第4章:空の脅威! キメラ現る!
——ギリシャ神話の『最初の試練』——
一瞬の静寂がアキヒロとコーイチを包んだ。
二人は怪物の一挙手一投足を分析する。その最中、脅威の咆哮が大気を引き裂く。
コーイチが杖を強く握りしめ、ため息をついた。
「コーイチさん……俺の後ろに」
アキヒロが刀を構える。
「油断しないで……あれの正体がわからないんだから」
コーイチの声には緊張が走る。
その時――キメラが翼を広げた。
鷲の羽根が空を覆い、不吉な影で二人を飲み込む。風が重くなった。
コーイチが瞬時に姿勢を整え、アキヒロは前に出て身構える。
「飛びかかってくる……!」
怪物の翼が激しく羽ばたく。
葉や枝、塵が渦巻き――だが、飛び立たない。
バキッ!
翼が不自然に歪み、地面へ引きずられるかのように震えた。
キメラは怒りに震え……跳んだ。
「避けろ……!」
アキヒロがコーイチを押しのける刹那、巨体が着地した。
地割れが走り、雷撃のような衝撃が周囲を襲う。
「コーイチ! 無事か!?」
振り向くと、怪物は既に次の攻撃姿勢に入っていた。
「こいつ……一体……」
アキヒロが刀を構え直す。
キメラの再襲来。アキヒロは転がり、蹴りを腹部に叩き込む――
「ちっ……効かねえ……!?」
岩に火をつけたような硬度だった。
「たてがみの奥に弱点が……!」
刀を振るい首筋を斬るが――
キン!
金属音が炸裂する。
「毛じゃない……!?」
怪物の後ろ足に捕らえられ、宙へ引き上げられるアキヒロ。
(こんな攻撃……キメラの仕業じゃない……まるで……鳥の捕食だ……?)
翼が不規則に震え、キメラは離陸に失敗。アキヒロを解放する。
「氷遁術・氷結!」
コーイチの呪文が炸裂し、怪物を木々へ吹き飛ばす。
――が、アキヒロも巻き込まれ、幹に叩きつけられる。額から血が流れたが、刀は離さない。
「アキヒロ……!」
コーイチの鼓動が速まる。
森から再び現れたキメラ。
蛇尾から毒が滴り、翼は消滅寸前のように痙攣していた。
(落ち着け……考えろ……!)
コーイチが歯を食いしばる。
怪物が翼(残骸)を広げ、迫る。
「最後の警告よ……!」
杖を天に掲げた瞬間――
「雷遁術・雷の刃!」
神罰のような雷槍が降り注ぎ、キメラの羽根の一部を焦がした。
……だが、倒せない。
「……まさか」
コーイチが後ずさる。
怪物の目には怒り以上の理解が浮かんでいた。
「封印も効かない……! 普通の精霊じゃない……!」
キメラは最後の飛翔を試みるが――
翼が煙のように消散する。
(月眼の術が必要……時間が……!)
「コーイチ! 動け……!」
アキヒロが背後から疾走し、キメラに体当たり。
痛みに呻きながらも、翼を失い弱った怪物を押しやる。
その瞬間――天空が赤く染まった。
逆さ月の魔法陣が降り注ぎ……
「アキヒロ、離れて……!」
光の槍が出現するより早く、森から新たな影が突っ込んでくる。
「コーイチさん……!?」
土煙から現れたのは――
螺旋の角、人型の巨体、大地を揺るがす蹄。
ミノタウロス。
そして……
天空からもう一つの咆哮。
炎に包まれ、翼を広げて降臨する存在。
「今度は……何だ……?」
血を拭いながらアキヒロが呟く。
大気が燃え上がる。
フェニックスが舞い降りた。
その羽根は生きている炭火。
鳴き声は終末の予兆。
アキヒロは悟った――
(これが終わりじゃない……)
(……始まりなんだ。)
物語を読んでくれてありがとうございます!まだ日本語を勉強中なので、ぜひ感想やアドバイスをいただけると嬉しいです。(ひらがなを書くのが大好きです!今のところ一番好きな文字は「つ」で、書くのがとても楽しいです :D)
また次回お会いしましょう!素敵な一日を!(•̀ᴗ•́)و




