第59話 撃破
2人を乗せたバイクは強引に検問をくぐりぬけ、渋谷区まで予定より早く辿り着いた。
「何で渋谷なの?」
「あーどこも検問だらけなんで、どうせ行くなら渋谷かと思ってな」
「なにそれ…無計画じゃん」
「無計画ではないぞ。Cに連絡を取っているからな。今度こそヘリで逃亡だ」
「本当!?」
Aはタバコを取り出しながら言った。
「バイクは見えない所に隠して、なるべく高い所に登れる場所を見つけるんだ」
Aが一服してから再びバイクに乗り込んだ2人は、徐行しながら目的地を探した。
――――
爆弾処理班は空で爆弾の解除を続けていた。そこそこまできていたが、残り16分の蛍光表示が映し出されている。
「この爆弾…解除の仕方がややこしすぎる」
無線が入ってくる。
「そちらB-2以外の全ての航空機を避難のため退避する―――」
「味方は無しかよ」
引き続き爆弾処理班は作業を続けた。
――――
「検問ぶち破ってどこに行ったのよ!」
冴島は無線に対してブチぎれていた。松島がマップを持ってたしなめに来た。
「冴島さん冴島さん、マップを見てみて下さい。破られた検問を辿って行くとおおよその目的地が分かりますよ」
「どこなの?そこは」
「渋谷です」
「じゃあ渋谷に警察と自衛隊を結集させなさい!今すぐよ!」
――――
「ここにしよう」
そう言ってAは路上横の見えない場所にバイクを置いた。
「あそこに登ろう」
Aが指差した先には、巨大なショッピングモールがそびえ立っていた。
歩き出した途端、パトカーのサイレンが鳴り響いてくる。
「急ぐぞ」
小走りでショッピングモールの壁伝いまで辿り着いた。
「なぁB」
サイレンを気にしながらAは呼びかけた。
「何?」
「渋谷の電気消すことはできないか?」
「無理だよ!かなり入念にシステムを調べないといけないんだから」
「そうか…」
Aは残念そうに呟いた。
「どこか登れる所はないかな、いやあるはずだ」
AとBはしばらくモールをグルリと回って歩いた。と、パトカーが止まっており、警官が無線で何かを叫んだ。




