第44話俺と魔王と???の闘技祭! その5
短め。
今、俺の修行が……終わった……
……倒れた体に再び竜族の拳が打ち込まれる。
「ぐべっ!? 痛いっ痛いっ痛いっ痛いっ!!!」
「へーー」
俺は今、師匠が俺をぶち抜いた事で生まれたクレーターの真ん中で、死と言う残酷なまでに冷徹な物を味わい“続けていた”。そんな冷徹な事をする師匠は冷徹な笑みを張り付けている。
「へーー、じゃないって!! 俺の胴体部分を何回もけしやがって!! あっ」
「『ヴェルダ〈スモール〉』」
「……はっ! 今なんで一回殺したのっ!? 意味わかんないんだけど!? 死ぬたびに川が見えてすげっーー!あせるんだけどっ!!」
「ふふ、よく言うでしょ? 可愛い子には旅をさせよ、て」
「それ死と隣あわせの旅だから、川と言っても霧がいっぱいで楽しくねーよっ!」
「文句が多いなー、これだから最近の若いのは」
「ふっ、これだから相手の気持ちを考えないおばさんは」
「は?」
「ぶぐっ!?」
「殴るよ?」
「殴ってから言うっ!?」
「よく言うだろ?聞かない子には拳を捧げろって」
「言わないよっ!!断じてっ!!それ只の虐待だからねっ!?」
「よし、じゃあ修行を始めるか」
「認めたよ!?今この人これが修行ですら無いことをみめたよっ!?」
「はいはい」
「はいはい、じゃねぇ!」
「は~修行でまたストレスを発散させるか」
こいつは鬼か? さすがにやめよう?
その思いと共に、倒れた体をおこし師匠に言を発する。
「ふー、もうやめましょう、ちゃんとした死なない修行をしましょう」
その俺の言葉に、遠くに居たもう二人がこっちに来て話しかけてくる。
「あ? おわった? じゃあさっさとはじめよう」
「ふぁ?……こ、この筆舌しがたい地獄はなに?」
うんうん。わかる。だって俺を拷問に掛ける姿は18禁と言ってもよかった。もちろんグロテスクと言う意味で
すぐ回復するからいいとしても内蔵をそこらじゅうに飛ばすのはよくないとおもう。しかも歩さんも見てるんだよ?
異世界初心者にこれは駄目だろ。
その歩さんを励ますように俺も言葉を掛ける。
「大丈夫大丈夫、もう治ってるから」
体の丈夫さをアピールするため右手をぐっぱと開いて閉じてを繰り返す。
俺は殴られ潰され消されながら、なんと服の生成もしていた。だからエロ的な18禁にはなっていない。
俺の18禁だらけだな。誰に需要あんだよ。
俺を破壊しまくった事によって生れたクレーターをのしのし上がりながら俺は自身の服をはたきながら歩さんに声を掛ける。
その言葉にすぐさま彼女は返してくれた。
「いや、そういう問題じゃ……痛くないの?」
「あー、俺今神様と竜やってるんだけど、竜の能力で痛みの軽減ってゆうのがあるんだ。だから大丈夫」
「……とりあえず納得するわ」
まぁ実際は全然大丈夫じゃないけど。そうだなー、分かりやすい言い方は……あ、テレビを背中に投げられて、その中に入っている電気で気絶させられて再びテレビ……の繰り返し、そんな感じだ。うん。わからないね。
「でもまーせっかくのぶき、つかわないのはそん」
武器の入っている革製の鞄を俺に渡すナラマ様。拷問(修行)の邪魔になると、師匠がナラマ様に預けていたのだ。もうこの時点で修行をやる気は無かったんだな。
「はー、わかったよ。じゃあまず片手剣を取ってくれ」
「あ、はい了解です」
ごそごそと袋を漁り、片手剣の柄の感触を確認してから、それを取り出す。
キランっ、とした赤黒い光が剣を光らせる。火山を反射したんだろう。
「よし、じゃあ持ち方はプレーンなやつでお願いする。片手で持つやつで、剣先を逆さにしないようにな」
「よし、これでいいか?」
「じゃあそれで地面を斬ってくれ、好きな斬り方でかまわない」
「? まぁわかったが……」
俺は言われた通りに剣を片手で上空にかかげ、俺の全力を以て斬る。
「はっ!」
掛け声と共に俺は剣を降り下ろす。その剣先が地面を捉え突き進む。地面に落ちた事により、爆発的な風と瓦礫が生まれる。
「うげっ!?」
「風、つよ……い? 私透明だからわかないな」
今の言葉を聞いた通り、俺以外この衝撃に驚いていない。師匠はいつ出したのか分からない翼で自身を守り、ナラマ様は重力魔術で㎜単位の瓦礫を的確に壊し体を守る。そして歩さんは攻撃がまず効かない。
こいつらチートだろ、俺が薄く見える。
少しずつ風邪が収まり、師匠が翼を戻し口を開く。
「やっぱりか、まぁこんなもんだろ」
彼女が言った言葉はどこか確信じみていた。俺のこの斬撃は予想どおりらしい。しかし残念ながら何がダメなのか俺自身は全然わからん。
予想とかしてみるか?
と思っていると先に師匠が疑問を投げ掛けてきた。
「剣って言うのは何のための物だ?」
「はい?」
「剣の用途を答えるんだよ」
「え、うーん……き、斬る?」
だよな? だって相手を殺すとかだったら他にも出きるわけだし。この場合斬るが正しいはずだ。
案の定と言っていいのか、その答えが当たっていた事がすぐわかった。
「ピンポーン、正解だ。そう、斬るものなんだ。剣とは」
「まぁそりゃそうよね。だって剣だもの、あたりまえといっちゃあ当たり前ね」
歩さんも言う事に俺も賛成だ。当たり前なのだ。だがそれがどうしたと言うのだろう?
「当たり前、だよな? でもお前出来てないじゃん」
「なにが?」
「剣を扱うのだよ」
「……あ、もしかしてあれか? 俺の今の攻撃はまず斬撃じゃなく打撃だと?」
「打撃とまでは言わない、ただ衝撃ではあった。斬撃とはつまり斬る事によって生まれる衝撃なんだ。クレーターが一つ生まれてもそれは斬撃じゃないんだよ」
「うむうむ。なるほど、わかった気がする」
つまり俺は上手く剣を扱えていないという事だ。アバウトだな。
「ほら、私に剣を貸してくれ」
「え? こな辺りの環境を破壊するつもりですか?」
「大丈夫、いざとなったらナラマ様に何とかしてもらう」
「なんとかしようっ」
むふんっと、胸を張り、藍色の髪が揺れる。可愛いな、相変わらず。
「わかりました。この可愛さに免じて信じましょう」
「お前はアホなのか?」
「りょうたはいいことをいう」
師匠はじと目で、ナラマ様は頬をつやつやさせながら、それらを言う。
それを聞いていた歩さんが恐る恐る訪ねる。
「この集団はいつもこんなカオスなの?」
「ーまぁな。いつもこんなもんだ。修行のお陰かはしらんが性格もバカになった。異世界来たばっかの時はちょっと違った気もするんだがな」
「まぁいい男になった、そう思えばいい」
「いや、どこがだよ師匠、昔は周りに気を使いまくる良い子だったのに、こっちに来て頭がパンクしてか気を使うのがどういう事かわからなくなってきたし……」
「いいことじゃない?」
「…………」
俺はナラマ様のその言葉に少し悩む。
……俺の答えはもちろん同意だ。こっちに来てから気を使う事がないのは良いことだ。
でも、それは子供だから、それに異世界だから許される事だ。
もしまたあんな世界に戻ったら俺はどうするのだろう、この世界を糧にして生きるのだろうか? それとも糧になんてしたくないと自暴自棄になるのだろうか?
わからない。でも、この世界で過ごすのがとても幸せなのは本物だ。
それだけは、本物だ。
だから俺は心のままに。
「あぁ、とても良いことだな」
「うん」
そうだ。面倒くさい事を考えるのは辞めだ。自分に今それは必要じゃない。もしもなんて今はいい。
「そんな事よりはやくやってくれ、師匠」
「了解だ。よく見とけよ」
そう言うと、ささーとクレーターを超えその先にいく。
うーん。凄くどうでもいいことだが
師匠は口調がよく変わる。
なんかあんのかな? 名前が昔と違う理由もちゃんと聞いてないし。
言えない理由がなにかしらあるのだろう。なら俺も聞かない。師匠が話してくれるのを待つしかない。それに言わなきゃいけないならすぐに言う人だからな。
俺が考えていると、ある程度離れた師匠が剣を居合斬りの要領で腰に剣を携えていた。
「よしっ」
師匠の目先にある少し大きく盛り上がっている岩波を見据えて、剣を強く握る。
大きく息を吐くと、それと同時に剣を解き放った。
ヒュゥンッッッッ!!!
と、風を斬る音が俺達の耳をつんざく。スッと岩波が十字に斬れ、斬撃は音速かと思われる程のスピードで真っ直ぐ進み、奥の火山辺りに当たりそうになった瞬間音が消えた。
チラリとナラマ様を見てみると、杯を持つ形の手をしており、指を細かく動かしていた。重力魔術を使ったのだろう。
圧巻、まさに神の如くと思える程の威光だった。俺にはこれほどの事は出来ないと確信させられた。
「ふー、どうだ? これが斬るということだ。ちゃんと斬れてだろ?」
「あ、あぁ、もう師匠ってなんでも出来るのか?」
「? まぁ頭もいいし、大体の事はできるぞ?」
「スゲーな。いやー、自分を過信せずにいれるからありがたいわ」
「はっは、あたりまえだ」
よし、ここまでは出来なくても、それなりまでは剣の使いかたを覚えよう。
使うことも有るだろう。まぁ俺は剣を魔術で造ってそれを飛ばす方が合ってそうだけど
「よっしゃ、やってやりますよ、少なくとも斬撃は放てるようになりたいですし」
「ほほぉ、いい心意気だな。なら今からあと素振りを100回して、どれだけ使えるようになったか試そうか、それをいろんな武器で繰り返しだっ!」
「……休憩は何十分でしょうか?」
「ゼロだっ!」
「…………」
俺は膝から崩れ落ちそうになりながらも、なんとか耐え思う。
修行でも拷問でもあんまり変わらないじゃないですか。ねぇ?
隣にずっとポカーン( ゜□゜)としていた歩さんを肌で感じながら、どうやったら人権を得れるかを考える俺なのであった。
もうすぐで中間テストです。
です…………
まぁそれでも続きを書く所存です。
なのでどうか続きをよんでくださいねっ。
ではでは




