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病弱だった俺の英雄伝  作者: かりんとう
第一章戦いの始まり
4/13

4. 高校にて

あれから一週間がたった日の朝。


「お~い起きて~遅刻しちゃうよ~」


んー、もう朝か、今何時だ?

「ってまだ5時30分じゃん、いくらなんでも早すぎるだろ!」


そういって声の聞こえたほうを向くとそこには制服を着たフェイリーがいた。


「え?何で制服?」

「なんでって?ボクも高校に入学するからに決まってるでしょ?」

「え!?」


予想はできなくもない事ではあったが、本当にこうなるとは思っていなかったせいか俺は不意打ちを食らったような顔をする。


「いつ君が襲われるかわからないからサポート役ってことでいつもそばにいなくちゃいけないんだよ」

「あー、って納得するかー!!」

「なんでよー」


ほほをプーっと膨らませて怒ったような顔をするフェイリー、なんだか少し可愛い。


「い、いや別に猫の姿で一緒にいればいいじゃん」

「え~、ボクだって人間界の学校に行ってみたいんだよ~」

「そっちが本命だろ!」


涙目になってこっちを見てくるフェイリー。

「行きたい行きたい行きたい行きたいーーー!!!」


フェイリーってこんな事するのか。あー、朝からそんな声出さないでくれよ頭にひびく。

「わ、わかったよじゃあ一緒に学校行くか」

「やったー行く行く、じゃあ朝ごはん作ってくるね」


ここ一週間の間フェイリーは休むことなく家事をこなしてきた。いくらメイドだからといって全部任せればそれは大変だったろう。

「いつもありがとうな」

「え?なんかいった?」


どうやら聞こえていなかったらしく急に恥ずかしくなってきたので言わない事にする。

「いや、なんでもないよ」


そして、食事が終わって現在の時刻は7時ちょうど。

「そういえばフェイリーはどうやって学校に入ったんだ?」

「ボクの魔法にかかればそんなの朝飯前だよ」

「そ、そうかそれじゃあフェイリーって名前で入学するのか?」

「ううんそれじゃあちょっと不自然だから自分で作ったよ」


そりゃそうだろうな。そのままの名前だとどっかの外国から来た帰国子女だと思われるだろうしな。

「そうか、それでなんていう名前なんだ?」

「小倉くるみ」

「あー、いいんじゃない?」


思ったよりまともな名前でホッとしながらも、これから高校に行くのだとわくわくする。


「もう時間だから行こう?レッツゴー!」

「お、おう。なんか、いつもよりテンション高いな」


そういって家を出たのは7時30分、初めて着る高校の制服での登校はなんだか気恥ずかしい。


「あのさフェイリー」

「ん?どうしたの?あ、あと今はフェイリーでもいいけど学校ではくるみって呼んでね?ボクはいつも通りタツキって呼ぶから」

「お、おうわかった、くるみ」

「うん、それで何?」

「あのさ、いつ敵が襲ってくるかわからないって言ってたけど、俺どうやって戦えばいいんだ?」

「あーそのことね」


そういうとフェイリーはかばんをあさりだして「あった」といってとりだしたのは紙のようなものだった。


「なにそれ」

「ん?これ、これはね敵が近くにいるかどうかがわかる道具だよこれは敵のボックスを感知できるから、近くにいるのかがわかるんだ」

「そーゆー大事なこと先に言えよ!」

いや、よくも今まで言わなかったなそんな大事なこと。

「ご、ごめん今は敵は近くにいないよゾアのほうの情報でも当分は来ないって」

「そ、そうなのか」

「うん、それで戦う方法だけどそれはボクの友達が修行をつけてくれるから土曜日と日曜日は空けておいてね」

「友達?」

「まぁ楽しみにしててよ」

「お、おう」


いや、しかし次の土日って急な話だな。

そんな事を話しているうちに学校についていた。


「ここか、なんか緊張するな」

「ボクも人間界の学校は初めてだからすごく緊張してるよ」


二人は決意を固めて門の中へと入っていた。

『うわー!』


中は在校生やら新入生やらで賑わっている。

「すごいな、しかも人が多いなー」

「これが人間界の学校か、なんか雰囲気が違うなー天界の学校と」

「そうなのか」

「うん」


そのまま進んでいくと、クラス分けの表があった、どうやら入学式の前に一度教室に行くようだ。

「えっと、俺は」

「あ、ボクと同じでタツキも一組だよ」

「あ、本当だ」

それを見たあと教室に行くとまだ半分くらいしか人がいなかった。

高校の入学式か、そしてこれが俺が高校生活をおくるクラス。なんか、すげーうれしいな。

「とりあえず席に着くか、って席隣なんだなフェイ、じゃなくてくるみ」

「うん、そうだよ」

教室の中を見ていると教室の隅にしゃがみこんでなにかをしている男子生徒がいる。

ん、あいつあそこで一人でなにしてんだろ?友だち作りの第一歩として話しかけてみるか。

「おーい、どうしたんだ?」

「ぅあああああああああああああ!!!!!」


……叫ばれた。俺ってばそんなに叫ばれるほどブサイクな顔か?

「タツキ、安心して、叫ばれるほどブサイクではないから」

「いや、それさりげなくブサイクって言ってるよね!」

心なしか目から汗がでてきそうだぜ。


「って、とりあえず俺の顔はどうでもいいから。どうしたんだ?なにか困ってるのか?」

近くで話しかけてみると眼鏡をかけていて、細々とした手足におどおどとした様子の男子生徒だった。


「え、あの、その、えっと」

「???どうしたんだよ、とにかく言ってみろよ」

「ご、ごごごごごめんなさいっ!!」

その男子生徒は走り去っていった。


「安心しなよタツキ、逃げ出されるほどブサイクではないから」

「って、まだ顔の話続いてたの!?」


席に戻って数分後に入学式が始まった、入学式は人数が多いせいかかなり長時間になった。



「はぁやっと終わったな」

「うん、長かったね」


そう話しながら下校するために校門に向かっていた


「ところでタツキ、どうして手ぶらで帰ろうとしてるの?」

「あっ、しまった……教室に荷物置きっぱで来ちまったよ」

「もう、タツキはうっかりさんだね〜、じゃあ一緒に取りに行こうか」


昇降口に入って階段を登り、『1ー1』と書かれた教室のドアを開ける。


「失礼しまーす、って、誰もいるわけないか。カバンカバンっと、」

「ぅあああああああああああああ!!!!!」

「うぁぁっ!な、なんだ!?」

誰もいない教室で叫び声って、ん?叫び声?

「あれ、お前ここで何してんだ?」

さっき叫んで逃げられた男子生徒がいた。

「安心してタツキ、叫ばれるほど―」

「もうその下りはいいよ!って、お前はまた逃げようとすんな!」

「は、はいいいいい!!!」

いや、そんなにおどおどするなって。


「そんで、さっきからお前は何やってたんだ?」

「え、えっと、そ、その、さ、探し物をしていて、」

「探し物?」

「あ、あの、もう見つかったので、だ、大丈夫です」


相変わらずおどおどは変わらないんだな。

「その探し物って何だったんだ?」

「え、あ、あの、これです」


ん?青い円錐形のなにかだな。いや、水晶かなんかか?

「タツキ!これ、ボックスだよ!」

「え!?そうなのか?ボックスってことは、こいつも関係者なのか?」

「あ、あの、お、お二人は、な、何者なんですか?」


フェイリーはタツキのこと、今の状況のことを話した


「そ、そういう事でしたか」

「どう?ボク達の仲間になってくれる?」

「で、でも、僕なんかが、な、仲間になっても、た、戦い方もわからないし、そ、それに、て、敵に立ち向かえるかも分からないですし」

そりゃ心配するわな。確かに戦うのは命懸けだろうし、それに危ないからな。


「まぁ、仲間になるならないの前に俺たち名前知らないだろ?自己紹介くらいはしようぜ!俺は上風竜鬼よろしくな!」

「ボクはフェイリー、学校では小倉くるみっていう名前だからね。よろしく!」

「ぼ、僕は藤原雪人(フジワラユキト)って言います。よ、よろしくお願いしますっ。」

さっきから話していて少し馴染んできたのか、ちょっとずつではあるけどおどおどしなくなってきてるな。


「さっきの戦い方どうこうの話だがな、俺もそこんとこ同じだから」

「今度ボクの友達にタツキは修行をつけてもらうからその時にできるようになればいいと思うよ!」

「そ、そうですか。そ、それじゃあ、ぼ、僕、な、仲間に入りたいですっ」

「ほんとか?大丈夫なのか?」

「は、はい、なので、こ、これからも、よ、よろしく、お願いします」

「おう!」

「うん!」


そうこう話してるうちに日が暮れてきたな。そろそろ帰らないとな。


「もう時間が時間だし、帰るか?」

「そ、そうですね、そ、それじゃあ、ま、また明日」

「おう」

「バイバーイ」

いやー、やっと帰ってきたぜ。今日は色々あって疲れたなー。って、ん?鍵が、開いてる?

「まさか、泥棒?」

「どうしたの?タツキ」

「いや鍵が開いてるから」


そういってドアを開けて家の中に入るとリビングのテレビがついていた。

テレビなんて付けてなかったよな?


そうこうしてるとフェイリーが中に入ってきた。

「もうきてたのジーナ?早かったね」

「あっ、ひさしぶりフェイリ〜元気だった〜?」


え?ん?どーゆーことだ?うまく状況が把握出来ないんだが。

「えっと、どちらさま?」

「この子はボクの友達のジーナだよ!」

今回はかなり長めになってしまいましたが、最後まで読んでくれた方ありがとうございました。

これからもどんどん出していくのでよろしくお願いします。

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