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俺、神様になりました。  作者: 商 秋人
31/61

第29話 リンカちゃん、本格的始動だぜ

ーーわ・た・し♡ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 さてはて彼と言われていた男の子は何処にいるか……


 私はそう思い迷いの迷宮まで行くことにした。


 迷いの迷宮……それは物理的にも、心理的にも人を迷わせる迷宮だ。

 迷いという文字が名前の中に2つもある理由はそこにあるとかないとか、巫山戯ているように感じるか? 正直この迷宮……レベルが違う。

 最強難易度の迷宮、そう呼ばれるほどだ。

 迷宮と呼ばれているのもこれまた理由があるらしい。森ではなく迷宮……それは月のある地下にあるから……

 湖もあり、不気味な森もある。汚い空気も、紫の土も……だがそれでも地下は地下、故に迷宮と。


 「行きたくないなー、面倒ダナー」


 椅子をギィとならしながらぐるぐる回る。勿の論、ふっくら仕様のふんわり椅子だ。ほらほら、高校のパソコン室とかに有りそうなやつだよ。

 ぐるぐるぐるぐる

 片手間でパソコンで調べものをする。

 調べているのはもちろんこの世界のことではない。地球上の事だ。

 調べているのは……また後に

 

 ……彼の物が誰か、なんてこともうわかっているかと思うが……まぁ一応言っとくか~、あれはもちろんゼウス=マクスウェル、最強の魔術師であり、最強の神であるもの。私の永遠のライバルと言っても過言ではない。

 勝てたこともない。

 ……

 …………


 「はー、行きたくないなーー」


 同じ言葉をひたすら語る。語ると言っても一言だがね。

 おっと、まだ行ってないのかよ、て? そりゃすぐ行けるしね。

 うん


 「よし、行くかっ」


 指をぱちんとならし、私はその部屋から転移した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 

 良好良好……


 森が沢山。魔力も沢山。

 奪われた記憶も、汚い空気も沢山沢山。


 はー、もうそろそろ車を新調しないとな~、もっと電気を溜めるにも個体が人、魔族以外が必要だし……それに雷の神、ゼウスと、雷の巨人トールの両方復活しないとこと世界の電気限界量も増えないし。

 糞爺の話では一人復活したらしいけどまだ封印の影響であんま上がってないらしいし……



 あっーーもうめんどうだーーーっ!!


 とにかく一旦整理しよう。


 『どこかに転移する。』


 言葉にすると簡単に聞こえるって?

 いやいや、感覚にすると全然違う。

 魔力凝縮、魔力拡散、魔力想像、安全対策にも魔力、しかもさらにその場所までの距離を全力で走った程の体力を消費する。

 ほらな? くそきついだろ?

 でもこれは一般の話だ。

 しない方法は2つ、ぜーーんぶ魔力に肩代わりさせる。この方法は魔力消費量が半端じゃない。

 もうひとつ、それは魔力を電気に返還させる。その電気を車に使うと、車に全部肩代わりされる。つまり、車が少し傷つくだけですむ。

 これは私ならではの方法、いや私しか使えない方法だ。


 前者の場合、使えるのはオリジン姉妹か、私ぐらいだ。

 でも魔力の消費はいざというときにもったいない。

 さまざまな敵と闘うという前提で考えること……これが強さの秘訣のひとつだ。覚えておいて損はないぞ。


 おっと、そうこうしているうちに異変に気づいちゃったぜ、メンゴ


 「……ふー、やっぱ空気がおかしいな~……、森の半分が死んでる……その魔力の肩代わりがあの彼と言うことか?」


 肩代わり、魔術あるあるですねんなー。

 さまざまな魔術はさまざまなな道具や能力で肩代わりできる。

 私の転移と同じように。



 「よしっ、『魔力切断』」


 魔力切断、そのままの意味です。

 説明めんどい。

 勿論作者だよ……

 ゲフンゲフン


 彼から迷宮に繋がるケーブルを切った、そう思ってくれ。

 切ったら迷宮からの影響つまり


 「目的を思い出す事が出きるってな!」


 これであとやることはひとつだけだ……




ーーーりょうたサイドーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ……目……的……


 …………やるべきことで……


 リア?

 …………

 エルタ? 


 ラミア……



 あ……

 て、っそうだっ!!


 思い出したっ!!

 

 そうだよ、そうだっ!

 

 「俺はカルマニアに帰る、いやリアやエルタ、ラミアの所に……」

 

 なにやってんだよ、いくら普通をどうのこうの言ってるがこれは普通より圧倒的に下だ。

 

 うあぁ、やっちまったーー

 申し訳ない。本当にあいつらに申し訳ない。なにがと言われたら困るが本当に申し訳ない……

 

 反省……この反省……

 形だけ……のように感じてしまいます。

 5分の4程回った結果俺自身がわからなくなってしまった気が……

 

 いや、これはただ思春期してるだけだ。


 「ふー、やることも決まったしさっさと帰るとするか……」


 まずここがどこかということだ。

 目的が決まったなら、あとは順序だててゆっくり……はダメだとして早く行くか。

 早く行くと言ってもどうする?

 まだ問題は解決していない。

 ここを抜ける事を始めの目的としよう。

 抜ける方法は絶対にあるとは言えないけど……まず


 「歩くことからしよう」


 ざぁざぁ、と不気味な森……ここを歩くのは普通に怖い。

 が、やらなきゃ始まらないのでやるしかない。

 まず方法として漫画などでは印をつけるのが鉄則なわけだ。

 なのでそれをしてみよう。

 

 「ウィンド……」


 …………

 て、あれ?

 名前間違いた?

 俺も魔術ノート? をちょっと見ただけだからあってるかわからん。


 指に風を……


 「《ウィンド》」


 風が少し舞う。

 少し舞う……

 す、すこ……し……

 ……え、つ、つよっ!


 「ちょ、ちょっ!? なにこれっ!?」


 い、威力超強いっ!……

 ―バキバキ―

 木、木が……

 ―ビキビキ―

 木がっ

 ―バきっ!!!―

 お、おれたーー!っ!


 「えっ、とま、止まんないんだけどもっ! 魔力を止めれんっ」


 なんだってんだよっ!

 と、とにかく印はこの折れた木にしよう。

 それよりこの止まらない風を……


 「おーおー、忘れてた、そうなるだった……研究者としてメンゴメンゴ」


 きもっち悪い翼の先に輪光りんこうがある物を背中に2つ生やしている白衣美少女がそこにいた。


 …………

 経験上、いい感じの雰囲気が発生する代わりになにか面倒事が起こる気がする。

 が、いまはそんなことを言える状況でもない。

 と消去法で俺は話を聞いてみる事にした。

 

 「あ、ここどこですか?」

 

 翼を背中に収め、俺の言葉に反応する。


 「ん? 地下20階の迷宮さ、君を探してたんだけど……ふーん、ほー」


 俺の事をじろじろ見ながらポケットに手を入れ、なにか取る。


 「じゃーん、携帯電話ー」

 「え……」

 「どうだ? すごいダロー」

 「え、なんで、……てっ、こ、この風どうすんですかっ!?」

 「初対面の人にそれ聞くー」

 「と、とりあえずただ者じゃない感が出てたので」

 「ま、そうだけども、『暴走しね』はい終了」


 俺の指から出ていた風がピタリと止まった。

 ふへーー

 すっごいな、なんで止まったんだろ?


 「ではでは自己紹介を、私の名前はリンカ……気軽に、リンとでも呼んでくれ」

 「あ、うん、俺はりょうただ。神野亮太、りょうたでお願いします」

 

 ……なんだこの自己紹介……


 「いやいやいや、俺が聞きたいのはここから出る方法だって」

 「はー、勝手だなー」

 「そりゃ、勝手だとは思うけど……あんたが言ったんだしな、俺を探してたんだけどって、だから俺は聞く、帰る理由を」

 「へー、ふーん、あーそー、ま、とにか私の名前はリンだから、リンカでリンだから。あんたじゃなくリンね、わかった?」

 「う、あ、あぁ」


 お、女の子はみんなそこを気にするのだろうか? 

 前にもメルに同じ事を言われた訳だし。

 次からそんなことが無いようしっかり名前で呼ぼう。名前又はあだ名で。


 「……とりあえずもう帰り方よりここに来た理由を聞きますか……リンさんはなぜここに来たんだ?」

 「頼まれたからですよ、ある老いぼれに」

 「あー、マクウスさん?」

 「は? 誰それ? 私が頼まれたのは、言いたかないが、ゼウス、ゼウス=マクスウェルよ」

 「誰だそれ? てっきりマクウス=Z=スウェルさんだと思ったんだけど……」


 ……Zってなんかの略称なんだよな……なんなんだろう、やっぱりゼウスのこなのかな? リアが娘と言うぐらいなんだから。


 「…………はっはーん、そりゃこっちに噂の一つも来ないわけだ……あの糞爺そんな方法を……」

 「?」

 「ピンポーン、りょうたくん正解だよ、そいつがゼウス=マクスウェルだ。」

 「偽名ってことか?」

 「あぁ、マクウス=Z=スウェルを入れ換えるとゼウス=マクスウェルとなる。Zが“ゼ”だね」

 「短かっ!?」

 「そこも盲点の一つだがもうひとつ。これには重要な点がある。それは……実際にこの時代にいる人物だと言うことだ」

 「は?」


 ちょっと何を言っているのかわからない……


 「例えば、目の前に私の記憶を持った物が二人いるとしよう。しかもその二人は違う所にいようとしっかり記憶は繋がっている。さぁ、見た目は問わない……どうだ? わからないだろう。どちらが本物か」


 た、確かにそうだが、ネタが割れても簡単に理解出来ないんだが。

 つまりあれか? スッゲー高度化された影分身みたいなもんか?


 「あっと、話がそれているよ、私の悪い癖が出ちゃったな……ついつい話の詳しいところまで行ってしまう。」

 「あ、そうだそうだ、結局リンさんはなんで俺を探しに来たんだ?」

 「……癪だけど彼の物、ゼウスと同じ事だ……」


 頭を、左手でボリボリかきながら、無い右腕真中を後ろにする。

 かくのをやめて、足を大きく開き、その左手を前に出す……

 格闘の構えだろうか?


 「りょうた……お前を試させてもらう」


 そう言うと彼女は、地面を蹴り問答無用で俺の懐に入ってきた。






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