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俺、神様になりました。  作者: 商 秋人
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第36話 彼女の力

 (なんだろう、なんとも言えない寒気を感じる……)


 そう思ったのは、魔族の王。つまり十三の魔王の一人、クロムである。

 彼は強い能力を有しているのは言わずもがな、圧倒的なカリスマを宿している。

 たった4年で、魔族四大都市と呼ばれる都市の一つとして名を広めていた。

 その手腕は相当で、勘もよければ、根性もある。更には運もあるし、何より仲間思いであるのだ。

 そう、仲間を想うが余りに人間をよく思っていない。

 故に、彼は人類からよく思われていないのだ。

 ただ、利用しあっている仲である。

 ま、それは魔族なので、仕方がないと言えば仕方がないと言える。

 魔物と人、それは切っても切れない縁である。

 人では足りない力を魔物に求め。

 魔物では足りない人員を人に求める。

 それに、人は魔物を差別し。

 魔物は人を差別する。

 そうやって均等をとりあい。意図せず助け合う、そんな関係なのだ。

 皮肉、まさに皮肉という言葉が相応しい。

 

 だから、これまで不安を感じた事はなかった。自分の力ですべてを薙ぎ伏せ、自分の知恵ですべてをひれ伏させた。

 

 「……気のせいか?」


 そう言い。短めの金髪をかき上げる。

 彼はこれまで恐怖というのを感じた事がない。

 なので、現在のこの身の毛がよだつような気持ちを初めて味わった。

 だが、本来ならもっと恐怖を感じているだろう。

 気のせいと思えるほど恐怖を軽減するには、自身と強さ、そして天性の鈍感さが必要である。

 彼は鈍感であることには周りもわざとだろ……というほど鈍感だった。

 彼に花を渡して好きだと告白すれば

「? この花がそんなに好きなのか?」

 と……

 彼にキスをし、女性が愛しているとささやけば

「っ! て、敵かっ、毒が盛ってあったのか?……とにかくありがとう……」

 と、てこれは無理があるか……

 て思うだろ?

 だが、実際に本気で自分を好きになる種族がいるとは思っていないのだ。

 彼の心は銅鉄で、それ故に強い。

 そして、胴鉄故に、彼に根付いた記憶とその思いは変わらない。

 魔王は恐れられるもの

 そうずっとおもっているのだ。

 喩え相手が魔族であろうとも。


 ま、それはどうでもいい。

 重要なのは、そんな彼が何に恐怖しているのか、そこなのだから。


 「やはり、気のせいではないな……」


 彼は確信している、魔王の間に異質ななにかがいることに。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 …………どうすんだよっ!


 前回、「私は特別になるっ」みたいな事を言っていたが、誰とも話せない、誰とも触れられないでどうやって誰かの特別になればいいんだっ!

 

 まず、私には確認すべきことが様々あるわけだが……

 出来ることからしていこう。

 落胆せずにはいられないが、それでも前に進んでいこう。

 というわけで、触れなくても喋れなくても行える事からしていくことにした。

 


 まずはここが何処かということだ。

 探すべきは地図。

 といってもそれは直ぐに見つかった。

 此処等一帯の地図を簡単に手に入れられた。

 手に入れるといっても人(亜人)のを勝手に横から見るだけなんだが……

 あと、噂で人間族の地は紙が入手しにくいらしいと耳にした。

 なら、この亜人らしき者たちがいる国には紙はそれ程珍しくないものらしい。

 ま、とりあえず地図を見ながらこの辺りの地形を確認することにした。

 

 「おー、ここは火山地帯に街を造っているのか……それで空は基本暗いのかな? でも何故に火山地帯、あぶなくない?」


 噴火したらどうするのだろうか……

 うーん、どうにかする手段があるから此処に住んでいるのだろうが、それにしても危険である。

 幽霊だからいいんだけどね?

 

 2つめに私自身の体だ。

 体といっていいのかわからないけど、とりあえずここでは霊体とでもよんでおこう。

 で、その霊体だが、案外なんでもできた。

 この世界には魔法があるらしい。

 様々な属性と、レベルに別れて存在している。

 って、なんかそんなのが本の表紙に書いてあった。

 なので、とりあえず想像で使ってみた。

 

 もちろん外でだよ?

 外は火山地帯というだけあって岩でごツゴツしていたが、ま、幽霊なんで関係ない。

 国から出て数キロ離れたら、とりあえずやってみた。


 「はっ」


 ぶほっ、ぎゅりゅゅっ!!!

 …………

 …………

 

 其処ら一帯が壊滅した、

 自分が掲げた手から闇の塊が周りを埋め尽くす。

 大きな岩も、小さな岩も関係なしに全てが無に帰した。

 物質の存在意義がすべて消滅した。

 塵一つ残らず全てが、全てが無くなったのだ。


 「こ、これは……へ、平均ぐらいかな?」


 内心、ぜってーちげー

 と思いはしたがしょうがない、これも一つの現実だ。

 受け入れよう。

 だが、強いのはいいことだ、この世界にはモンスターがいるらしい。

 なら闘うこともあるだろう。

 これだけの事ができればおそらく敵は居ないといっても過言ではない。

 うーん

 でもなんか面白くないな……

 努力が無いからか?

 …………

 あっ、なら努力しよかな

 これだけ強いなら意味もないかも知れないけれど、合理的では無いけれど。

 感情的にはとてもやってみたい。


 というわけで、魔術の練習を日課にしようと思う。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 

 「……よし、この世界の事はだいたいわかった」


 この世界は魔族と人間族が対立していると最初にイメージとしておもったが、以外にそうでもない。

 物資の行き来はしているし、人間と魔族で討伐チームを組む事もある。

 だが、どちらの種族もあまり仲良くは無い。

 それは人にもよるけれど、それでも、客観的に見たらやはり仲はいい。

 結局のところそんなのは国を治めるものによる。ということなのだろう。


 「でもここは魔族よりかな? さっきから人間ほとんど見ないし……一応私は人間の、内だよね?」


 意味のない確認をしつつ、自分のパラメーター、強さを改めて思い出す。


 「さっきやったあれ、よく分からない魔術、あれ以外やろうとしてもできないのよね……」


 それはまだいい、あれだけでなんとかなるから、あの後ちょっと練習をして少し小さくしたし。

 問題点はそこではない。

 魔術なら自分の感情表現が可能だということだ。

 つまり、魔術なら地形に影響を与えるので言葉が伝わる。

 そんな感じだ。

 

 よし、まずは自分の存在を相手に感じてもらおう。



 「“無の魔術”」


 一言呟く。

 さっきの魔術だ。

 名前が分からないから適当に作ってみた。

 でも、無の魔術ってもうあるんだヨネー

 確か転移だったかな?

 転移や分身、属性を持たないもの以外を言うとかなんとか。

 重力は闇だっけ?

 影は無属性の内。

 不思議だ。

 

 ちなみに私のこの技は重力ではなかった。そこに引きずり込まれる事はなく、光をねじ曲げるのではなく、全てが消えた。それが私の魔術だ。

 改めて思うがものすごく危険である。


 目の前の壁に魔術で文字を書いていく。


 こ、こうかな? あれ? うー、ムズい………よし……? あれ? うーん


 はっ、できた……


 おどろおどろしい字で……

 『ここに……いるよ……』


 ダメだこれ。


 その文字に気付いた亜人が、

 

 「ん? なんだこの文字、見たことないが……」


 あ、まずこの世界に日本語なんてないだった……


 ふー、よかった~


 と、そう思っていると、

 

 それを見掛けた一人の青年が……


 「これっ! 日本語じゃんっ!」


 目茶苦茶普通な青年が大きな声で驚いたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


これ、編集後に書くんですが……


今日っ、バレンタインデーじゃねぇかっ!!


ぜひ、目次から見てくれ、わかるからっ

俺の悲しみがっ


次回も3日後で

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