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俺、神様になりました。  作者: 商 秋人
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間話 ー昔話ー



「「うっそだぁー」」


 ラミア&リアの第一声がそれだった。 正直ぶん殴りたい。

 前のあの感じから今の台詞出る?

 普通さ……

 あれ、よく考えたら今までの行動から考えると私が一番常識人じゃない?


「はぁー、論より証拠だ。付いてきてくれ」

「「う、うん」」


 まぁでも、やっぱりこいつらには信じがたいよな。俺様も三度見したもん。

 ていっても、俺様とあいつにどんな仲があってこんな事してんだよって感じだけどな。

 だってほら、永遠に封じられる筈だった牢獄から助けてもらっただけだぜ?

 な? …………

 あれ……結構すごい?

 いやいや、あいつとはあんまり喋ってないしな。ちょろっと魔術を教えただけで、それ以外で言うと……まず初めてあったときだろ、で、次は行く途中。行った後。ほら、大体3日だ。

 …………微妙だな。

 なんか腹立つ。


 おっと、話が脱線してしまったぜ。

 とにかくこの穴を……自然落下しないといけないんだったな。

 目の前の穴に目を向ける。

 

「お前ら、ここ落ちろ」

「「はいっ!」」


 俺が後ろを振り返ると同時に、走ってジャンプしてきた。

 うわぁ、どんだけ会いたいんだよ。


 まぁ私も躊躇は無いけどな。


「おいっしょっと!」

 

 景色が曇り空から、岩石に変わる。岩石が続く。

 そんな景色は、時間の感覚がゆっくりに感じさせる。そう思いながら自由落下していると、小さな光が見えた。すこしづつ大きくなっていく。

 ん?

 はい? うぅぅーん……っ!?やばっ!?なんでっ!? とにかくあいつらがあれに当たる前に何とかしないと!! 


「「『『決壊』』!!」」


 て、リアも気付いてたか…… 

 俺様とリアが両手を前に出して、魔術を発動させる。綺麗な魔方陣が円を描き、パリんと、透明ななにかに亀裂を入れる。


「「よしっ!」」


 私達はそのまま落ち、透明ななにかが割れる。ふぅ、焦ったー


「あのー、私人間なんでこのまま落ちたらヤバイんですけどぉ?」

「「あ……」」


 ……ど、どうしよ、俺様はそこまで考えてネェぞ。うーん。

 やばい、俺様が使える魔術は転移と暇潰しで覚えた決壊だけだ。


「リア任せた」

「エルタ任せた」

 ………………


「「さらばだ。ラミアよ……」」

「なんで二人してもう諦めてんですかっ! もういいですっ、ううぅぅむ、よしっ、凝縮酸素っ!!」


 む、そんな事まで出きるんすかラミアさん。やっぱ天才的な才能があるな。だって酸素って私達が教えた物質の一つだけど、風魔術とどこが違うのかみたいのやってたら同じような魔術創ったからね。今の。凄いなぁー

 うおっ、と、ほ、ほんとにすげーな。どうなってるの? ふわって浮いたんですけど、ふわって、例えるならジェットコースターの最後だ。

注・エルタは日本を知っています。

 あ、そういえばなんでこんな所に結界あったんだろうか……わりかし強力だったから少し不安だ。

 なにか起こらないと良いのだが


「ふぅぅー」

「「でっ、どこっ!!」

「最低限疑問形で聞けや。まぁいいけど、で確か亮太は……あれ? 居なくなったな」

「「むむ、亮太さんの臭いがする」」


 こえーよ


「「まぁ、臭いじゃなくて亮太さんの魔力粒子なんだけどね?」」

「こえーよ」


 こいつら亮太の魔力粒子覚えてんの?

 好きすぎだろ。俺なんかあれだぞ、亮太の顔も殆ど覚えてないぞ。


「あ、そういえば、ここって何処なんでしょうか? ラミアわかります?」

「うーん……多分ですけど、ここシャラルダっていう魔族の国近くです」

「ほほぉ、その心は?」

「まず火山ですね。この国は武器で有名ですから、火が必要です。火山ならモッテコイの立地なので大まかな予想をしてみました。あと、ここの黒曜石は我が国の壁で一部使用しているんです。昔父に聞いた(聞かされた)ところシャラルダと国交を持っていたそうで、私も驚きました。魔族と国交をもっていたとは……まぁそれは兎も角。それに依頼してきた方にお会いしたところ、このあたりは幽霊の噂と冒険者の少し長い旅というのが報告されているそうなんです。幽霊はわかりませんが、長い旅は恐らくなにかしら理由がある。ずっと考えていたんですが、正直よく分かりませんでした。ですが今確信しました。彼等はここに滞在していたんです。理由が解明されていないのがその証拠ですね。されたら宗教国になにを言われるか分かったものじゃない」

「「ちょっとなにいってるのかわかんない」」


 や、やばい、このお嬢さんこんなに頭良かったのか……あ、いや半分以上わかってないんだけどね、内容。

 だが、半分はわかった。ここはシャラルダという国付近で、ラミアが頭良かったという事だ。

 これは1割理解というのかな?

 注・理解していないと言うのです。


「魔国シャラルダか……そこに亮太がいるのか?」

「おそらくですが、まぁ予想です。どちらも本当に当たっているのか分からないので、話半分に覚えといてください」

 大丈夫だ。問題ない。まず1割しか聞いてなかった。すまないな。

注・理解していな(以下略)

「じゃあとにかく向こうに行くか。それでいいか? リア、ラミア」

「おっけー」

「いいですよ」

 ちなみに俺が指差したのは結界の中心部な。

 歩きながら、


「でもさ、亮太さんがここにいるならどうするんですか? そのあと」

 さっきはうっそだーとか言っていたが、それなりに信じてくれているらしい。あ、あれか、さっきの魔力粒子ね。


「あぁ、まぁ自由気ままな旅にでもでたらいいんじゃないか?」

 正直な話、他にやることが思い付かない。そうだな、旅じゃなくても、何処かでゆっくり暮らすのもいいか……

 そんな俺の言葉にラミアが答える。


「いや、私は実家に挨拶に行きたいです。一応解決はしましたが、まだ家出中ですし、何があったか説明しないと……」

 んなこともあったなー。覚えてないけど

「なぁなぁ、俺様思ったんだがこの辺りさ、クレーターが尋常じゃないくらい多くないか?」

「亮太さんがいますから、当たり前じゃないですか? ねぇ、ラミアさん」

「まぁ観光地消したり洞窟氷漬けにしたりドラゴンをバーンしたりしてますから、それぐらい当たり前ですね」

「はぁぁ、そうだな」


 俺はため息をつきながら、リアたちの亮太の謎の信用に内心安堵する。

 なぜか? そりゃあ安心もする。

 だってこいつらはあいつを過大評価している。颯爽と助けてくれる王子さま。

 それが当たり前だとは言わないが、実際そんな助けてくれるとかの常体になったら、そう願うだろう。

 だが現実はそうじゃない。まぁこいつらもそんなことは分かっているが、てかだからこそ強くなったわけだが……

 だから、だが……

 どちらの意味も込めて私は言おう。


 こいつらは亮太が危険な目に遭った場合。

 絶対にその相手を殺すだろう。


 確信して言える。

 いわゆるヤンデレっこだな。ただし絶対に亮太に危害を加えない。

 うわぁぁ、今のあいつらと亮太会わせたくねー。

 なんでこんな危険な役回りをしなくちゃいけない? まぁいいけどっ まぁいいけどさっ!!


 彼女達が亮太が負けないと確信している内はいい。だがいざとなったら俺様かを仲裁しないといけない。

 だから俺様は安心してるけどため息をついたのだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 つ・い・た☆

 んだが……ここはなんだ? いや見たら遺跡ってわかんだけど……普通の遺跡と雰囲気が違う。なぜかって?

 

「『遺跡へようこそっ☆、我が国が誇る神代の歴史を学ぼうっ★今日から君も神知り博士だっ✴(入観金100ルーズになります)』……ってなんだよこの看板っ!! 歴史的な建造物にこの国なにしてんのっ!?」


 俺様のツッコミが反芻する。ちなみにここは洞窟だ。だから反芻するんだよ。

 反芻の芻てどういう意味なんだろうな?

 まぁどうでもいいことなんだけどさ。

 それはともかくどうしようか……100ルーズか

 金はあるが行きたくない。負けた気がする。

 なんでか分からないけど負けた気がする。

 さぁてどうしようか、壊しても文句言われないよね? いや、言わせないけどね。

 こめかみに血幹を浮かべさせながら私は思う。


「ハァイ、エルタストォップ、スッテェぇイ」

「おっらっ!!!」

「ぶちゃしゅ!!!」


 謎のエセ外国人(日本語頑張って言っているバージョン)のリアに制裁を加える。少しスッキリした。


「なにすんだよ。ついチョップいれちゃっただろ」

「こっちの台詞かなぁぁ、うぅあぁ痛いぃ」

「頭サスサスしてるリアは某借金執事漫画の画風みたいだな。ぷぷっ」

「そ、それは誉め言葉だよ。私的に」

「もーう。はいはい。漫才してないで行きますよ」

「「ほいほーい」」


 ラミアは100ルーズを入れて、先に進む。

 足音がこつん、こつんと鳴り、少し不気味だ。

 そのまま看板の横を通りすぎる。


『さぁ!! 冒険の始まりだっ、君達は過去の謎がとけるかなっ!!』

「水族館かっ!!!」

「ぼきゃぶっ!! ちょぅ!! 今の私関係なくないっ!!」


 おっと、手が滑ってチョップしてしまった。

 涙目になりながら、リアは我慢している。ラミアはもうめんどさくなったのか、我関せずで前に進んでいた。


「意外に広いな、それに細かい。だれが造ったんだろうな?」

「そりゃあもんすっごい神なんでしょう。あ、折り紙とか上手そうですね」

「あー確かにな。でも案外こういうのは人間が、造っていることが多くないか? なぁラミア?」

「え? うーん。どうだろう? ここって地下だから魔族とかじゃないですか? 一応魔国の近くですし」

「「なぁるほどー」」


 そんな答えのない予測を3人で言い合う。

 そのまま俺様達は進み、少しずつ光がなくなり暗くなる。暗くなる度に息を呑み、光と比例し俺様達の言葉数も少なくなる。

 ……そして声がっ!!


「『なにびびってんのっ!!バカじゃないのっ!! ぶはぁはっはは!!』」

「「「…………」」」


 目はまん丸、口はぽっかり茫然自失、そして真っ白なのってなーんだ?

 正解は俺様達です☆

 プチっ


「ああああああああ!!!! マジでこのアナウンス考えたやつぶっ殺してやるぅっ!!!」

注・現在怒りに任せて走っております。

「や、やべぇ、こいつはやべぇえ、エルタがキレたゼぇ」

注・上手く纏めることができませんでした。

「なに変な物真似やってんですかっ、しかも途中から真似れないから諦めてるじゃないですかっ!!」

注・ラミアは暇なときにリアのアニメ話を聞いています。

「大丈夫だ。問題ない」

「その発言に問題があります」

注・問題あります。

「うおおおおお!!!!!!」

「て、止めないとぉぉぉ!!」

「……てなんか遺跡の雰囲気が変わってない?」

 

注意・なんかシリアス入ります。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 そこに広がっていたのは、遺跡ならではの細かい壁画だった。曲線な波を、真っ直ぐな光を、丸い樹を、そして様々な人間と、翼が輝く天使に黒い悪魔。真ん中にはいろんな姿を象った神らしきもの達がいる。

 俺様の口から素直な言葉が零れる。

 

「すげーな……」

「え、えぇ、でもこれ何時の事かしら……」

「わかりません。こんな神話……見たことが」


 それぞれが疑問を感じながらも唖然とし、鑑賞に浸る。

 二泊ほど置いてからリアが口をあける。

「これ……文字?」

 

 それを聞き、ラミアと俺様は壁画へと顔を近づける。……文字だ。間違いない。


「でもなんの文字でしょう? 私初めて見ましたよ、こんな柔らかい文字……表現として合っているか分かりませんが」


 いや、合っている。この独特の文字は、柔らかいという表現が一番合っている。縦文字で、似たような文字が並んでいる。


「唯一無二の神が四神居た……」

「え? よ、読めるのエルタ?」

「え? 唯一無二なのに四神いるの?」


 ほんと殴ろかな、リア、空気読めよ。一応シリアスだぞ。珍しく。

 俺は、二人の疑問を無視し言葉を続ける。


「四神は、それぞれ4つの世界を創った……

 知恵神は人間の世界を

     森羅神は神の世界を

  武神は武力のみの世界を

      我神は自分だけの世界を

 それぞれ創った

 故に生まれし5つの世界ーー」

「なぜ5つなんでしょう?」


 俺の言葉の途中で、声を掛けるラミア。

 その言葉に俺は自分の考えを語る。語るというほどの物ではないけれど


「それは、元々自分達の居た世界を合わせてということだ。人間の世界・神の世界・武力の世界・自分の世界……そして、残った世界。これで合計5つの世界が在るわけだ」


 興味深そうに二人が頷く。だがラミアが一つ腑に落ちない事が有るらしく、疑問を投げ掛けてくる。


「でも、どうしてその字をエルタが読めるんですか?」

「そうですよ。今更変なキャラ付けしてもいみないですよ?」

「リアはちょっと黙れ」

「む、わかった」

「で? 俺様がこの文字を知ってる理由か……まぁひけらかす事でも隠すような事でもないから言うが、師匠から教えて貰ったんだよ」

「師匠?」

「ん? あ、もしかしてあの竜の人?」

「正解だ。リア」


 そう、俺様の師匠は竜属だ。転移のなんたるかをいろいろと教えてくれた。あの人は俺様の事目の敵にするんだけどな。

 まぁ今なら分かる。多分才能みたいなものだろう。あの人は努力の人だ。あそこまでくると狂気を感じる。でもだからこそ強いし、着いていこうと思えた。


「それで、その師匠はなんでそんな言葉知ってるんですか?」

「ふふん。それはな、多分年の功だな」

「なるぼど、エルタのお師匠大分歳いってんもんね」

「本人には言うなよ」

「分かってますよ。これでも上っ面には自信があります。任せてください」

「ほいほい」

 おっと、ラミアがきょとんとしているな。

 説明がざっとしすぎたか……


「まぁこれは今は無い遠い昔の文字なんだよ」

「ふーん。続きはどうなってるんですか?」

「えーと……

『生れた世界は等しく時を刻む』

  『時刻むは唯一つの結末』

    『それを観察せし者は無なる者』

     『時を観る者姿現すとき』

   『全ては無に戻らん』

 『時を縫い止め切り取り・無に戻らん』……

 こんな感じだな……」

「つまり?」

「それぞれの世界の時間の流れは等しく、その結末は全て同じだと云うのを描いたものだな」

「後半は?」

「分からん。てリアも考えろ」

「えー、面倒くさいです。それにここまで来た理由忘れたんですかっ二人ともっ」

「「あ」」

「え、あ、まじで……」


 い、いやいや、忘れてたンじゃないだよ。

 ほら、なー、あるじゃんほらーあれ、そうっ!

 俺が思いつきで思ったことを言うおうとした時

 

「もしかしてここには亮太は居ないの?」


 そう言ったのは俺様ではない。そしてリアやラミアでもなかった。初めて聞く声だ。

 歳で言うと16又は17歳くらいの声音だ。

 だが、問題はそこではない。問題は


「「「今あなたっ!! 亮太って言った!!」」」


 まぁつまりそういうことだ。







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