日常と非日常・その7 破壊兵器と魔神と真マチュア
『異世界ライフの楽しみ方』の更新は、毎週火曜日、木曜日、土曜日を目安に頑張っています。
──カツカツカツカツ
坑道最下層、ナーヴィス・ロンガ発掘エリア。
オネスティの息の掛かった魔族と人間により、今も発掘作業は続いている。
大元の命令系統は隣国・ヴァンドール帝国であるが、その陰ではしっかりとオネスティが暗躍を続けていた。
「‥‥それにしても、ヨギ様は遅いですねぇ。扉さえ開けば、あとは内部システムに浸食してデータの書き換えも可能かもしれませんのに‥‥」
発掘現場近くにある簡易テントの中で、メルヴィラーはのんびりとティータイムを楽しんでいる。
外にある別のテントでは、発掘員や考古学者達も遅めの昼食を取っている最中であり、この後は発掘された艦橋部分と扉近辺の整地作業となっている。
ブライアン達の失態以降、メルヴィラーにも発掘を急ぐようにと再三の要求が届けられている。それでメルヴィラーも扉の開放の為にレムリアーナの鍵を貸与して欲しいと連絡をしていたのだが、まったく返答が返って来ない。
メルヴィラーとしても、早くナーヴィス・ロンガの動く所を見てみたい。
それゆえ、返信が無いのが実にまどろっこしかったのである。
「お、ここが発掘現場か。何だろ、ヤマトでも眠っている感じだねぇ」
坑道からのんびりと歩いて来る魔神マチュア。
きょろきょろと発掘場所を見まわしつつ、テントに向かって歩いて来る。
その姿に発掘員達は立ち上がると、そのうちの数名がマチュアの元に歩いて行く。
「おい、ここは許可のないものは出入り禁止だ。通行許可証か、それとも身分を証明するものはあるか?」
「誰の命令だ? すぐにメルヴィラー様に来て貰うからここで待っていろ」
一人の発掘員がメルヴィラーのいるテントに向かうと、別の一人はマチュアにスッと手を差し出した。
「これは?」
「許可証だよ。持っていないのか? お前そもそも誰なんだ? その角から魔族だっていう事は判るんだが。 掃除屋か? それとも武器屋か? 新しい護衛にしては華奢だよなぁ」
ジロジロとマチュアを値踏みする発掘員。
そしてスーッとマチュアの尻に手を差し伸ばすが、それはマチュアの右手に阻まれてしまう。
「まあ、取り敢えず責任者出せや。ここの発掘状況を確認したい、いいね?」
そう発掘員に告げたのと、テントからメルヴィラーがやって来たのはほぼ同時。
ローブ姿の魔族、それはメルヴィラーが見た事も聞いた事もない魔族である。
そのためか、腰に下げているショートソードに手を掛けつつ、メルヴィラーはゆっくりとマチュアに近寄っていく。
決して敵の間合いには入らない場所に立つと、メルヴィラーはそっと口を開く。
「この発掘上の副責任者のメルヴィラーといいます。あなたはどこのどなたですか?」
「ええっと。説明すると長くなるんですけれど、一言でいうと‥‥ナーヴィス・ロンガをいただきに参りました」
──ヒュンッ
そのマチュアの言葉と同時に、メルヴィラーは素早く抜剣してマチュアの首筋に強い一撃を入れる。
関係者以外は名前を出すことは禁じられているナーヴィス・ロンガ。その名前を出すどころか、それを奪いにやってきた存在を、メルヴィラーは見逃す筈がない。
だが、メルヴィラーの一撃はマチュアの首でぴったりと止まっている。
傷一つ付くことなく、まるで風か何かがそよいだかのような清々しい顔で、魔神マチュアはメルヴィラーを見下ろす。
「ふぅん。その一撃、ここにナーヴィス・ロンガがあるって考えていいのね。それじゃあ貰っていくから‥‥」
首筋のショートソードを指先でつまみ上げると、軽く力を込める。
バギッという音とともに、ショートソードの切っ先が砕け散り、破片がパラパラと零れ落ちて行く。
「嘘でしょ‥‥これ、ミスリルよ? ウィル大陸のSランク鍛冶師・大月卿の大業物なのに‥‥」
「あら、大月の打ったショートソードだったの。それは申し訳なかったわ。それじゃあね」
呆然としているメルヴィラーの横をスタスタと歩いて行く魔神マチュア。すると、彼女の目の前に一人の女性がスッと空間から降り立った。
「あら、上位魔族かと思ったら真祖クラスの魔族でしたか。ようこそ封印の地へ。私の本体、ナーヴィス・ロンガに何か御用でしょうか」
スカートのすそを軽くつまみあげて、カーテシースタイルで丁寧に頭を下げる女性。
それは、真マチュアはよく知っている女性であった。
『あ、どっかで見たことあると思ったら、メルセデスじゃない』
真マチュアが目の前の女性を見てそう呟く。するとそれを聞いていた魔神マチュアもニィッと笑う。
「ああ、どっかで見たことあると思ったら、メルセデスじゃない。ユミルとアイリスは元気かしら?」
すぐさまマチュアの記憶からユミルたちの部分を引きずり出すと、それを瞬時に脳内で理解する。
そして試しに問いかけてみるが、メルセデスは動揺するそぶりも見せない。
「あら、この肉体の主をご存知でしたか。私はララ・カサドーラ。先代メレス七将の一人ですわ。でも、私はあなたのような魔族を存じ上げていませんが‥‥」
「まあ、そうでしょうねぇ。こう見えても生まれてまだ半月程度の魔族ですので」
生まれて半月。
その言葉にメルセデスは侮蔑の表情を見せると、それまでの丁寧な口調が一転してドスの利いた声に切り替わった。
「へぇ。そんな若造が、わざわざこの地まで来てナーヴィス・ロンガを寄こせとは片腹痛いですわねぇ。勇気と無貌を履き違えた自分を後悔しなさい」
口元に笑みを浮かべつつ、メルセデスはマチュアに向かって右手を差し出す。
──チュンッ
その刹那、指先から一条の光線がマチュアに向かって飛んでいったのだが、マチュアは右手の甲でそれを右に弾き飛ばす。
「古代魔術・光の系譜。第5聖典の『贖罪の光矢』でしたか。ずいぶんと珍しい魔術をお使いのようで‥‥ですが、私の体に傷を付けたければ、最低でも第七聖典の魔術を行使してほしいものですわねぇ」
淡々と呟く魔神マチュア。
だが、その一連の動きと言葉に、メルセデスは全身をガクガクと震わせ始めた。
「そ、そんな‥‥第五聖典よ、魔族の弱点でもある光の系譜魔術よ‥‥それをなんで、そんなにあっさりと‥‥」
「まあ、私の力なんて大した事はありませんわよ。浮遊戦艦と同化し、その命を永らえさせている魔族に比べればね‥‥。さて、あなたの中にいるのが、ナーヴィス・ロンガの意識体だった魔族かしら?」
右手をわしゃわしゃと動かしつつ、魔神マチュアがゆっくりとメルセデスに近寄り始める。
すると、メルセデスも首を左右に振りつつ、後ずさりを始めた。
「メ、メルヴィラー、その女を止めなさい。わ、私は一旦逃げますわ」
スーッと空間と同化を始めるメルセデス。だが、魔神のマチュアが指を軽く鳴らすと、一瞬で同化能力が消滅する。
「‥‥あ、ああ‥‥却下‥‥大賢者にしか使えない伝承魔術‥‥あなたは‥‥まさか」
「こう見えても、私は無貌の神の従属神。悪いけれど、あなたを分解して」
『それは駄目だな、メルセデスは私の友達だ、その中身のララとやらを引きずり出せよ』
マチュアは、すぐさま魔神マチュアに忠告する。
「と、行きたい所だけれど。そこのメルセデスには罪はない。なので、あなたを引きずり出して、こっちに移植させてもらうわよ‥‥」
──フゥン
右手に魔導制御球を取り出すと同時に、魔神マチュアはメルセデスの眼前まで間合いを詰めて。
──ガシィッ
その顔面をわしづかみにすると、手のひらから『魔神の掌』を生み出す。
魔神ルナティクス時代に身に着けた『魔神の腕』、それでララ・カサドーラだった部分のみを鷲掴みにすると、そのままメルセデスの体内から引きずり出した。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
メルセデスの魂と同化していたララの部分を無理やり引きはがしたのである。
その痛みは想像を絶する。
メルセデスはその痛みに耐えきれずに失神し、ララは魔神の掌で顔面を鷲掴みされたままブラーンとぶら下がっている。
「それでは、あなたも魔導制御球の部品の一つとなりなさい」
そう魔神マチュアがつぶやくと同時に、魔導制御球の一部がスッと開く。
すると、ララ・カサドーラは霧のように分解されて、その中に次々と吸収されていった。
ものの一分ほどでララは完全に吸収され、魔導制御球は再び元の姿に戻って行く。
「さて、それじゃあ早速貰っていきますかねぇ‥‥」
きょろきょろと周囲を見渡し、艦橋近くにある扉を見つけると、魔神マチュアはそこに向かってゆっくりと歩いていく。
だが、メルヴィラーがその手前を遮ると、魔神マチュアの前でスッと跪いた。
「は、始めまして。私はメルヴィラーと申します。ブライアン麾下の魔人の一人であり、破滅の戦艦ナーヴィス・ロンガの発掘責任者として派遣されています。よろしければ、私もあなた様の配下に加えてもらいたく‥‥」
──スタスタスタスタ
恭しく告げているメルヴィラーの横を、魔神マチュアは何も聞こえなかったかのように通り過ぎて行く。
「あ、あの‥‥」
「ん? 私に何か用事かな?」
「先程も申しましたが‥‥是非とも私をあなた様の配下に加えていただきたく‥‥」
『ピッピッ‥‥鑑識完了‥‥オネスティ傘下・ブライアン麾下の魔族、メルヴィラー。魔導錬金術師、ランクC
相当‥‥』
魔神マチュアの目に映るメルヴィラーのデータ。それを見て、魔神マチュアは軽く鼻で笑う。
「君が私の配下になったとして、君に何が出来るのかな?」
「わ、私には知識があります。あなた様でも知らない、浮遊戦艦の知識が‥‥」
「そう。でも不要。オネスティのメンバーなんでしょ? だったら報告したほうがいいわよ。ナーヴィス・ロンガは魔神マチュアが持っていったって。それと、メルセデスはすぐに王城に届けてあげて。あの子は何も知らないのですから。もし、それを怠った場合、どうなるかわかるわよね?」
淡々と呟く魔神マチュア。その無表情な物言いに、メルヴィラーは心臓をわし掴みされたように苦しみ始める。
彼女の体に組み込まれている『一枚羽のクサリヘビ』、それが痛みを伴って苦しみ始めていた。
「それじゃあ、さようなら‥‥」
そのまま扉に触れると、魔神マチュアの体はスッと扉に吸い込まれていく。
「い、急いでここから撤収しなさい。ナーヴィス・ロンガが目覚めるわ」
マチュアが扉に消えた後、メルヴィラーは近くにいた作業員達に叫ぶ。
そしてテントで仮眠していたストレイ博士もこの騒動で目を覚ますと、慌ててテントから飛び出してきた。
「メルヴィラー君、一体何があったのかね?」
「ストレイ博士、急いでここから逃げましょう。まもなくナーヴィス・ロンガが起動し、この地から立ち去るでしょう」
「な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。一体何があったのかね?」
メルヴィラーの両肩を掴んでガクガクと揺さぶるストレイ。だが、メルヴィラーもストレイの手を掴んで引き剥がすと、ストレイの手を取って走り出した。
「魔導制御球を持った魔人が来ました。そしてララ様をその球体に吸収すると、あの扉から中に入っていきまして‥‥」
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴコ
そう説明するや否や、発掘現場が振動を始める。
艦橋部分近くの地面が次々と崩れ始め、地下空洞の中に次々と落ちていく。
慌てて逃げ出した作業員とメルヴィラー、ストレイは坑道入り口に避難すると、目の前で次々と崩れていく発掘現場をじっと眺めていた。
それは白銀の装甲に身を包んだ戦艦。
全長220m、最大全幅35m。
形状で言うのなら、一回り小さくした某宇宙戦艦に似た外見を持つ。
しかしどことなく生物的で、上部後方には艦橋部分がしっかりと作られている。
上部前方には装甲甲板上に3門の主砲があり、そはゆっくりと旋回し獲物を求めているようにも見えている。
「あ、あれは‥‥壁画に記されていたナーヴィス・ロンガそのものではないか!! た、頼む、それを誰が操っているのか知らないが、わしもそれに乗せてくれ!!」
ストレイがナーヴィス・ロンガに叫ぶ。
すると、その甲板に搭載されていた砲門が総べてストレイに向かって並ぶ。
──パパパパパパパハッ
すると、船体がゆっくりと点滅を始め、そしてナーヴィス・ロンガは空間にゆっくりと沈み始めた。
‥‥‥
‥‥
‥
「これが次元潜航システム、こっちが『神滅の咆哮』の制御装置か。魔導と科学の融合、グランアークの魔導科学の結晶の一つ。無貌の神の齎した生体兵器・浮遊艦隊シリーズに更に改装を加えた終末兵器、正にその名に相応しいわね」
クックックッと笑いつつ、手にした魔導制御球をコンソール中央に嵌め込む。
──フゥゥゥゥゥゥゥン
すると、魔導制御球から流れた魔力がコンソールを駆け巡り、まるで魔法陣のような文様を浮かび上がらせる。
『マスターコントロール。ハジメマシテマスター、ワタシハナーヴィス・ロンガ中枢、ララ・カサドーラデス』
艦橋全体に流れる声。
すると艦長席に座っている魔神マチュアが満足そうな笑みを浮かべている。
「これだ、これだよ、私はとうとう神々を超える兵器を手に入れた‥‥これさえあれば、私は無貌の神を超える事が出来る!! 私が神になる!!」
絶叫する魔神マチュアだが。
『ああ、あんたキャラがブレすぎ。そもそもこの戦艦を手に入れようとした目的思い出して?』
「くっくっくっ。私がこれを手に入れた目的は一つ。無貌の神にこれを捧げ、創造神を始め全ての神々を殲滅するため‥‥あれ?」
『あれちゃうわ。いきなり強大な戦力を手に入れて暴走したか。はい、当初の目的は思い出した?』
──コホン
真マチュアに突っ込まれてゴホンと咳払い一つ。
「う、うむ。それでは早速無貌の神の元に向かうとしよう。ナーヴィス・ロンガよ、指定する座標へと向かえ‥‥空間座標7-5-3、時間軸+25、八つの世界の中心である『セフィロトの大地』へ」
『はい、ありがとうございました!! それを知りたかったのよ‥‥マスター権限、魔導制御球や、座標軸変更、目標地点地球。時間軸はそのままで、そのままゆっくりと潜航して頂戴な』
そう叫ぶと同時に、魔神マチュアは自分の胸元に手を当てる。
「な、何だ、体の制御が利かん‥‥マチュアよ、何をした!!」
『何をしたもなにもねぇ‥‥深淵の書庫起動、対象の魂のスフィアを体内より分離っ』
真マチュアの叫びと同時に魔神マチュアが深淵の書庫に包まれる。
必死に抵抗する魔神マチュアだが、その胸元からポコッと白く光る球体が浮かび上がる。
そしてマチュアの全身がゆっくりと変異を始めると、いつものハイエルフのマチュアに変化した。
「はい、入れ替わり完了。あのねぇ、私がみすみす無貌の神の神威に冒されると思って? 無貌の神の声が聞こえた時にね、私は神核からあふれ出す悪意のすべてを『魂のスフィア』に吸収させたのよ。その制御で体が動かなくなったのと、そのまま魂のスフィアが体内に定着して自我を持ったのは予想外だったけれどねぇ。でも、おかげで創造神たちの住まう神域の場所も理解したし、丸々新しい体を手に入れる事も出来たし」
『お、おのれぇぇぇぇ。私をたばかったのか』
「たばかったもなにも、あんたは私の作った魂のスフィアの一つ。つまりシスターズと一緒。ということで‥‥」
そう呟くと、マチュアは空間収納からゴーレム素体を一つ取り出す。
そこに新しく生み出した記憶のスフィアと、今しがたマチュアから分離した魂のスフィアを組み込んだ。
「外見は、魔神マチュアだと問題あるから、もっとおとなしくしてあげる‥‥黒髪の和装女性、大和なでしこというよりは大正ロマン、大きめのリボンをつけたポニーテール、大正時代のチャーミングレディみたいに‥‥目覚めなさい、新しいシスターズ。貴方の名前はノインツェーン、私の十九番目のシスターズとして、そして神威を持ったゴーレムとして、私の分身として活動しなさい」
次々とコマンドを設定していくマチュア。
どことなく鼻歌混じりで、実に楽しそうである。
『フザケルナ、ワタシハワタシダ‥‥ダレガキサマノヨウナビッチノイウコトナド‥‥』
「ふふん。せいぜいあがきなさい。けど、あなたも私。そろそろ諦めるといいわよ」
『クッ‥‥』
やがて魔神マチュアの意識は解けて消えていく。
そしてノインツェーンとしてゆっくりと目覚めると、マチュアの前で膝をついて頭を下げた。
「マチュア様、ノインツェーン、目覚めましてございます」
「お、気分はどう?」
「私の中にもう一つ。戦闘時にのみ解放されるディーヴァ・モードが眠っています。ですが共に私でありマチュア様の大切なゴーレム、二人で一つ、共に未来永劫仕える事を誓います」
丁寧な口調で頭を下げている。
するとマチュアは再度深淵の書庫で詳細データを確認する。
「よし、問題なし。そんじゃ命令、あんたはこのナーヴィス・ロンガを守りなさい。これは私の切り札、カナン魔導王国の新しい切り札だからね」
そう告げてから、マチュアは魔導制御球に手をかざす。
そしてナーヴィス・ロンガの制御用魔導球を作り出すと、それもノインツェーンに組み込んだ。
「これでよし。このナーヴィス・ロンガはあなた自身。何か困ったことがあったら、いつでも私に連絡を寄こしなさい。そして‥‥」
──ブゥゥゥゥン
マチュアはもう一つのゴーレムを作り出す。
それは何処となくメルセデスに近い外見をしている。
その体内には、魔導制御球から分離したララ・カサドーラの意識が組み込まれている。
「目覚めなさいララ。貴方の前に立っているノインがあなたの姉、これからはノインの為に、そして私の為にこの船を守りなさい」
そう命令すると、目覚めたばかりのララもマチュアの前に跪く。
「ご命令、受け賜りました。すべてはマチュア様の命じるままに‥‥」
そう告げると、ララは艦橋前方の席に座ると、意識を船全体に移していく。
そしてノインツェーンもその横に座ると、意識を同調してナーヴィス・ロンガと一つになっていく。
「さて。そんじゃあ、これからどうするか‥‥まずは昼寝だな」
のんきなことを告げてから、マチュアはのんびりと昼寝を始めた。
誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。






