第13話オリジンさんとドラゴンさん2
前回のあらすじ
結構可愛い黒髪ロング。
黒髪ロングてよく考えたら目立つよなこの世界
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遺跡に落ちた俺は上に戻る方法を考えつつ、つい30分程前の事を思い出していた。
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家出の理由を聞いた後ゴリ押し作戦で行くことにした。
「グババババァァァァアアっ」←俺
「ききゃゃゃゎゃゃややあっ」←ラミア
おもいっきりジャンプしたら想像以上に跳んでしまった……
(お姫様抱っこって腕疲れるんだろうな……竜の宝珠のお陰でほぼ空気だけど。)
そんなことを考えつつ空を跳ぶ。
地面につく直前に電撃魔術の残り火で着地。
それを5回程繰り返した時王国を通りすぎた。
そのまま通りすぎ変な山にぶち当たる。
「ちよっちょっ!」
と声を出しつつ魔術を発動し衝撃を和らげ着地する。
「ふー」
安堵の声を漏らす。
「通りすぎちゃいましたね……」
と、ジャンプするのにも慣れたラミアが眉根の辺りに手をあて言う。
「そうだな」
と、跳んだ衝撃で痛いふくらはぎを擦りつつ俺が言う。
まぁもう一回跳べばいいか……でも足痛いんだよなー、うーん歩けばいいか、でもなー。
そんな風に迷っていたら。
「ここってドラゴンがいるって言われてる山じゃないですか?」
周りをキョロキョロ見ながらラミアが言う。
ドラゴンか……そういえば竜とドラゴンってどう違うんだろうか、まぁ一人で考えても仕方ないか……
「へぇー、じゃあ早めに行かない「ぐはぁー」とな」
…………?ぐはぁー?
ラミアが俺の後ろを向きながら絶句している。
おいおい、まぁじかよ~
頬をひきつらせつつゆっくり後ろを振り向くと……大きさ50メートルくらいで牙からは緑色の粘液が垂れている、肌は鱗に覆われ色は黒、もとの世界でまさにドラゴンっと言う感じだ。
………………
やべーよこれっ
「逃げるぞっ!」
後ろを向きおもいっきり叫ぶ俺、
気絶しているラミア
「このタイミングでっ!」
ドラゴンが俺を目掛けて右前足を振り抜く。
「あぶっ!」
ギリギリでラミアを担ぎ上げおもいっきり跳ぶ、そこに左前足が俺にあたる。
ラミアを守るように身体を丸める。
「いっ」
痛みは少ないが目に見えて……ヤバイ。
感覚が無くなり掛けたところで体が自動的に回復する。
服はぼろぼろだが肌は完全に治癒している。
「おーっ!」
スゲーなこれっ、これなら。
とりあえず距離を取るかっ
横に跳び岩影にラミアを置き地属性魔術で出来るだけ割れない強度に仕上げる。
「よしっ」
俺は顔をパンっと叩く。
俺は一人思い出す。
つい2週間前まではあっちで、勉強をそれなりにして、遊びをそれなりにして現実をそれなりに生きていたあの頃を。
でも今は、この2週間全力で魔術を覚えて、生きるため全力でお金を稼いで、全力でいったら成果が出て、その生活が楽しかったのだろう。
淡白な人生を送っていた俺が、神になって、チートアイテムで強くなって、美少女と一緒にいる。
あり得ない、これは夢だ、そう思ったこともある。
実際今も夢かもしれない、でもこれまで本気だったことは変わらない。
だから、今回も、本気でっ……
……これ死亡フラグみたいだな……
やっぱリアみたいに『テキトー』に行くかっ
ドラゴンが次の攻撃を仕掛ける、尻尾を鞭のようにしならせこちらに向かって打つ。
その尻尾を紙一重で左上に側転のように避け、避け際に無詠唱魔術を使用する。発動するのは氷魔術のレベル16アイスソード、効果はそのままの意味。
アイスソードを20本出し風魔術ストームを使い尻尾に刺す。
「ぐがああぁあっ」
ドラゴンが鳴く。
声おっきっ!
耳がキーンとなる。
耳を塞ぎつつ闇魔術の重力を発動する。
が
「なっ」
魔術が出ない、さっき出たことを考えると声が原因か……
ならっ一端距離をっ
右足でおもいっきり地面を蹴る。
「ぶはぁぁあっ!」
ドラゴンがブレスを放出させる。
逃げようとしていたところが溶ける。
おそらくあの地面に乗った瞬間俺が溶ける。
「くっ、距離も取れないかっ」
きつい、想像以上にきついならっ
下に逃げるか……
俺は意を決する。
ふー
「はっ……と」
ラミアのところへ移動し服を掴む。
おもいっきり地面を蹴るっ
一番高い位置に来た辺りで。
闇魔術、重力を発動する……全力で。
「はっ!」
ブラックホールが発動し、一瞬で消える。
ところどころがブラックホールで無くなり、地面が崩れる。足元が崩れたドラゴンを風魔術のレベル18オーバーウィングで飛ばす。
そのまま落ちる俺たち。
俺の方が先に落ちドラゴンが最後ブレスを吐く。
そんなことを見ながら俺は落ちていったのだった。




