1. 悪夢
「先生大変です、容態が悪化しています」
「こ、これはすぐに緊急手術の準備を急いでください」
意識が朦朧とするなかで、俺は今置かれてる状況を理解する。
「俺とうとう死ぬのか、短い人生だったなぁ」
意識が遠のきながら過去の思い出が蘇る。これが走馬灯ってやつか……って、思い返して見ると入院中暇だからって親が買ってくれたゲーム以外ほとんど何もやってないな。あの時も……入院してきたかわいい女の子と話したくて病室に行ったら急に病状悪化して、気づいたらあの子退院してたし。俺の人生ってそんなんばっかでなにもしてないな。
「もし生まれ変われるなら高校に入学して普通の高校生活送りたいなー」
あー、意識が遠くなってく……
ピッ、ピッ、ピッ、ピーーーーー
この瞬間彼、上風竜鬼の人生が幕を閉じた
「……ってあれ、俺死んだはずじゃなかったか?」
それにここどこだ?病院じゃなさそうだな。辺り一面真っ白だし、真ん中に机とその上に黒い箱がある事以外なにもない。これが天国なのか?
「違うよー?」
ん、声が聞こえたような……いや、脳内に直接響いてるみたいな。
「おーい、誰かいるのか〜」
って、叫んではみたけど、気のせいか。
「気のせいじゃないよ?」
「っわぁ!?」
「びっくりさせちゃったかな?」
いや、びっくりはしたけど、それ以前に……
「猫がしゃべった!?」
「それがどうしたの?」
いや、どうしたのとかじゃなくて。天国だと猫が喋るのが普通なのか?
「だから、ここは天国じゃないよ?」
「さっきから俺の心を読んでるみたいだけどお前は何者なんだよ」
ゴゴゴゴゴ……
「なんだ!?地震か?」
「自己紹介はあとでするから、とりあえずここを出よう?」
「でるって?うぁっ!」
地面が、割れた!?
「どうなってるんだよぉぉぉぉ!!!!」
割れた地面のそこに落ちる感覚とともに彼、上風竜鬼は意識を手放した。
「ん、あれ、寝てたのか?」
今度はベットの感触が尻のしたにある。
「なんだ夢だったのか、じゃあ俺はまだ死んでなかったってことか」
「夢なんかじゃないんだなそれが」
この声、なんか聞き覚えがあるな
「まさか」
「うん、そのまさかだと思うよ」
「夢じゃなかったのか?」
「周りをよく見てみなよ」
周り周り、って、今度はなんだ?見たことない部屋だな
「ここはどこなんだ?」
「ここはね、君の家だよ」
読んでくださった方々へ、ありがとうございました。
これからどんどん書いて出していくのでよろしくお願いします。
大幅に文章を変えさせていただきました。
ストーリー自体は変わっていないのでこれからもよろしくお願いします!