第30話 ロリッ子竜ちゃん
「ぐはっ!?」
リンさんが生み出した衝撃が俺を襲う。
彼女の拳は俺に当たることはなかった。さっきの説明に衝撃とあったように……そう、衝撃だけでおれは3時間の足跡を無にされた。
「湖っ!?」
もとの場所に戻らされた。
上向きになりながらも態勢を立て直すためくるりと体をねじ曲げる。
反動で結局吹っ飛びそうだったので風を使いそれを抑える。
地面につきパシャりと鳴る。
「ふぅ……」
危ない危ない……
「《ニトロ》《ロック》《ファイア》」
近くの湖、浜辺に3つの魔術を仕込み1歩後ろに動く。
これはメルから取った方法だ。
魔術に概念を乗せることが出きると知っていたので、これぐらい出きると思い試してみたが爆発音がしないことから成功していることが分かるだろう。
ロックにロックを掛けてみた。
岩にカギを掛ける、てこと。
ふぃーー
闘いにも少し慣れてきた気がする。
そんなのはいけないことだと思いつつも、やっぱり必要なものな訳で……
必要ならいけないことでもないのか?
そうこうしているうちに彼女はすぐそこまで来ていた。
「はーん、なるなる、お前は確かに人間じゃないわ、竜の宝珠なんて貰っちゃって……てことはあいつが言ってたゼウスって莉愛ちゃんのことですか~」
「? リアと知り合いなのか?」
「闘い中に無駄口叩いてんじゃねえ……よっつ!!」
んな理不尽なっ!!
瞬間彼女は地面を蹴ることなくそのまま俺の隣に移動した。
「なめんなっ!!」
俺は転移した瞬間仕込んだ魔術にファイアを無詠唱で発動させ周りを爆散させる。
それを俺は風魔術を駆使し反動を軽減させ、避ける。
だが彼女は爆風の中、俺の右腕を掴みそのままハンマー投げの用量で俺を思いきり投げる。
「くはっ!?」
上空に打ち上げられ完全に無防備な状態になるが、それでも意識を起こして解決案を打ち出す。
「びゅんっ! てなっ!!」
これを言ったのはもちろんリンさんで、高層ビルくらいの高さを瞬時に移動し、俺に左手を後ろに右腕を当てる。
「くそがっ!!」
魔術の応用……俺の憶測の魔術を出すことにした。
「《オリジナル》っ!!」
世界が止まった。
世界だけを止め彼女の意識だけは留めた。
「なんだ……これ?」
落着きながらも彼女は目を見開いている。
俺が使った魔術は……もちろんこの世界に有るものでは無い。
故に使いたくなど無かった。
これを使うには……
「やっば……魔力、限界……」
魔力切れになってしま……う……から。
今日2度目の気絶です。
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…………
意識が少し回復する。
回復した意識のなか少しずつ周りの声が聞こえてくるようになる。
“ひさしぶり”
「…………」
まったく回復してなかった……
俺はどこかわからない、全て闇に包まれた地面ともいえない地面を起きあがる。
「ここはどこなんだ?」
「ここはどらごんのなかだよ?」
「……うへっ!!?」
ビックリしたー……
先程まで全部頭の中に声が聞こえていたので、急に違う所から声が来るとすっげーびびる。
本当にビビ○《る》大木だ……
…………
そ、それは置いといて……
神のようなロリが……そこいた……
赤黒い髪、人形より清端に整った顔、だが生き生きとしている肌艶、服は和服と洋服の間ぐらいの物で、長い袖に長いスカート……スカートの柄はチェック、胸はペッタリ……
お、オッフ……
はっ!?
違う漫画が乗り移っていたようだ……
俺は決してロリコンでは無いけれど、そんな俺でさえ『お、おれってロリコンではないか?』と思う美しさ。愛らしさだ。
可愛らしい長い袖から出した指を俺に向け少し注意する。
「びっくりしすぎ、そこまでだときづつく」
「あ、うん、悪い」
「うむ、くるゅうない」
どうやら許して貰えたらしい。
それが俺の罪だぜっ
じゃなくて……
周りをキョロキョロ見ながら一つ疑問を口にする。
「ここがドラゴンのなか……てのはどういう意味?」
「それはたんじゅん、わたしのおなかのなかということです」
「なら私は食べられてしまった、と?』
「ぶぶー」
腕を十字に×にして否定する。
かわいい。
「というと?」
「わたしのこころのなかです」
「はー、なるほど」
ここは俺の心の中ではなく、俺が彼女の心の中に入らせてもらっている側、と言うことか……
でも何故ここに来てしまったんだ俺は?
「理由を問うても?」
「いえす」
腕で丸を作りながら俺に説明する。
かわゆす。
「りょうたはいま“りゅうのさと”のちかくにいる……そこは“りゅうのほうじゅ”がもっともちからをはっきする。だからわたしはあなたのなかであなたよりもつよくおおきくなってる」
……つまり、ここは竜の里の近く、彼女は竜の宝珠になにかしら関係がある。そして彼女は竜の里の近くだと能力が上昇する。こんな感じだ。
「だからあなたがきぜつしたり、よわっているとあるていどでることができる、でもわたしはまだでたくないし、ひまなのでここにあなたをよんだわけです。わかりましたか?」
つまり、今は彼女が俺の体を使えるが、ここから出たくないので留まっている……と、さらに暇だから意識が浮遊している俺をここに連れて来た……と
「だいたい分かった……で? 結局君は何者なの?」
すると、彼女はない胸を張り、出きるだけ大きく見えるよう背伸びしながら俺に正体を明かす。
きゃわゆすっ
「わたしはりゅうのいちぞくさいきょうのおうりゅうなのです!!」
背中から圧倒的迫力の赤黒い翼を出し、途中で辛くなったのか終わっている背伸びを見ながら俺は少女の正体を知ったのだった。
超かわゆい
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