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俺、神様になりました。  作者: 商 秋人
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第39話 うーん……無題?

 



 最強の魔王、クロム。


 魔王……そう、魔王だ。

 魔を統べる王。

 最近じゃどうも弱いと烙印を押されつつあるが、そんなことはない。

 強いよ~、物凄く。


 そんな強いのに学ぶことも止めない。

 彼が元々弱い魔人と言うのもあるが……

 それを除いても彼は、常に精進し続けて来ただろう。

 うーん……学ぶという言葉はある意味では不適切かもしれない。

 どちらかと言えば、そう、知恵だ。

 知恵を絞るのだ。

 例えばで言うと名前

 彼にはもうひとつの名前がある。

 ケイオスと言う名が。

 こちらの名が正式な物である。

 そしてそれを語るにはそれなりに時間がかかるわけだが……

 まぁそれでも語った方がいいかもしれない。


 ランキング

 これには絶対の法則がある。

 総合的な物では無いのだ。

 ただ、状況に合わせてもあるそれぞれの分野に別れさせて……機械の様に計算し、導きだす。

 うん、結局能力の総合では無いにしても、足したりしているのは間違いないので総合ではある。

 単純な総合ではなく、複雑な総合。

 そういうプログラムなのだ。

 プログラムと言っても電気ではなく。もっと魔術的な物だ。

 いや……もっと的確に言えば……


 者なのだ。


 で、そのランキングの登録は生れた時からの名前が自動で追及される。

 ということは彼の本名はケイオス。

 ランキング14位の猛者である。

 この者を知るものは殆ど居ない。

 当たり前だ。

 公式の場では違う名で生きているんだから。


 ……で

 1000位までは位の石碑というのに刻まれ分かるが、それ以降は分からない。

 そして、その中でも100位よりしたのものはギルドのレベルにも関わってくる。

 さらに、一握りの存在。

 10位以下は、問答無用でギルドレベル20とされる。

 つまり10位以下は最強クラスなのだ。

 故にそのほとんどが竜種と、神である。

 まぁ例外もあるのだが。

 その例外は人間で、技のみで偉業を達成した異形。

 ……なのだが、いまは関係ない。

 残りの9人?匹?柱?……は、全て竜種と神である。

 10位、竜輝りゅうきカルマタ

 9位、火竜ファルガ

 8位、水竜ルドラ

 7位、疑神ぎしんロキ

 6位、我神ヴェスタ

 5位、無心竜リンカ

 4位、技人マータ

 3位、魔神ラル

 2位、雷神王オーディン

 1位、転回神マクスウェル


 これが最強の者たち。


 魔王は入っていない。

 そりゃそうだ。

 強いが彼は闘いを求めない。

 うーん、ちょっと違うな……

 うん。あれだ。

 誰だって求めはしない。だが手段として使うことはあるだろう。

 だが彼は目的の為に武力を使うこと事態を嫌っている。

 彼の思想はただひとつ、逃げること。

 

 だからランキングで不用意に名前を見せない。

 それだけで狙われる事もあるのだから。

 最強の由縁は彼に勝つ者が居ないから付けられたのだ。

 ま、それでもクロムは強いけれど……


 そして、さっき話したランキング。

 万能で神呪で神聖なランキング。

 世界は平等では無いのだと気づかせ、それでいて誰にだってチャンスは有ると思わせる。神呪で神聖な順位の魔術。


 だが残念な事にこのランキングには2つの欠点があるのだ。

 強さの目安ランキングを登録するには生まれる事が前提条件なのだが。


 例えばこのランキングが生まれる前に存在した者が再びこの世界に戻って来たら?

 違う世界からこちらの世界に転移させられたとしたら?

 そう、彼等らはランキングの外にいる。

 故に誰も彼もが知らない。


 竜種と神を併せ持った青年を……


 元々最強と吟われた竜種の幼女を……


 ただの幽霊でありながら、謎最強の力を持つテンプレ少女を……


 まだ誰も知らないのだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「そ~らーを自由に、とーびたーいな~」

 「……おいその歌を止めろ、なんか眠くなる。そして危険を感じる」

 「あ、すいません師匠。物凄く暇なもので……」

 

 あの城が見えてから約数時間……

 全くもって近づいている気配が無い。

 

 なんだろ……今のこの行動は無意味な気がしてきた。

 この、ジェットコースター並みに速い馬に……

 こんなにも速いのに近づく気配が無いのは何かしらあるのではないだろうか?


 「……いや、ないない。魔力とか関知してないし……」


 俺は小声でそう言いながら、過去を思い出す。

 

 ―ひたすらに魔術戦について学んだ。魔術関知方法もその内だ。

 それに、魔術での戦闘を師匠とナラマ、俺で修行していたのだ。

 火魔術を使ったあとにすぐ水魔術を使うと、魔術が消失するとか初めて知った。

 使った後にナラマ様に殺された。


 竜族の不死性の修行などでは、俺の苦手魔術のみを使いつつ逃げ、二人に全力で殺されるという地獄だった。

 もちろんナマラ様に殺された……13回……


 あと、魔術基礎ということで、詠唱についても学んだ。

 学ぶと言っても本当に当たり前のようなことらしけどな。

 これではそれぞれの心にあるらしいと解った。

 ま、つまりそれっぽければだいたい良い。

 ていうか詠唱とは想像の補助にあるのだ。

 自分の思想、思いの形を分かりやすくするためなんだからそりゃ分かりやすいほうがいいんだ。

 某神二人は適当に詠唱してやっていたが、殆どの方は同じ詠唱を駆使している。


 《火之神よ……》《水之神よ……》

 

 等々……

 このようにそれぞれの属性の神に逸った文字から始り。


 《我が身にその力を》


 この文字は固定だとか。

 理由は知らない。多分ほかの人達も知らないだろう。

 常識とはそういうものだしな、うんうん。

 で、最後に


 《与えたまえ》


 となるらしい。

 これは固定ではないと言う。

 もちろん理由は知らないよ。

 それでレベルが上がる毎に詠唱も増えイメージも難しくなるとか。

 いや、俺は知らんけども―


 ―でっ


 「おいおい、全く着く気配が無いんだが」

 「そりゃあれハリボテだもん」


 …………?

 どゆこと?


 「は、はりぼて? あれが? そういう魔術なの?」

 「いや、あれは光の屈折や、周りの岩がそうさせているだよ、分かりやすく言うと迷彩だ。ま、迷彩とは逆の事をしているがな」

 「は~、わからん」

 

 つまりあれか?

 あのでっかい城は自然によって形作られたもので、只の自然現象だと……


 いやありえねぇだろ

 異世界があるならそんなこともあるかも知れんけども


 「あー、あれはしぜんげんしょうじゃないよ? いとてきなつくりかただねー」


 と、目を細め景色を眺めながら手の平で重力魔術を操っているナラマ様が話し掛けてきた。

 

 「うん、とりあえずその重力魔術やめような? 危ないから、主に俺が」

 

 修行の時によくされた殺され方が重力魔術なのでとても心臓に良くない。

 死ぬのは嫌だ。

 たとえ痛みがなくとも


 「で? ナラマ様はなんでそうおもうのかな?」


 そう言う師匠にこともなさげにナラマ様は返す。


 「うん。あれにはきもちがこめられてる。まわりにとけこまなければというきもちが、たぶんだけど……いまからいくくににはいのうしゃがいる……」

 「ピンポーンっ、大正解っ!」

 

 師匠がニコニコしながら言葉を続ける。


 「今から行く国は異能者、つまり魔の介しない法から外れた者がいるのさ」


 ……ラミアと同じ異能者


 「しかも強いよっーー、多分亮太とどっこいどっこい」

 「お、おー、何故俺と比べる?」

 「もちろん亮太が闘うからだよ?」

 「……は?」


 おいおい、いきなりか

 でも闘う理由もないしな…

 相手もそんな事は望んでもいないだろうし……

 いや、もしかしたら物凄い血の気の多い奴とか?

 ラミアのイメージがあるので不思議とそうは思えないんだがな


 「どうして闘うことになるんですか?」

 「はっはっはー」

 

 …………

 ………………


 「いやいや、笑ってないで……」

 「察しろ……」

 「ひぃっ!?」


 師匠の鋭い視線が俺に刺さり焦る。

 殺気が凄い……

 なんか知られたくないことなのだろう。

 なら聞かない。

 いや、聞けない。


 「あ、あー、それで結局どうやってその国に行くんだぁ?」

 

 俺は明らかに話をそらす。


 「地下に魔力の塊がある。そこに“ずどーんっ”、てするんだ」

 「はぁ…………は?」


 俺の疑問を無視し、急に馬を停めた。


 特になんにもない所だ。

 枯れた葉に囲まれ、ザザァと葉が舞う。


 「おおっとっ、危ない危ない……」

 「ぎゅ」


 ナマラが俺の服に掴まる。

 今のは危なかったからな、仕方ないさ。

 うんうん。


 師匠が馬車(高速)から降りる。


 「よし……このあたりか……」

 

 バヒュンッという拳の引きで起きた衝撃を合図に


 「りょうたん、まりょくかためて」

 「っ!?」


 どここごっっんっ!!!!

 一瞬にして其処ら一帯は瓦礫と化した。


 俺は一気に集中力を高め、魔力の精製、凝固を瞬時にこなす。

 これは魔術発動の応用だ。

 魔術発動の手順として、精製と凝固がある。

 そしてそれを放つ事で魔術が発動する。

 だが俺はその凝固を複数回し、それをそのまま状態で維持していた。

 本来なら意味はない。

 だがこれが竜族なら意味があるのだ。

 凝固を維持すると、俺は肌を人種から竜種へと帰ることが出来るのだ。

 ま、ナマラ様がああ言った理由はそう言うことだ。


 うん。それはともかくとして


 「なんでこうなのっ!? 穏便にいこーぜっ!!」


 まっさかさーまーにー(音)

 と、このような状態に陥っていた。


 「くそったれーーーっ!!!!」


 懐かしき野菜の国の王子様の台詞を言いながら俺の体は空をきっていった。







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