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5.竜を落とせ!

 ドラゴンプラネットオンラインにおけるドラゴン


 タイトルを冠するだけあり、メインの敵となるドラゴン。そのドラゴンはドラゴンプラネットよりやってくる。

 ドラゴンに大気圏突入能力があるわけではない。各惑星で遭遇するドラゴンは人間がドラゴンプラネットから研究目的などで連れてきたものなのだ。

 夜 遊人の自室


 煉那のアドバイスを受けた俺は、それをドラゴンプラネットで試すことにした。

 煉那は俺に、『風船チャンバラの代表選手になれ』と言ってきた。そして、一つのアドバイスを残した。

『人というのは見ている方向へ身体が動く。つまり、常に敵を見続けていれば身体は勝手に敵へ向かっていく』

 これがどういう意味かはわからない。ただ、試す価値はありそうだ。なにより、あいつからああ言ってくれたんだ。応えてやろうではないか。

「あった」

 佐奈にカードゲームのデッキを渡したし、病院に行ったことで昔を思い出したので棚を探って昔使っていたカードを見つけた。

 コマンダーマキナってカードゲームなんだが、まさかここまで続くとはね。カードゲームって長続きすると強さがインフレするけど、このゲームは同じ強さでもイラストが違ったり、そもそも強さの種類が違ったりする。

 単にパワーが強いだけじゃない。たくさん手札を引けたり、逆に相手の手札を削ったりするのもまた強さ。

 入院していた頃、割と余ったカードとか貰ってデッキを作っていた。カードを保護するスリーブまであるとは、誰から貰ったんだっけ?

 デッキをめくっていると、昔の切り札も出てきた。刀を手にした黒龍、『カタナドラゴン・墨炎』。俺がなんとなくつけたアバターの名前の由来はこれか。頭によぎった名前だったが、昔の切り札だったのか。

『ドラゴンプラネット』の基礎システムであるフルダイブは、渚が作った。だとすれば、俺のアバターが墨炎となったのにも理由があるのか?

 単なる偶然、にしては出来過ぎだ。人類の進化を予想する天才が作ったシステムを採用したゲームで、天才の知り合いが仕様上あり得ないアバターを入手する。文字に起こせば物語が一つ始まりそうな偶然だ。

 それが何を意味するのか、渚がいないのでは答え合わせもできやしないがな。

 さて、昔を思い出したところで本題だ。俺はベッドに寝て、ウェーブリーダーを付けてログインした。


 俺はいつものカウンターに向かっていた。

 服装は煉那にアバターを見せた時と同じものだ。水色のパーカーにショートパンツ。

 今、俺が受けられるクエストは『ゾンビの駆除』くらいなもんだ。結構これが大変でな。先日見たようなデブゾンビの他に、いろんな特殊ゾンビが絡んで来るらしいから、適当に練習してから受けようと思っていたんだ。

「クエストを選んで下さい」

 受付のお姉さんに話しかけ、出てきたウインドウからクエストを選ぶ。

 『ゾンビの駆除』。目的は『忙殺されし人々の寝床』での『ゾンビスクラム』5つの撃破。ゾンビスクラムとはなんぞや? なんて思うだろうが、このスクラムと言うのがネクロフィアダークネスで特徴的な戦闘システムなのだ。

 俺はクエストを受け、目的地への移動を開始する。クエストを受けてなくても、クエスト指定場所でなくともゾンビスクラムというのは現れる。だが、クエストというのは指定された場所で行わなければならない。

 拠点のビルを出て、しばらく暗い街を歩く。バスターミナルにたどり着くと、俺はバスを待った。この惑星はどのエリアへもシームレスで地続きらしいので、目的地へは自力で行ける。

 だが、道がわからないのでバスを使わせてもらおう。このゲーム、こういう交通機関は無料だし。タダなものはドンドン活用していこう。

 しばらく待っていると、ターミナルにやたら血塗れなバスが入ってきた。バードストライクかな?

 そのバスから、ゾンビの群れが降りてきた。この惑星はこんな形で敵が補充されるから油断出来ない。

「やるか!」

 俺は剣を抜いた。煉那から貰ったアドバイスは『敵を見ろ』。どれだけ効果があるかわからんが、やってみるか。

 しっかり敵を見て、俺は剣を振るう。すると、剣はゾンビに直撃した。当たりがいいのか、一撃で斬り伏せた。

 もう一体、俺は左にいるゾンビを見据えて攻撃した。体は真っ直ぐを向いていないのに、剣だけはしっかり当たる。

 「やけに当たるな」

 煉那のアドバイスは正確だったのだ。敵を見るだけで攻撃がこうも当たるものなのか。このままここにいてもキリがない。そう思っていると後から綺麗なバスがやってきた。

 それに乗り、目的地へ行こう。

「よっと」

 バスに乗り込むと、ゾンビ達は追ってこない。さすがにシステム的な都合か。適当な席に座り、バスの発車を待った。運転手のNPCはこれだけゾンビがいても慌てたりしない。コンピューターらしく感情がない、というより漫画雑誌読んでる辺り、単にゾンビがわらわらいる仕事環境に慣れているだけなのだろう。

 適当に座ると、窓からゾンビが群がる様がよく見える。

「結構いるな」

 ゾンビ達の群れを窓から観察する。バスにも群がっているが、入り口は塞いだりしないんだな。これもシステムの都合か。

 バスターミナルに、一人のプレイヤーがやってきた。オレンジの髪を伸ばした女性アバターで、ドレスの様な鎧を纏っている。その姿は、暗いこの星では太陽の様にも見えた。

 その女性アバターは、槍を構えると何か呟いた。すると、槍から炎が吹き出してゾンビを焼き払った。

 俺が今使っているスキルは『片手剣術』。これを使い込むと新しい技が使える様になるらしい。槍にも『槍術』的なスキルがあり、レベルを上げるとあんな技も出るのかね?

 女性アバターはバスに乗り込み、一番後ろの席に座った。このゲームにはレベルの高いプレイヤーがいたものだ。

 俺も実況する前からゲーム雑誌のやり込みスーパープレイのコーナーに投稿しまくって結構採用されて、それなりに名前の売れたプレイヤーだと思うが、世の中には上がいることを常に意識している。

 向上心故ではない。ある種の戒めだ。人とはあまり調子に乗ると勘違いして恥ずかしい真似をするものだ。刑事を姉に持つと、自分を優秀だと勘違いした上に、自分より本当に優秀な人を妬んで殺害することになった事件なんて幾らでも目にする様になる。

 守秘義務があるから現在進行系の事件は知らないが、昔の事件の話はよく聞くな。テレビでは青少年の犯罪が凶悪化しているというが、姉ちゃん曰く昔よりマシらしい。

 動画投稿サイトで実況とかも一応してはいるけど、あまり自分を人気者だと調子づいて政治的発言したりすると荒れるしな。特にコメントがつけられるサイトだと。

 他の人とコラボもするし、動画荒れるとその人にまで迷惑がかかる。人として最低限のことしてれば動画は荒れないし、それでも荒れたら主犯が『荒らし』だってわかる。

 謙虚であるのは処世術でもなんでもない。マナーみたいなものだ。

「お、動いた」

 バスが動き出す。俺はてっきり、バスが動き出した瞬間に窓が黒くなって外が見えなくなり、その後ワープして目的地に行くのだとばかり思っていた。だが、バスは普通に走っている。

 俺は最初、『なんでタイトルが「ドラゴンプラネット」なのにそれは空に浮かんでるだけなんだ?』とか思っていたが、最初に選ばさせられる惑星はサーバーみたいなものなのか。

 まさか一つのサーバーでロード無し全部シームレスの惑星を処理しているわけではないだろう。惑星がどれだけの広さかは知らんが、それを4つも処理出来るサーバーなんてあるのだろうか。

 最初はでっかいサーバーでドラゴンプラネットを舞台にゲームを作る予定が、資金か技術の限界でできなかったのだろう。没ネタの影が最終決定に残るのはよくあることだ。そういう『イースターエッグ』的なネタは大好物なのだ。

 バスはゾンビを轢き殺しながら目的地へ向かっていった。


 ネクロフィアダークネス 忙殺されし人々の寝床


b随分とカッコつけた名前だが、要は閑散とした住宅街だ。惑星毎にエリアの命名規則が異なり、ネクロフィアダークネスはこんな中二病みたいな名前を付けるルールになっているとか。Wikiをチマチマ読んで勉強したぜ。

 これだけ自由度の高いゲームだと、Wikiでも読まないと何したらいいかわからないしな。武器や防具の強化システムも独特だし。

 ここに目的のゾンビスクラムがいるというわけだ。ここを歩いていると、凄く静かで不気味さを感じる。明かりはポツポツ光る街灯だけ、か。

 本来なら人がいて然るべき場所に声がしないと、こうも漠然とした不安を抱えるものか。空に星と月は無い。

 今の気温は極端に蒸すわけでも、寒いわけでもない。適度な空調が効いた室内にでもいるかの様に、安定した気候になっている。

 しかし一日中夜、つまり太陽が当たらないこの星は冷えて極寒にならないものなのか。太陽に近過ぎる水星が名前に反して暑く、太陽から遠い火星が寒い様に、太陽の当たり具合というのは思いの外命に関わる。

 地球の夜がそれなりに過ごせる気候なのは、昼間の太陽熱とそれを止める大気のおかげだ。このネクロフィアダークネスにも大気は当然あるだろうが、こうも長い間太陽が当たらないと熱だって逃げ切ってしまう。

 こうして住宅街もあるし、昔はちゃんと日が当たっていて栄えていたのだろう。建物が崩壊していないから、こうなってからの年月は浅いのかもしれない。

 ゲームにそんなリアリティを求めるのはナンセンスか。単に夜の町を冒険したいという願望からできた世界の可能性もある。そこまで考えていないかもしれない。

 ゲームなんて昼間に行けばいいのに、夜中に廃病院へ行くような奴がいるのだ。細かいことは気にするな。

 俺は夜中の公園まで来た。生垣に囲まれた、小学校のグラウンドの半分くらいはありそうな公園だ。当然、子供の姿は見えない。俺が公園に入ると、公園の門が勝手に閉まる。

「ゾンビか!」

 地面から這い出たり、生垣を乗り越えてゾンビが現れた。上空にはHPゲージが浮かぶ。

 これがスクラム。この中で敵を倒していけば上空のHPゲージが減り、これを削り切ればスクラムを撃破したことになる。

 四方八方にゾンビがいる。さて、どう調理しようか。バス乗る前にある程度戦闘出来たのは、よいお通し(ストゥッキーノ)だったな。体が慣らされて、戦闘の消化が促進される。

 まずは目の前にいる数体を片付ける。敵をしっかり見て、斬り捨てる。敵の消滅を確認したら次の敵を探す。見つけた敵を見逃さずに、斬り掛かっていく。

 このクエストは前菜プリモピアット、これクリアしたら次々と面白そうなクエストが出てくると考えたら、手が止まらない。

 目の前のゾンビが掴みかかって来ようとところを後退して回避し、前のめりになった身体を戻そうとしている間に距離を詰めて斬る。だんだん、隙の使い方がわかってきた。

 俺は一番近い場所ではなく、遠くにいる攻撃態勢に入っていないゾンビに向かって走る。そしてそのまま、ジャンプしながら突きを繰り出した。

「セイハーッ!」

 ゾンビは面白いくらい吹っ飛ばされ、地面を転がって他のゾンビの足元を掬う。たまに面白い連鎖をするもんだ。こういうのを利用すべきなんだな。

 「いって」

 前の敵を斬っていると、後ろからゾンビがチクチク攻撃してくる。痛くは無いが、不快ではある。

 「後ろが気になるな……」

 攻撃頻度はこちらが視界に収めているゾンビより激しくないが、後々後ろからもガシガシ攻撃してくる敵も出るだろう。対策を考えねば。

 生垣を背に? ダメだ。今も生垣を乗り越えてゾンビが増殖している。

 遊具を使おう。ジャングルジムくらいなら背後を守れる。

 俺はゾンビを蹴り倒し斬り殺しながら、ジャングルジムへ移動して背中を付ける。ジャングルジムは鉄のパイプを繋げただけの遊具だが、大人がこの隙間を潜るのは困難だ。だから大人ばかりのゾンビ軍団には壁として機能する。

 ゾンビがジャングルジムを背にした俺に迫る。背中を狙われない代わりに退路を塞がれている。十分に引きつけて畳み掛けるぞ。

 目前が見えなくなるくらいゾンビが集まってきた。アバターが小柄だから、大人サイズに囲まれると前が見えない。

「【ライジングスラッシュ】!」

 敵が集まったところに、技を叩き込む。水平に集団を切り裂き、一気に仕留めた。一度に大量の敵が青い光となって消えると、暗い惑星にあっても一瞬だけ明るくなる。

 だが、その光をゾンビが抜けてくる。さすがに引きつけ過ぎたのか、一撃では仕留め切れない。

「あ、やべ」

 これは計算外。だが、俺はジャングルジムの中に入ってゾンビをやり過ごした。中から剣を突き出し、チキン戦法でゾンビを突いていく。

 だが、狭い場所で繰り出す突きは悲しいくらい弱い。3発突いてやっと一匹倒せた。勢いで威力も上下するのだろうか、モーション値ってやつか。

「えいえい! チーズフォンデュにしてやるぜ!」

 俺がじっくりゾンビをジャングルジムの中から突き刺していると、銃声が聞こえた。ゾンビがバタバタと倒れていく。

「銃声?」

 上空のゲージも砕け、ゾンビスクラムを一つ撃破した。文字通り、あっという間である。マーガリンがトーストの上で溶ける様に、変化が分かりやすい。

「誰だ?」

「私じゃよ」

 冗談めかした口調でやってきたのは、水色の髪をした制服の女の子だ。ふんわりした白いブラウスの上からベージュのタクティカルベストを着ている。紺のプリーツスカートから伸びる脚もプロテクターやブーツで固められている。手には大人の男の手にも余るアサルトライフルが収まっていた。

 俺は声でそのアバターの中身を即座に判別した。仕草も奴と被る。

「涼子!」

「はろろーん、可愛いアバターだね直江くん」

「ん? なんでこれが俺ってわかったんだ?」

 涼子は間違いなく墨炎の姿を見て俺を直江と呼んだ。このゲームは性別を反転したアバターを作れないから、これを俺と見抜くのは相当困難だぞ?

「私達だけじゃ遊人だって分からなかったでしょうね。このゲームじゃ女の子に成りすまして姫プレイなんて無理だもの」

 横から出て来たのは真紅の髪を伸ばした赤いドレスのアバター。声からして夏恋か。腰にはレイピアが収まっている。

「夏恋か」

「あんたがたまたまアバター見せてて助かった」

夏恋が見つめる先には、銀髪に褐色肌をしたアバターがいた。服装は初期故に選べないのかジャージだった。だが、手には無骨な弓が握られていた。あれ、wikiで見たことあるぞ。

 『剛弓』だ。弓と違って俺の片手剣でいうところの『片手剣術』に当たる『弓道』スキルによって技を使うことは出来ないが、その分基礎攻撃力が高くて空いた場所に違うスキルを入れることで立ち回りに面白みのある武器。

「意外とゲームって面白いんだな」

 その剛弓を持ったアバターが口を開く。声は煉那のものだった。

「煉那?」

「涼子がゲームに必要なもの持っててな」

 銀髪のアバターは煉那であった。どうやら涼子からウェーブリーダーを貰ったらしいな。

「そうか、俺は見せたもんな、アバター」

 そこで、俺は煉那に自分のアバターを見せたことを思い出す。それで煉那は俺だってわかったんだ。

「んじゃ、みんな揃ったところでお茶にしない?」

 武装した女学生の涼子が見た目に反して全うなことを言った。でもまだ俺クエスト中……。


 俺のクエストをさっさと片付けた涼子と夏恋は、拠点内にあるカフェへ俺達を誘った。

 やっぱり宣伝なのか、駅前でよく見るコーヒー屋が拠点に入っていた。ゲーム内通貨で商品が買えるようだ。ホントにお試し感覚なのね。

「なんだこれは……」

 煉那は慣れないのか、メニューを見て愕然としていた。そりゃそうだ。サイズの時点でSMLじゃないんだもん。なんだよグランデって。イオ系最上位呪文か、爆発すんのか。

「次どこいこうか?」

「ドラゴンいっちゃう?」

 夏恋と涼子が早くも次のクエストを考えていた。そういえば、このゲームのタイトルは『ドラゴンプラネット』だったか。すっかり忘れてた。ずっとゾンビに苦しめられていたせいで『レフト4デット』かなんかだとばかり思ってたよ。

 今時、ドラクエがドラゴン関係無くなり、モンハンがドラゴン主体になっているゲーム業界。メインのモンスターであるドラゴンをこのゲームがどう扱うのか気になるな。

「一番簡単なのは『アーマードラゴン』だと思うけど」

「人数いるし、いきなり『ファイアドラゴン』くらいでいいと思うけど……」

 夏恋の提案する『アーマードラゴン』と涼子の言う『ファイアドラゴン』。両方とも名前のシンプルさからして序盤のモンスターっぽいな。

「随分と単純な名前の敵だな。今はポケモンだって相当捻った名前だろうに。ラルトスとかどういう意味だ?」

 煉那はゲームをしない側から見て、シンプルさを感じているようだ。そうだね、昔はフシギダネとかだったのに今やゼルネアスだもんね。ファイヤーサンダーフリーザーなんて、そのまんまなネーミングのポケモンは二度と拝めまい。

 何気に煉那がつけ入れる情報をくれたし、乗ってみるか。

「煉那ってポケモンしてるのか?」

「まぁな。昔はアニメで見るだけだったけど、最近初めてな。パンダが、気になったんだ」

 煉那は顔を背けて話す。パンダ? 最新のパンダポケモンはあいつか? ゲームの進捗を聞こう。パンダはかなり序盤で会えるぞ。

「へぇ。で、ジムバッチどれくらいとった?」

「いや、まだ一つ。パンダ捕まえたし、ポケモン撫でるのに忙しくてな」

 煉那はポケモンを撫でられるミニゲームに夢中でシナリオが進んでなかったようだ。ああ、あるある。純粋にポケモンを楽しんでいるようで何よりだ。やっぱポケモンは収集メインだよな。後は好きなポケモンをコンテストとかで愛でることか。

「まぁ順当だな」

 俺が煉那のゲームライフを確認していると、まだ夏恋と涼子は倒しに行くドラゴンを決めかねていた。そこで、二人に聞いてみることにした。

「こういうゲームには初心者がまずぶつかる『先生』ってもんがいると思うんだが」

 アクションゲームでは不慣れな初心者を容赦なくぶち殺し、ゲームの基本が出来なければ超えられない序盤の強敵がいるものだ。

「あー、それなら『ラージドラゴン』ってのがいるよ」

 涼子はそれを聞くと、ラージドラゴンという名前を出した。デカイ以外に特徴が無さそうなドラゴンだが、だからこそ先生役なんだろうな。

「よし、じゃあラージドラゴンに行こう」

 俺はそのラージドラゴンを倒すことにした。ぞろぞろと立ち上がり、カフェを後にする。


 ネクロフィアダークネス 忙殺されし人々の門


 ラージドラゴン討伐のクエストは、どの惑星にもある様だ。夏恋の受注したクエストに参加し、ラージドラゴン討伐に俺たちは向かった。

 クエストの舞台は駅前。大きな駅の前であり、名前の通り通勤通学の人でごった返しそうな場所だ。

 煉那は空を見上げて疑問を述べる。

「なぁ、なんであの星からドラゴンが来るんだ? ドラゴンには大気圏突入能力があるのか?」

 そういえば気になる。俺もそれは知らないんだ。ゲームしてても、しょっぱなから設定とか読まないし。

「さぁ? 紙飛行機は大気圏突入しても燃えないらしいぜ」

 俺は煉那の言った説もありだと思う。大気圏ってのは明確な膜とかじゃなくて、空気のある場所と真空の境目だ。そこに突入するとモビルスーツが『シャア大佐! 助けてください!』とか言って燃えるのは、空気との摩擦熱が原因らしい。重力に引かれて、おっそろしいスピードで落ちてるからな。

 ただ、昔科学の本で読んだことあるけど紙飛行機を大気圏に投げた時みたいに、摩擦熱が発火点に達しなかったら燃えないんじゃないか? ドラゴンもそれで燃えないとか。

「いや、他の惑星への降下が可能でもドラゴンプラネットの重力を振り切るのが無理か?」

 俺がいろいろと考えていると、夏恋があるトラックを指差した。少しほくそえんでないか?

「答えはもっと単純よ。見て」

「ん? なんだあのトラック?」

 トレーラーサイズの、本当に大きなトラックだった。それが揺れている。中でナニしてんの?

 俺が様子を見ていると、トラックのコンテナが引き裂かれ、中からドラゴンが出てきた。4足歩行の、翼が無いドラゴンだ。首と尻尾は長い。西洋タイプのドラゴンか。背中のトゲトゲしたヒレも細かく動いている。

「あれは!」

「そう、ドラゴンの一部は人が持ち込んだのよ」

 一部ってことは例外もありそうだ。あれがクエストの目的であるラージドラゴンか。まずは様子見だ。

 ラージドラゴンは咆哮する。口元にエフェクトが付いているから、きっと咆哮にも効果があるのだろう。そして、ラージドラゴンが突進を仕掛けてくる。

 俺と涼子、夏恋は避けたが、煉那はドラゴンの背中に飛び乗った。一人だけ運動神経違い過ぎ。

「ハッ!」

 そして、そのまま背中に至近で矢を浴びせる。だがあまり聞いている様子が無い。

「弓は接近だと弱いよ! 適切な距離を取って!」

「そうか」

 涼子のアドバイスを聞き、煉那はドラゴンから降りた。弓は近過ぎても遠すぎてもダメージが減る。

 俺は夏恋にこれを聞いておいた。

「部位破壊は可能か?」

「尻尾と頭、背中と前の爪が可能ね」

 こういう狩りゲーでは、部位破壊を成立させると報酬が増えるんだ。やっておく価値はある。

「よし、行くぞ!」

 俺はラージドラゴンの頭に向かって走り出した。まずは頭から破壊する!

 ラージドラゴンが口を開け、何かを吐き出した。火の玉だ。放物線を描いて飛ぶ火の玉は、避けやすく驚異にならない。それをスルーし、俺は顔に斬りかかる。

「ハッ!」

 頭を斬ってみると、手応えは斬るというより叩く感じに近い。骨のある頭部だからなのか。

 頭に攻撃を加えると、首をくねらせて嚙みつき攻撃をしてくる。このゲームは避け方一つ取っても自由だ。俺は首の下を潜り、嚙みつきを回避する。

 アバターの小ささが吉と出たな。

「退避!」

「ん?」

 遠くから銃を撃っていた涼子が叫んだ。俺は何のことか少し考えてしまった。ラージドラゴンが上半身を持ち上げているのに気づいたのは、その後だ。

「なんだ?」

 煉那も考えていたようで、上半身が振り下ろされるまで何も警戒していなかった。弓なのに相変わらずラージドラゴンにぴったりくっ付いている。

 ラージドラゴンが上半身を地面に叩くと、俺の体が浮き上がった。トランポリンかなんかで思い切り跳ね上がったみたいな勢いで飛んでいく。

 俺は人の身長二人分くらい飛んでいた。

「うわぁ! なんだこれ!」

「随分と飛ぶな」

 俺より低いが、煉那も飛んでいた。そしてそのまま地面に落ちる。初ログイン以来の高所落下で、冷静に着地はできなかった。

「べっ!」

 思わず変な声が出た。立ち上がろうとした瞬間をラージドラゴンが突進してきて、そのまま吹っ飛ばされてしまう。

「うげぇ!」

 気付いた時には、駅の壁に叩きつけられていた。中間の記憶がない。恐ろしいゲームだ。

「大丈夫か?」

「あ、ああ」

 その手前では、煉那が立ち上がっていた。煉那のアバターの方が大きいし、アバターが小さいと吹っ飛び易いのかもしれん。

「HPは……ヤバイな」

 腕時計でHPを確認すると、半分ほど減っていた。防具を強化していないせいで、序盤の敵でもこのダメージ。

「とりあえず回復回復っと」

 メニュー画面を開き、回復薬を取り出す。錠剤を戦闘中にボリボリ食べるなど、ヤク中みたいだ。

「遊人は尻尾切って! レイピアだと切りにくいから」

「おっけー」

 夏恋が尻尾への攻撃を指示する。同じ斬撃武器でも、通りやすさが違うんだな。

「よっしゃこい!」

 俺は尻尾に向かって走り出す。ラージドラゴンが一度尻尾を振ったのを見て、それが終わると同時に斬る。

「退散!」

 そして逃走。あまり欲張ると反撃をくらう。

 待てよ? ヒットアンドアウェイなら通常攻撃だけでダメージ稼ぐより技使った方がいいかも。

 反撃の尻尾を遠くから見やる。攻撃が終わった時を見計らい、駆け出して尻尾に攻撃を加える。

「【ライジングスラッシュ】!」

 黄色い光による一閃を尻尾に叩き込む。すぐに退避しようと思ったが、体が動かなくなってしまった。

「硬直時間か!」

 技を放った後は、どんなゲームでも操作不能の時間があるものだ。それが硬直時間。幸い、今回はそんなに長くなかったのですぐ退避できた。

「大技だったら危なかった」

 安心したのも束の間、ラージドラゴンが上半身を持ち上げた。あれはマズイ。俺は距離をとった。

 夏恋や涼子も回避行動に出る。だが、煉那だけは矢を弓に番えながらラージドラゴンに向かって走っていた。

「煉那?」

 煉那はさっき俺と吹っ飛んで、あの技の驚異は知ったはずだ。

 ラージドラゴンが身体を地面に叩きつけると、案の定というべきか、煉那は上空へ吹っ飛ばされた。

 しかし、煉那は本当にトランポリンで跳んだかのように錐揉み回転し、弓をラージドラゴンに向けた。

「行け!」

 矢がラージドラゴンの背中に放たれる。何かが砕ける音がして、ラージドラゴンの背中のヒレがズタズタになった。

「なんて運動神経!」

 これには夏恋も驚きを隠せなかった。理論上、現実の身体という縛りが無いから俺にもできるだろうが、それを思いつきの一発でやる煉那は本物だ。

 煉那はラージドラゴンの背中に降りて、取り出したナイフで背中をグサグサ刺し始めた。弓使っていると、ああいう補助武器も持てるのか?

 だが、刺すんなら威力の高い武器の方がいいな。

「煉那!」

「なんだ?」

 俺は煉那に向かって、自分の剣を投げた。

「受け取れ!」

 剣はひょろひょろと宙を舞う。悲しいかな、その剣はラージドラゴンにすら届かず、地面に落ちた。

「……」

 煉那は一度手を止めたものの、スルーして攻撃を再開した。

 俺も剣を拾って攻撃を開始する。

 数度の攻撃でようやく尻尾が切れた。夏恋も頭を破壊し、ラージドラゴンも弱ってきたのか涎を垂らしている。

「あ、逃げる!」

 ラージドラゴンが逃走を開始したため、煉那が追いかけようとする。涼子はそれを止めた。

「待って! ここは後を付けましょう」

「そうか、寝込みを襲うんだな」

 俺は某狩りゲーからの発想で、そう考えた。ドラゴンが寝たところを爆殺する作戦か。

「そうか、手負いの獣は危険だからな」

 煉那も彼女なりの解釈で理由を予想していた。確かに手負いの獣、というかHPの削れたボスは怖い。ボスキャラって、HPを半分くらいにすると発狂モードといって行動パターンが変わることがあるんだ。

 涼子はドラゴンを泳がせる理由を説明してくれた。

「ドラゴンは弱らせると、『巣穴』に逃げ込むの。巣穴、ってのは、隠しステージ的な場所ね。そこにはレアアイテムとか落ちてるから、なるべく逃げ込ませた方が得」

「レアアイテムとな?」

 俺はレアアイテムという点に注目した。どんなレアアイテムが眠っているんだ? 楽しみだ。

「その前に尻尾だ」

 俺はドラゴンを追う前に、切った尻尾に駆け寄る。尻尾には例の青いウインドウが出ており、アイテムが入手出来るようだ。

 それに触れて、尻尾を回収する。この手のアイテムは一匹倒す毎に一つくらいしか手に入らない希少素材。集めておいて損はなかろう。


 俺達はラージドラゴンを後ろからこそこそ追跡した。全員でダンボールを被り、ドラゴンに気づかれないように追跡する。

「ダンボール箱を装備しているな? これは伝説の英雄もお気に入りの潜伏アイテムだ。屋内ならば偽装に使えるな。ただ、ダンボール箱とはいえ素材は紙だ。手荒い扱いをすれば破れてしまう」

「ねぇ」

「丁寧に扱えば、ダンボール箱もきっとお前に答えてくれるはずだ」

「遊人」

 俺がダンボールについて熱く語っていると、夏恋が横槍を入れてきた。

「動きにくいんだけど」

 そういえば、夏恋の防具はドレスだったな。そりゃ、裾が長いと屈んで歩くのは辛かろう。

「何故ダンボールなんだ?」

 煉那が疑問を投げかける。このダンボールは俺が提案したのだ。

「ダンボールを被っていると落ち着くだろ? なんかこう、人間としてあるべき場所にいるって感じの……」

 この言質は伝説の英雄ネイキッド・スネーク氏のものだが、俺は全くといっていいほど反論の余地など無いと思っている。

 ダンボールを被ると、包まれている安心というか、人間というのはこうあるべきという使命感に襲われる。何故だ?

「あ、ドラゴンが入ってくよ!」

 涼子がラージドラゴンの巣穴を見つけた。ダンボールの穴から確認すると、ラージドラゴンがシャッターを破って地下通路に入ろうとしていた。

「追いかけるぞ!」

 ダンボールを脱ぎ、俺たちはラージドラゴンを追って地下通路に入る。地下鉄の駅の入り口みたいだが、シャッターで閉ざされていたのだ。それをわざわざ破ってくれるなんて、ご丁寧に。

 いや、よく考えればここに巣穴があるのはおかしいんじゃないか? ドラゴンって、住処の星から連れて来れられたんだろ? じゃあなんでここに巣穴があるんだ? こいつに至っては逃げ出したばかりに見えるぞ。

 まぁ、細かいことはいいか。

 階段を下りると、生暖かい空気が肌に纏わり付く。なんだか、普通に地下へ入ったのより濃厚な空気だった。生き物の巣穴だからだろうか。

 ドラゴンの寝息か、穴からは地鳴りの様な音が響いていた。

 穴の中は本当に地下鉄の駅みたいな構造であった。構造自体、他のダンジョンと変わりは無さそうだ。電気も機能しており、暗いものの探索には困らない。

 涼子が曲がり角で様子を見ている。壁に背中を付け、そっーと遠くを確認する。

「よし、ムーブムーブ」

 曲がり角の度、慎重に確認しつつ進む。ドラゴンがどのような条件で目を覚ますかはわからないが、思わず静かに行動してしまう。

 奥に行けば行くほど、寝息も大きくなる。

 そして、ついにラージドラゴンの寝床にたどり着いた。ラージドラゴンは身体を丸めて眠っている。

 俺達は曲がり角からそれを見ている。

「どうする?」

 俺は経験者に聞いた。俺の知っているゲームでは、モンスターの寝起きに強力な一撃を見舞うと効率がいいのだが、このゲームではどうなんだろうか?

「こうする」

 涼子はそろそろとラージドラゴンに近寄り、地面に何かを置いた。そして、戻ってくるなり手にしたスイッチを押す。

 すると、涼子が置いたものが爆発した。地下の狭い空間に爆音が響き、俺たちは思わず耳を塞いだ。

「ビックリした! なんだ?」

「プラスチック爆弾」

「近代的だな」

 涼子が置いたのは、プラスチック爆弾。某ゲームでは樽に火薬を詰めていたが、このゲームは惑星間航行が出来る世界だけに現代チックな兵器があるんだな。

 皆さんは、なのになんで剣? なんて思うだろう。だが、動物というのは意外と銃弾が効かないもんでな。体験しての通りの身体能力があると、刀剣の方がダメージ与え易いんだろう。きっと。

 ラージドラゴンはのたうち回り、隙を見せた。そこを夏恋達と攻撃していく。敵の抵抗は弱い。

「【ライジングスラッシュ】!」

 俺が技を放つと、ドラゴンが大きく痙攣して倒れる。首を地面に叩きつけ、地下を揺らして悶える。周りのシャッターが鳴るほどの衝撃であった。

 倒したのか? 俺は動かなくなったラージドラゴンを剣でツンツン突く。さすがにグッサリとリアルに刺さる感覚はなかったが、ドラゴンを剣がすり抜けている。

「やったね! 倒したよ!」

「そうか」

 涼子が倒したというので、やはり死んだのだろう。

 いつもの青いウインドウが浮かび上がり、俺はラージドラゴンの討伐を確信する。

『ドラゴンの黒い生き血、ドラゴンの鱗、ドラゴンの骨【大】』

 ウインドウに触れて素材を手に入れておく。夏恋と涼子はラージドラゴンを無視して、奥にあるガラクタの山を探っていた。

「そこにレアアイテムがあるのか?」

 俺はレアアイテムの話を思い出し、ガラクタの山に向かう。煉那も見よう見まねで素材を集めていた。

 ガラクタの山にも青いウインドウが浮かんでおり、それをタッチして調べるようだ。

「来い、レアアイテム!」

 涼子が気合を入れてウインドウを叩く。ウインドウの文字が変化し、結果が出る。他人のくじ引きやカードの開封を見るのは自分の時と同じ様にドキドキするな。

『古びた小さなカケラ×2』

「ダメかー!」

 涼子は頭を抱えて叫ぶ。これはダメなのか?

「なんだそれ?」

 煉那も涼子の嘆く理由がわからなかったらしい。まだアイテムの価値が俺らは全然わからないからな。

 夏恋が手に入ったアイテムについて解説してくれた。

「こういう場所で手に入る錆びたアイテムは、鑑定してもらうと装備品になったりするの。涼子が手に入れたのはカケラだから、装備の強化に使うんだけど、『古びた』だしあまり効果的ではないわ」

「なんかエンドコンテンツ臭いな……」

 この古びたアイテムは鑑定をしてもらうと武器になるもの、そして装備の強化に使えるものがあるらしいな。

 夏恋の話を聞いていると、いい装備を手に入れるためにひたすら巣穴に潜る奴とかいそうで怖いな。ネトゲだし、強い装備品が出たらそれ持ってないと地雷扱いされそうだ。

 そう思っていると、夏恋が自分のレイピアを見せる。

「ここで出る装備は外見や見た目が特別で、性能自体は敵の素材で作った武器より圧倒的に強いってわけじゃないわ。このゲーム、どんな武器も強化しちゃえば性能が同じくらいになるし」

「はーん、つまり外見的にレアなだけか」

 夏恋の武器もそうだが、このゲームには所謂『最強装備』ってのが無いのかな。デザイン、性能、その他諸々でプレイヤーごとの『最愛装備』が存在する、というゲームシステムか。

「このゲームの武器の入手経路は敵を倒して素材を手に入れて作る『生産』、敵が落としたものなどを拾う『ドロップ』が存在する。だけど、強化次第で同じ武器でも一線級になれる」

 夏恋の言葉通りなら結構緩いんだな、このゲーム。ゲームってのは長続きさせるためにレア武器がめっちゃ強くて滅多にドロップしなかったり、課金ゲーだと何十万かけないと出なかったりするもんだ。

 夏恋がウインドウに触れて、アイテムを入手する。

『錆びた長い棒』

「これはそこそこいいものね」

 『古びた』の次は『錆びた』か。多分、巣穴に逃げ込むドラゴン次第でレアなものが手に入りやすくなったりするんだな。

「じゃあ、あたしだ」

 煉那もウインドウに触れる。さて、次は何が出るやら。

『風化したカケラ』

「なんだこれは?」

 煉那はウインドウに表示された文字を見て首を傾げる。涼子がウインドウを覗き込む。

「『風化した』か、カケラでもラージドラゴンで出るのは珍しいね」

 涼子の発言と今までの様子を纏めると、アイテムのレア度は『古びた<錆びた<風化した』なのか。ラージドラゴンという基本的なドラゴン相手でも風化したまで出るんだな。ってことは、もっと上があるわけか。

「じゃあ、俺だ!」

 最後になったが、俺がウインドウに触る。すると、ウインドウから何かがにょっきり伸びてきた。

「なんだ、何だ?」

 出てきたのは、二本の錆びた棒だ。よく見ると、剣の形をしている。長さは俺が使っている剣と同じくらいか。

『風化した双剣』

 ウインドウの文字が変化し、ファンファーレが鳴る。涼子と夏恋は明らかに驚いていた。

「え? ラージドラゴンで風化した武器引くの?」

「ラージドラゴンだったら、数回巣穴潜って一個手に入るくらいのペースが普通よ。それも古びたやつを」

 なんだかよくわからんが、珍しいことらしい。そして、これが鑑定すると装備になるアイテムってやつか。

「ま、これでさっきのカウンターに報告すればクエストは完了ってことね」

 夏恋はクエストの終わりを告げた。クエストの流れなら俺も知っているが、煉那向けの説明だな。

 初めてのドラゴン戦、なかなか面白いゲームだなこれは。

 次回予告

 遂に訪れたオリエンテーション合宿の日。そこで遊人を待ち受けていたのは、かつて渚が予想した人類の進化であった!

 いやマジ、この学校どうなってんの? 全国から集めてるからってそりゃないわ!

 次回、『オリエンテーション合宿』。ゲームってそんなに非現実的かい? 実は隣まで来てるかもよ。

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