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俺、神様になりました。  作者: 商 秋人
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第27話 物語の始り(ようやくっ!?)3っ




 王の間に行く事になった訳だが……


 さて、どうしたものか……

 初めの時点では三人で行くはずだったのにどうしてこうなったんだ?


 「ホラホラ早く来てくださいっ、お二人様ともっ!」


 最初のときとは同じ人に思えないこの人はギルドのお嬢さんだ。

 とりあえず胸が大きい、それだけ知ってくれていれば大丈夫だろう。


 「あのー、なぜにそんな急いでるんです?」

 「え? いや、それは……お、お金ですよ、お金……」


 お金て……

 うーん……ま、そりゃそうか

 お金が一番、これ絶対

 覚えておこうね(は~と)

 

 ずっとだんまりを決め込んでいたメルが唐突に声をあげる。


 「ちょ、ちょっと、なんで私まで呼ばれるのよ、あんたでしょ倒したの」

 「いやいや、俺に聞かれても知らんがな……いや、あれなんじゃないか? 強い魔術いっぱい使ってたからどうのこうのってやつ」

 「あ~やり過ぎた感はあったけど……それかなー」


 腕を組み猫背で考え込む。

 俺もそれを見ながら考え込む。


 だいぶ予定が狂ったが、結果だけはすこしづつ成功に向かいつつある。

 だが、結果なんてものは簡単にくつがる。そう……小石につまずいた程度ですぐに未来は変わってしまう。

 ……いつも通り漫画で知ったんだけどな


 「そういえば、最強の神って言ってたけど、あの女の人がオーディンなの?」


 考えるのを中断し、思い出したようにメルが口にする。


 「は? なに言ってんだよ……アイツは一応……ゼウス? だったはずだぞ?」

 「な、なんで身内なのに疑問け……て、ぜ、ゼウス? そ、それって約千年前の神代戦争を止めたっていう……あの? きょ、教科書とかに載ってるあの?」

 「ど、どのゼウスだよそれ? さぁ?

 俺も会ってちょっとしか経ってないからわからん、多分そうなんじゃないか」

 「て言うことは、私のお爺ちゃんの娘って事か……なんか世界はせまいわね」

 「え?」

 「え?」


 なんだそれ?


 「知らないの? うちのお爺ちゃんがゼウスって名前の事? てっきり知ってる物かと思ったのに」

 「知らねーよ、なんだその衝撃事実、てことはお前リアのなんなんだ?」

 「多分、姪って事になるんじゃないかしら」


 て、事はリアには姉、妹又は兄、弟がいるのか……


 「はー、世界はせまいな」

 「そうね」


 うん、どうりで似てると思った……


 ……


 あれ? 案外簡単に話が終わってしまった。なんか聞くこととかなかったっけ?

 うーん、別にないな~


 神代戦争てなに? とか?

 なんで娘が父親のこと忘れてるの? とか?

 リアの年齢マジだったんだ…… とか?


 どれもこれも正直関係ない。

 1#神代戦争を知ってどうすんだ。

 2#それ(リアとお爺さんの事)を知ってる人はおそらくお爺さんぐらいだ。理由はあの人は裏がありそうだから。

 3#神は年齢じゃないっ!!!


 そんな訳で基本これらはどうでもいいし、今はどうしようもない


 それよりもこっちの方が大事だ。


 「あっ、あの噴水を越えて、右に曲がり道なりに進んだら王城です。これで私の未来は約束されるっ」


 て、どんだけ金もらえんだよ……

 ?

 改めて考えると俺たちが姫誘拐の犯人だとバレた場合を考えてなかった。

 その場合最悪じゃないか?

 何年か牢屋に入れられる、いな、終身刑なんて事も……

 く、どうする、やっぱ細かい魔術操作習えばよかったか……


 考えれば考えるほど俺のなかで不安が募る。

 こういう場合は羊を数えるんだったか……いや、十字架か? あ、人という字を手に書いて飲むのか


 なんてなぞな思考回路に到達していると、すぐそこにおっきな噴水があった。そう、さっきちらと出た噴水だ。


 「ここを右に曲がりましょう」


 彼女の言の葉を聞きながら、初めて見た立派な噴水に興奮する。

 元の世界ではアニメで見たり、写真を見たりしたが、実際に見たのは初めてだ。

 遠出したのは修学旅行と家族旅行だけ、それでも見そうな物だろう。

 だが、俺はそれでも見たことがない、理由の一旦は家族旅行が田舎の事もあるだろう。


 いやいや、今はそんなことどうでもいい。

 大事なのは王になにを言わ


 「あっ!?」


 小さな石に躓いた。

 こけそうになり咄嗟に俺は手を前にして、こけるのを阻止する。


 あぶなー

 痛みをあまり感じないからってやはり反射で、手をだしてしまう。

 て、痛いのはどちらにしても嫌だからってのもあるが


 「よいしょっと、ふー……あ、早く行かな…………え?」

 「やぁ、今日ぶりだね」


 そこにはにこやかに立ち尽くしているマクウスさんがいた。

 

 「ど、どうしたんです? こんなところで」

 「いやー、私も老いたものだね、君を探知するのに凄く時間がかかってしまった」

 「俺?」

 「そう、君だ」


 相変わらずのにこやかな表情を崩すことなく彼は会話を続ける。

 

 「あ、気づくこととかないかい?」

 「?」


 気づくこと?

 周りを見ても特に違和感はない強いて言うなら、人が多いぐらいだ。日本にある某交差点程ではないにしても、平日の秋葉ほどだ。

 誰も彼もさまざまな方向を向き、自分のやらないといけないことに専念する。

 そんな……

 ?

 っ!?


 「お? 気付いたかな?」


 俺が気付いたこと、それはライトノベル等で最もとは言えなくも無くも無い良くある展開だ。

 そう、周りの人間が俺達の事に全く気付いていないのだ。

 俺がどれだけ観察しようと、ここで俺がこけようとも、誰もこちらを見ることはない。

 どうなってんだ?


 「はは、君は余りにも魔術を知らないようだ。折角だし君にいろいろと教えておこう」

 「あ、はい、ありがとうございます?」

 

 え?


 (今日の俺は?(ハテナ)が多い気がする。)


 っ!?


 ライター程の火が俺に纏わりつくように動く。その火は俺の周りを龍のように動き少しづつ小さくなる。

 そのうちその炎は俺の前で見えなくなり消失した。


 「どうだい? これくらいできないと神とは言えない、いや、魔術師とも言えないな」

 「ふはー、凄いですね、自分は炎の大きさはライターぐらいですから」

 「ライター程か……、なら君もずぐいけるだろう。……やっぱりおの辺りがいいかな? ついでにあいつにも……」


 ゴニョゴニョと独り言を始め出すマクウスさん。

 この人こんな自分本位なのは珍しい……と思い。勝手で不躾ぶしつけなイメージだが、この人は周りを気にするタイプ……つまり俺と似たタイプだと思ったんだが……いや、ならこれぐらいが普通なのか……


 「よし、今から君に本格的に闘ってもらおう、勿論僕とだ。」

 「え? いいんですか? 正直ここでやるのはやりにくいですけど……」

 「あ、そうだったね、ほいっ、《……》」


 彼は無後のままで俯くと、まわりに光が溢れた。多分だが、詠唱しているのだろう。

 だが詠唱と言うにはあまりにも神聖で、珍しい幾何学模様だ。それが目の前で行われる。

 さすがは神と言うだけはある。

 

 「これで大丈夫だ。どんなに強い魔術を放っても衝撃は全て別の場所に転移される。転移場所はなーんにもないさら地だ。誰か来る心配も要らないよ、あそこにも人払いをやってるからね」


 おそらくこの人がやってる事は、これまで見てきた、誰よりも凄いことだ。

 それは、それだけは伝わる。


 「では、本気で来なさい亮太くん」


 「分かりましたっ!」


 てに魔力を集中させ、いつも通りの得意魔術を発動させる。


 「《ワールドオブアブソリュート》っ!!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 というわけだ。

 あのあと、俺の魔術を消失させて、下に石を精製し、俺の平衡感覚をずらした瞬間、見えない程の動きで倒される。

 それを三回繰り返した辺りで諦めた。


  で、本題だ。


 「…………なんでリアの父親が俺に修業つけてるんですか……」


 そう、一番謎なのはこれだ。

 ここまでいろいろとあったが、結局修業をつけたがっていた、もとい、ここで俺にちょっかいをかけた理由がわからない。

 いろんな予想ができるが、そんなものはただの予想であって、勝手なイメージから来るものだ。

 なので、実際に聞くのが一番。


 さっきの質問に、マクウスさんはハッキリと返事する。


 「リアのためだ。」


 …………

 リアのため?

 どういう意味だ?


 「それとこれにどんな関係が?」


 少しだけ考え込んで、答えを口にする。


 「君はね、リアがどういう生き方をしてきたか知ってるかい?」


 ……答えじゃなかった。

 質問に質問で返されてしまった。

 

 うーん、でも改めてそう言われると全然知らない。しってることといえば、彼女が何らかの理由であの部屋に居て、暇だったから出てしまおうと思っていた。

 これぐらいだ。


 「真っ白い部屋に居たぐらいですかね」

 「ほー、真っ白い部屋か、そんなところだったんだね、なら、それが何故かは分かるかい?」


 理由と言うことか……

 ベタなところでいくと世界を管理するところ……的な感じ、他には……

 全然出てこない、これも俺が普通故か、ただただ想像力が足りないないのか


 「は~、やっぱり知らないのか……ま、彼女も言いたくないんだろう」

 「で? 実際どうなんですか、その理由とやらは」

 「それは僕の口からは言えない、自分自身で知っていってくれ」

 「あ、は、はい」


 うん、そうだよね、プライバシーの侵害だよね、そういうの

 

 腕を組み猫背になりながら俺自身の見解……を考えることなく、一つ思い出した質問を投げ掛けることにした。


 「なんでリアはあんたのことを忘れてるんだ?」

 「……それは……僕にも分からない、ただ忘れているのならわざわざ思い出す事もない……そう思っているよ」


 残酷な過去なら思い出したくない。

 そういうことだろうか?

 だが、忘れてることさえ思い出せない、そんな人のことを覚えてる側は……凄く辛いと思う。

 そう感じる。


 「さて、無駄話もこれくらいにしよう。」


 そう言うと、彼はパンっと乾いた音を手で鳴らす。

 

 「君にはもっといろいろと知ってほしい。そのなかでリアの秘密を知ってくれ……それが君への試練だ。見事ここに戻ってこれたら、その時には知ることになる。世界の今と過去の真実を……」


 「は?」


 「では、さよならだ」


 俺の意識はこれを境に、プツリと切れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




コメントありがとうございますっ!

まさかこんな自分にコメントがくるとは、本当にありがとうございます。


というわけで、やる気満タンの商秋人さんは少し早めに仕上げました。


今後ともよろしく頼みます。


ではでは。

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