3. 幸せであること
白い光が消えたあとそこにいたのは、茶色でさらさらの髪が長くのびていて、背丈は小さく、幼い顔つきに、成長しきってしていない胸、そしてスラーっとした体の愛らしい少女が目の前にいた。
「ど、どちらさま?」
「ひどいよ~、ボクだよボク、フェイリーだよ」
「え!?フェイリーなの?」
さっきまで喋る猫だと認識していたフェイリーが目の前の少女だということに頭が追いついていかない。
「はぁもうタツキったら、これはボクの本当の姿だよ」
「フェイリーの本当の姿?フェイリーって猫じゃないの?」
「ボクは変身術で猫の姿になってただけだよ、そしたら猫の姿のほうが可愛いし行動しやすいからそのままだっただけだよ」
いや、猫の方がかわいいって、俺的には今の姿の方が可愛い気がするが。って、今のなし!心読まれるの忘れてた、今のなしだから!
「でも、猫のままだと料理出来ないから元の姿にもどったんだよ」
そういうと部屋を出て下へ降りていった。
「ちょっとまってよ」
「ん?なに?」
「いや、フェイリーって料理できんの?」
いや、できなかったら作るとか言わないか。
「うんできるよ、だってゾアではアイリス様のお屋敷のメイドをしてたんだから」
「ん?ゾア?アイリス様?」
また分からんことを言ってくるな。
「あー、話してなかったね、ゾアっていうのは天界にある国のことで、アイリス様はゾアの次の王の候補の一人なんだよ」
「そんなすげぇやつのメイドしてたの?」
って、なんでメイドが黒のボックスの所持できる人をさがしてんだ?まぁ、そこは色々と事情があるのかな。
「それは、現国王の命令で君の持っているその黒いボックスを守れる適合者を探すように命じられたからだよ」
いや、答えてくれんのか。
そう言うと何語かまったく分からない文字でつずられた紙を見せてきた。
「いや、読めないから」
「あ、そっか、まぁそういうことだから家事はまかせてね」
「その姿で言われるとなんか少し気恥ずかしいな」
「ん?なんで?」
「いやなんでもないよ」
「そう?じゃあご飯作ってくるね」
そういうとフェイリーはキッチンへと向かった。
少し暇だから家のなかでも周ってみるか。まずは一階からだな。一階は風呂とキッチンとトイレか、あとついでに部屋二つ。そんで二階はトイレと部屋3つか。ってか、思ったんだがこの家大きすぎやしないか?フェイリーと二人で住むにはもったいない広さだな。
「次は三階か」
なんだここ?急に寒気がしてきたな。目の前にデカい鏡か、なんだか不気味なところだな。右と左に部屋があるけど行くには真っ暗な廊下を歩かなきゃいけないのか。
「うわっ、めっちゃ怖いんだけどここ電気ないのか?」
そう言っていると電気のスイッチを見つけた。
「お、電気あるじゃん」
そういってつけてみるが、奥にある部屋の扉の近くの電気がついただけであまり変わらなかった。
「いや、ついて欲しいのそこじゃないんだよな〜、」
そうこうしているうちに「できたよー」っというフェイリーの声が聞こえた。
もうもどるか。三階は気味悪いから近づくのやめとこっと。
「おまたせ」
そこにはたくさんの豪勢な料理が並んでいた。
「これ全部フェイリーが作ったのか?」
「あたりまえじゃん、だってボク一人で作ったんだから」
「いや、そういうことじゃなくてすごいなって事を言いたかったんだが」
「あ、そうなの」
「おう」
とりあえず席につくか。って、なんでフェイリー立ったままなんだ?
「あれ?フェイリーは食べないのか?」
「う、うんボクは残ったものでいいよ」
「なんで?一緒に食べようよ」
「いや、でも、ボクはメイドだしゾアではそんなことないから」
そんなこと気にしてんのか。
「でも、ここはゾアじゃないだろ?だから一緒に食べようぜ?」
「でも」
「一人で食べるより二人で食べるほうが旨い飯がもっと旨くなるだろ?だから一緒に食べよーぜ」
「う、うん分かったじゃあ一緒に食べる」
そのときフェイリーはうれしそうに笑っていた。
読んでくださった方ありがとうございました。
これからもどんどん出してがんばっていくのでよろしくお願いします。
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