序章.転生、この世界に降り立って
しんさくです!
う…うぅ…天井がやけに白い…僕の部屋…ではないな…。
ここはどこだ…?声を出そうとしてもうまく喋れない…あうあう言ってしまう。
とりあえず身体を起こそう……。
ん?変だな身体が上手く動かせない…。
手…手…!?
短!!ぷにぷにじゃないか!
動揺していると身体を持ち上げられる感覚がして、視界が変わった。どうやら誰かに持ち上げられているらしい。
視界に映ったのは3人。
僕を持ち上げているのは鍛えられた筋肉を持つ男。
1人はドレスに身を包んだ綺麗な女性。その後ろにメイド服を着た女性。
自分と彼らとの身体の大きさなどを考えると、どうやら僕は赤ん坊になってしまったらしい。
ということは筋肉男性とドレス女性は父親と母親だろうか………いや!それよりも!!なぜ赤ん坊になっているんだ!?
思い出そう…えーっと確か昨日は…カードゲームの世界大会で…そうだ!やっとの思いで優勝したんだった。
人生の集大成とも言える日を忘れるなんて…いや、問題はその後…仲間と打ち上げに行って……そうだ!後頭部に急な痛みがきたんだ!
帰り道に誰かに襲われたんだろうか…。
やっとの思いで世界一になっても、命を落としたんじゃ意味もないなぁ…。
「"おぉ!我が娘よ!元気に生まれてきてくれて…オレは…オレはぁうっ、うぉぉぉ!!!"」
おやおや、号泣して喜んでるよこの父親。まさか、漫画やアニメであるような転生に遭ってしまうとは……てなんかこの人言ってない?娘がどうたらこうたら…?聞き間違いだよね!
「"あらあら…涙もろいったらありゃしないわね。でもその気持ちは私もよ。"」
「"お前の名前はリスタ!リスタ・メルカナールだ!我が家にようこそ!愛娘よ!!"」
き、聞き間違いじゃなかったぁぁぁぁ!!!!女の子に転生してるぅぅぅぅ!!?!?
こうして…世界一となったカードゲームプレイヤーは異世界の女の子に転生したのでした…。
めでたしめでたし………にはまだ早いですね…
そして十数年の月日が経って…女の子はすくすくと成長して…可愛らしい女性へとなっていきました。
この異世界にもカードが存在しています…名前は「クロノエクリプス」。このカード達が世界の常識となっているのです。
この物語は、異世界へと転生した世界一のカードゲームプレイヤー「リスタ・メルカナール」が織りなすどこかSFチックなお話です。
詳しいルールなどは物語を進めていくうちに後書きなどで書いていきます!