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アイドルクビになりました(プロローグ)
「プロジェクトは中止です。解散です。」
イヤホンから心臓を突き刺すかのような野太い声が聞こえた。
数日前から予感はしていた、覚悟はできているつもりだった。
一言でもいいから文句を言ってやろうと声を出そうとしたが出なかった。
唯一俺が出来たのは、静かにそのウェブ会議の退出ボタンを押すことだけだった・・・
少なからずいたファンに一言も発信する機会も貰えず
一通の解散文章をスクショした画像だけが公式から投稿され
活動をしていた頃のアカウントはすべて引き渡し文字通りクビになった。
「どうして、こうなったんだろう」
その言葉だけが、6畳ワンルームの部屋に残された。