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本当の事。
男は立ち上がり、ゆっくりと振り返る。
顔が半分ない!?
でも、動いている!
生きてる!?
そんなはずはない!
顔が半分ないのに生きてるはずがない!
ありとあらゆる考えが頭をよぎった。
どうしたらいい!?
逃げる?
戦う?
どうしたらいい?!
半分顔のない男は呆然とした顔をしてこちらを見ていた。
右半分。
顔の真ん中から右半分がないのにこちらを見ていた。
半分顔のない男はこちらに近づいてきた。
僕はなす術もなく後ずさりするしかない。
映画で見たゾンビに似ている。
よく考えてみれば、街の異変も察しがついてきた。
ヤバい!?
喰われる!?
死にたくない!
僕を残した家族を見つけなくては。
僕は誰なのか、忘れたままで死にたくない。
このまま死ぬの?
僕は誰なの?