹のたつ質問だな。

 おっと結論を急ぎすぎて意味がわからないという顔だね、諸君。ならばさっさと答えよう。

 それは……


「「イケメンだな……」」


 まぁこういうこと……てあれ? 俺と師匠以外言ってないんですけど、残りのメンバーはポカンとしている。あ……まさか彼を頭のおかしな奴と思い込んだんじゃあ、まさか……て俺もおかしいとは思うが放心状態になるほどか?


「なるほど、なら君達は今何人いる?」

「えーと……」


 ラミア、リア、エルタ、師匠、ナラマ様、歩……

 そして俺か……


「お前らを合わせないなら7人だ」

「そう、7人だ。お前達は7人……これがどう言うことかわかるか?」

「い、いや……分からないが……」


 俺の頭の中でナラマ様の夢という単語が甦る。なぜかは分からないが、不思議と関係しているように感じた。

 男、青年は続ける


「端的に、俺的に俺が敵でバットエンドだ」

「は?」

「説明がいるか?」


 バットエンド。悪いエンディング。嫌な終り。

 どういうことだ? なぜ終わる。あとなぜ韻を踏む?


「これは決定していることだ」

「うーん、よく分からんが、終わりはだめだな」

「ほう、私にどんな意志が在ろうともか?」

「当たり前だ、俺が守れるものは守る、それだけは絶対に譲れない」


 それが主人―


「それが主人公の考え方だ……か」

「なっ」

「心を読んだとかそんなんじゃ無いよ。……やっぱり終らすべきだ。こんなことにもう意味など無い……」


 な、なに言ってんだよ。確かに俺の思ったことを言われたのはビックリした。だがそれだけだ。

 それに、意味が無いってなんだよ。

 この世界の事か? それとも……それとも

 

「それ、俺達の事じゃねえだろうな」

「……そうだよ、君達の物語はもうだめだ。飽きた」

「なに知った風に語ってる、お前が何を言えるっ」

「言えるさ、こんなことを言うのは酷だが、この世界に価値はない」


 ぐっ!!


「なんだよっ! なんなんだよっ!! もっとはっきり言えっ!!!」


 気付いたら俺は怒鳴り声を上げていた。

 周りは遺跡だ、もちろん響く。キーンという効果音が、その音の大きさを物語っているだろう。

 俺は竜だ。そして神だ。

 その能力が何かしらの影響を与えて自分の声を大きくしたのだろう。

 でもそんなのは関係ない。ただ怒りだけが込み上がる。こいつは危ない。俺を終わらせてしまうんじゃと思ってしまう。

 俺が夢だと、俺の見ているものが夢だと言われた時はナラマ様からだったから良かったが……


「りょ、リョウタ!? どうしたの!?」

「そうでよっ、らしくないですっ!!」


 リアとラミアが俺を止める。彼女達の言うことは的を射ているのだろう。俺らしく無い。

 だが、それこそが……

 それこそがっ


「お前は自己満足の為にこれからこの偽物達と偽物の友情を育てていくのか?」


 君と言う二人称が、お前に変わった。これは罵倒の意味を込めていると、さすがに分かった。

 俺の事はいい、だが仲間まで罵倒っ


「だからそれだよ、それがお前が偽物である理由だ」

「ぐっ!!」


 俺は唯我慢する。怒ってはいけない。

 怒っちゃダメだっ!!!


「エルタ、リア、ラミア……君達が何をしようと構わない。だがそれなりに知ってもらおう……」

「なに?」


 ラミアが代表としてか、声を返す。困惑と疑問の意味が込められただろうその問いは俺からしたらやめてほしい……本当にっ


「それは……」

「それは君が世界を繰り返させ、君がうわべだけの関係を続けているからだ……かな?」

「っ!!!」


 ……ふざけんな……


「ふざけなんなよっ!!!!」

「りょうたっ!?」

「なにしてるんですかっ!!」

「…………」


 俺はこいつを殴る。それだけを考えろっ、じゃないと終わってしまう。全てが終わってしまう。

 そんな憎悪と恐怖が入り雑じった感情で俺は魔力竜化をする。そのまま俺は全力で地面を蹴る。


「死ねぇえっ!!!!!」

「はい、終了」

「がふっ!?」


 俺を止めたのは黒い左手であった。とても柔らかい手だ。手袋をしていてよくわからないが綺麗な手をしているのだろう。

 止めたのは師匠だ。


「な、何で止め」

「師匠、なぜ亮太を止める?」

「やっぱりか……」


 ……なんで、なんでお前が師匠ってよんでんだよ


「なんでっ、お前が師匠ってよんでんだよっ!! なんでっ、なんで!!」

「落ち着け弟子。あとお前は亮太だな?」

「そんなの当たり前っ」

「弟子、おまえじゃねぇ」

「は?」


 くそっ、なんだよ。訳が分からん。なんだよ。なんで……今さら……今になって……こんな事に……

 それに今の台詞なんて……


「あぁ、私は亮太だ。神野亮太だよ……君本来の力と死の記憶を受け継いだね」

「記憶? 力?」


 ……あいつは俺自身?

 はは、なんだよそれ……そりゃあ俺の気持ちを知っている訳か……そんな俺が無意味と俺に言ったわけだ……


「どこまでわかんだよお前は《俺は》?」

「全部だよ。全部わかる、私は《君は》君《私》だからね」


 じゃあ仕方ないか……もういいか……

 でも、これもひとつの正解か……どうせ……

 どうせ俺は


「さて、答え合わせだ……」


 俺は偽物なんだから…………



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