序章 外伝3束の間の平和(昊編)
自身の力を意識してからの昊はまさに敵無し
ここにいる多くの魔物達ごときでは相手にすらならないくらいの、まさに無双だった
次々と魔物達を倒しているその光景を見て他の人達も奮い立ち魔物達を倒していく
魔物は門から現れなくなった
「よし…これで後は…あの動かない巨人だけだ」
昊は一息つくように呟く
多くの戦っていた人達も満身創痍だ
「あれ昊君はもう疲れちゃったのかな?
この勝負は私の勝ちで終わりね♪」
また雷羅がいきなり横に現れた
雷羅は勝ち誇った笑みを浮かべていた
「もう…雷羅さん、いきなり現れないでくださいよ
びっくりしますって…」
昊は呆れながらも少し笑みを浮かべた
「あはは♪ごめんね~
この雷電の権能って早く動けて楽しいのよね~」
雷羅はこの戦場で唯一楽しんでいた…
「やっぱり戦闘狂だ…そんな事より
何であの巨人は動かないんですかね?」
昊はずっと戦闘中に気になっていた疑問を吐く
「さあね~、だけど…あいつかなり強いわよ
仲間なのか知らないけど魔物達を全滅させても気にもしていないし…
何か不気味なのよね」
雷羅はそう呟く
それは昊も思った、確かにそれは不気味だった…
そう2人は思っていた瞬間…
『グォオオオオオオオオオッ!』
残っていた最後の魔物
赤い1つ目の巨大な魔物が吠えた
「くっっ!」
「あぁーもううるさいわね…」
目眩がする程の咆哮
2人は咄嗟に耳を押さえる
遂に門の前にいた巨大な魔物が動き出したのだ
「グオオッ!」
魔物は巨大な大剣を肩に担ぎ戦闘体制を取る
「来ますよ雷羅さん!」
「分かってるよ昊君、まぁ私には当たらないけど」
身構える昊と違い
雷羅は相変わらず獰猛な笑みを浮かべている
2人が構えた瞬間、左の方から大きな声がした
「力を使える人達!後はこのデカブツを倒すだけだ
友達や家族、人々を守る為に一緒に戦ってくれ!」
何かと思い2人は見る
そこには赤い紅の髪の警察官が皆を鼓舞していた
「うおおぉぉ!俺はやるぞ!」
「僕でもやれる!」
「私も戦います!」
「いつでも行けます!」
多くの人が興奮気味に声を張り上げていた
「警察官の人ですね、あの髪の色…強そうですね」
「何あれ…暑苦しいわね…全く…」
昊は冷静に警察官の力の強さを確認し
雷羅は…かなり嫌そうに…悪態をついていた
「よし!行くぞ皆!」
警察官は声を張り上げ
「「おおおおぉぉぉっ!」」
力を持った人達もまた声を張り上げた
自身をまるで鼓舞する様に
「食らえぇぇ!紅蓮槍!」
紅蓮の様に猛る炎の槍が化物に放たれた
そして多くの人達も自分の使える力を放つ
「火炎弾!」「水破矢!」
「風烈刃!」「土流塊!」
それを見て魔物も巨大な大剣を振るう
瞬間大地が割れた
魔物の一撃は地面に衝突するなり爆発した様な音を轟かせ衝撃を周囲に撒き散らした
そしてその斬撃は多くの人が放った技を粉砕し大地を数100mに渡り切り裂いた
その直線上にある物は全て破壊された
渋谷駅前の木々や駅、その後ろにある高層ビル
そして…人々さえも
「なっ!何あの威力っ…」
昊は一瞬の出来事に呆然としてしまった
「あの大剣を振り下ろしただけであの威力…
今の1撃で何人の人が…くぅっ!」
「強いと思ったけど…ここまでとはね~
さっさと倒さない皆死んじゃう…ねっ!」
昊が愕然とする一方、雷羅は無謀にも巨大な魔物に向かい突撃していった
「雷羅さんっ!」
昊は叫んだ、しかし雷羅は笑みを浮かべ駆けた
「ここでこいつを…確実に殺す!
1発喰らいなさい…雷龍の矛!!」
雷羅は雷の矛を召喚し魔物に勢いよく投擲した
「グォォ?グギャァァァアア!」
魔物は高速で右足に突き刺さった槍に気付いた
その瞬間…
電流が全身に回り魔物は苦痛の叫びをあげる
「す…凄い…雷羅さんは…凄いや」
昊は雷羅の物怖じしないその度胸
そしてその強さに圧倒されてしまった
だが魔物も負けじと抵抗した
痺れながらも大剣を振り回し颯爽と駆ける雷羅を潰そうと攻撃していた
「ほらっ!ほらっ、当たらないわよそんなの!
さっきのド派手な技やってみなさいよ
もしかして動かなかったんじゃなくて
力を貯めといたのねあなた!」
その通りだった
巨大な魔物の能力は(力の解放)
動かず力を貯めた分だけ攻撃に威力を乗せられる
その能力を雷羅は抜群の戦闘センスで解き明かした
「昊君!この魔物の貯めた力が後どのくらい残っているのかはわからないけど
もう無いかも…いや、そんな事ないわ!
早めに片付けないと不味いわよ」
雷羅は魔物の攻撃を避けながら昊に助言する
その言葉に昊は意識を集中した
「そうだ…今はこいつを倒す事だけを考えろ
大丈夫…僕ならやれる…やれる!」
目を見開き残りの権能力全てを解放する
この瞬間昊から虹色の光が爆発した
「昊君…あなた…」
その光の強さに雷羅は息を呑んだ
「グォォ!?」
巨大な魔物はその光に圧倒され1歩足を引いた
この小さい生き物に恐怖してしまった
そして…大太刀を構え魔物に向け斬撃を放つ
「お前はここで終わりだ…
これが今の僕の全力だぁぁ!
消え去れえぇぇぇ魔断っ!!!」
刹那
昊の全力の斬撃の力を乗せた魔断は
魔物に向け解き放たれた
魔断の斬撃が魔物を滅ぼすために迫る
しかし魔物も最後の足掻きだろうか
貯めていた全ての力を解放し大剣に乗せ放つ
衝撃と斬撃がぶつかり合い爆風と爆音が弾けた
そして
斬撃が勝ち魔物を真っ二つに切り裂いた
昊の渾身の一撃で魔物は左右に倒れそして霧になる
そこには純白の大きな宝石の様な結晶だけが残る
その瞬間、巨大な金色の門の扉が大きな音を立て
ゆっくり閉まっていった
「門が閉まった…これで…終わったのかな?
良かった…僕も誰かを助けられたのかな
やったよ…護君…僕も戦えたよ」
全力を出し、今にも倒れそうだがゆっくり呟いた
自身を称える様に
そしてそらが感傷にふけていると
急に肩をビシバシッと叩かれた
「あははははっ!
まだあんな大技隠していたの昊君!
お姉さんびっくりしちゃったよ~
しょうがない…今回は私の負けとしとくかな
次は負けないけどね♪」
雷羅は満面の笑みで昊を称賛した
「次…またこの門が開いて…
また魔物が現れるんですかね?」
昊は巨大な金色の門を見上げながら呟く
「たぶんね、昊君のあの一撃は門にも当たったの
でもあの門は傷すら付いていないわ
破壊は出来ないのかもね…
そうなると…また開きそうな予感がするわね」
雷羅はさっきまでとは違い真剣な顔をして話した
「次ですか…またこんな悲劇が…
こんな悲劇絶対繰り返させない!
雷羅さん…僕これからも戦います
皆を…大切な人達を守る為に…」
昊は決心した、これから起きる新たな戦いに向け
「そうね…私も負けてられないかな~
って!昊君!」
雷羅は驚き昊の肩を叩く
「いててっ!もう、何ですか雷羅さ……」
昊は雷羅に叩かれ後ろを振り向いた…
そこには多くの人達が昊と雷羅に向け称賛していた
「すげえな兄ちゃん!」「ありがとう2人とも!」
「雷のお姉様素敵!」「強すぎだろあんた!」
「2人がいなかったら皆死んでたぞ、ありがとう」
止まらない称賛に2人はどうすればいいかわからなくなってしまった
すると人々の中から多くの警察官達が現れた
そしてその中の1人が声をあげた
「私は(不知火 旭)しらぬい あさひと申しますこの度のあなた達2人の尽力…
警察を代表し感謝致します
ありがとうございました!」
旭達は2人に深々と頭を下げた
「いやっえっと、大丈夫ですから!
頭を上げてください」
「あっあの暑苦しい警察官じゃない…」
「ちょっと!雷羅さんは黙ってください!」
昊は慌て、雷羅は…雷羅だった…
「わかりました
つきましてはこの事件の情報を多く集める為に
あなた方お二人には一緒に本庁の対策課まで御同行して貰う様に命令が出ております
御同行お願い致します」
それを聞きすぐに
「えっ絶対嫌!じゃあ後は任せたよ昊君♪
またどこかで勝負しましょ~またね~」
そう言った瞬間雷は稲妻の様にその場から消えた
「ちょっ!雷羅さん!
酷い…僕だけ置いていかれた…
僕も早く護君を探しに行かないといけないのに…
はぁ…わかりました、一緒に行きます」
昊は深いため息をついた
(護君は警察官の人が安全な場所まで連れて行ってくれたみたいだし…大丈夫だよね)
昊は気持ちを切り替えるしかなかった
「ありがとうございます
それとお名前をお聞きしても宜しいですか?」
「天海 昊です」
「ありがとうございます天海さん
では行きましょうか」
昊は警察官達に囲まれ歩いて行く
(僕の人生これからどうなっちゃうのかな?
雷羅さんも言ってたな…
これからも戦い続けるって…
もっと多くの人達を守れる様に力を付けないと)
そして
ここから昊の新しい人生が始まったのだ…
これで護が気絶した後の昊の話は終わりです。
正直、星乃照愛と鳴神雷羅の出会う話も書きたいんですけど…
話が進まないのでそろそろ護が主人公の
一章からを書きます( ´ー`)




