プロローグ
島根県出雲市大社町には有名な建物が二つあった。
一つは農業や縁結びの神として信仰されている『出雲大社』
そしてもう一つは
私立神集学園高等学校。(しりつしんしゅうがくえんこうとうがっこう)
この学園にはある特別なものが集まる。
それは、自分の身に神を卸すことが出来る特別な人間。
中には、人間から神に成り上がるものもいる。
ただ、そんな事の出来る人間を周りは、『化け物』としてみる。
親でさえ。
そういう風に生きてきた人間がこの学園に集まる。
そのはずだった。
☓ ☓ ☓
「なぁ、聖弥。本当に神集学園に行くのか?」
「俺だって本当は行きたくねぇよ。でも、この体に神を卸しちまったんだ。いくしかねぇよ」
「まぁ、そういう風にお前が考えているならいいけどよ。ここでお別れだ。じゃーな」
「あぁ、また明日」
そう言って、俺は交差点を右に曲がり、左へ歩いて言った友達と別れを告げる。
俺、竹中聖弥はどこにでもいる高校2年生だった。
ただ、毎回のテストで満点以外取らなかったり、他の人より記憶容量があるだけだ。
今日は、8月31日。世間一般的に夏休みが終わる日だ。中には1日中夏休みの宿題をする人もいるかもしれない。
しかし、俺は宿題をしなくてもいい。なぜなら、明日から今いる学校から転校して出雲にある
神集学園に通うのだから
うらやましいよね?夏休みを遊んで過ごせるんだからうらやましいよな?
そうだろう。そうだろう。
これが俺の特権だぁぁぁぁ!!
「宿題をしないって最高だね♪」
prrrrrr着信『神集学園』
「神集学園から?」
ガチャ
『どうしたんですか?』
『昨日、夏休みの宿題を送ったんですけど、届きました?』
『………』
『あのー、聖弥さん?』
『夏休みの宿題っていつ提出ですか?』
『え?明日に決まってるじゃないですか』
『ボク、ソレキイテナイデス』
『そりゃそうでしょ。今言ったんですもん』
プチっ
「…早く家に帰ろう」
今日は、寝れそうにない。




