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第4話 仕事

さすがに蒸暑すぎなので、トパーズは普段あまり付けないクーラーのボタンを押して冷風を浴びた。

椅子に座り、瓶のコーラの味を楽しむ。そろそろ部屋に散乱した瓶の掃除をしなくてはいけないかもしれない。

涼しくなったのも相まって、トパーズは仕事に取り掛かる準備を始めた。今日はFX口座にしよう。カタカタとキーボードの音が部屋に響く。

「FX口座だから…1円…2円でいいか、うん」

またしばらくキーボードの音が部屋中に響き渡る。髪をいじりながらモニターを見つめ、程なくエンターキーを2度押すと、エアコンの電源を消してソファに寝転がった。

今日も虚しい金稼ぎである。口座には億単位あるが、嬉しさは微塵もなかった。

深いため息をつきながら、また惰性でテレビを付ける。

例の爆破犯のニュースは冷めやらぬようだった。今も臨時ニュースが続いている。が、良い所でCMに入ってしまった。仕方がないのでリビングデスクに置いてあるノートパソコンでネットニュースを漁る。

しばらく眺めていた少年は、興味深い記事にぶち当たった。

爆破犯が東京ビッグスクエアと国会議事堂を爆破したことを認める文書をマスコミに送りつけ、さらに特定の場所を爆破すると予告したというニュースだった。

少年がハッとしたのは、特定の場所を爆破するという文言だ。どこだろう。どこを爆破する気だ。分かればハッキングできるかもしれないのに。他の記事をネットで調べたが、どこを爆破するかはどこにも書かれてはいなかった。

トパーズはモニターから目をそらし、しばらく空を眺めた。

のちに部屋にある棚をごそごそと探し、コースター状の薄い機械を取り出した。その機械をしばらく調整してからスマートフォンにあてがい、電話をかけた。

「はい週間信条」

相手が応答に応えた。少年は機械ごしに喋り始める。

「こちら週間青春の記者だが、ちょっと聞いてもいいか、ココだけの話だ」

「…何だ」

機械のおかげで、少年の声はおじさん声に変わっていた。

「爆破犯の次の目標を知らないか。金は払う」

「金なぁ…」

「頼むよ、知っているんだろう?30は払うから」

「…30くれるんだな?犯人の次の目標は幕張パレスだ。口座は……」

「了解、振り込んでおく。助かったよありがとう」

少年はほくそ笑みながら電話を切った。これで場所は特定した。あとは起爆方式が携帯電話かどうかにかかっていた。


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