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12/36

12 町

ちょっと、自動投稿をしてみようと思って暫定版を書いていたら、時刻設定をまちがえて投稿してしまったので修正中です。

水曜くらいまでに形にして、今週分としようと思います。

「は?」


 でか。

 でかでかの、でか。


「なんだこれ」


 壁が高くて、手をのばしても届かない。

 白ローブ女が巨大女になっても届かないだろう。


 とんでもなくでかい壁があった。


「なんのためにこんなものを?」

「敵や、魔人が攻めてきたときのためだ」

「はー」


 たしかにこれだけ大きければ、戦わずに、だいたいのものは防げるだろう。


「でもこんなに大きくてどうするんだよ」

 防ぐだけなら、もっと小さいものでいいだろう。


「人がたくさんいるからな」

「たくさんいるからって限度があるだろ」

「ファイリスだ」

 ファイリスが名乗ったのは、入り口の門にいた人だ。


「トキマが負傷した。落ち着いているが、魔人の呪いがかかっている。特殊な治療もできる人間をすぐ用意してほしい」

「了解しました!」


 その男はちょっと引っ込む。

 しばらく待っていたらもどってきた。

 別の男二人が、棒をそれぞれ端で持ってやってきた。二本の長い棒の上に布をかぶせたようなものだ。

 それを、腰くらいの高さに用意した。


 ファイリスが布の上に、背負っていたトキマさんを寝かせる。

 ずれたところに血がつく。


「すぐ死にはしないだろうが」

「お任せください」

 男たちはそう言って、門の中に入っていった。


「これでトキマさんは平気なのか?」

「そうだな」

「治療できないんじゃないのか」

「私はあくまで、戦闘も治療もできる者だからな。専門家ではない」

「その方々は?」


 門の人がこっちを見る。


 俺。

 白ローブ女。

 そして……。


「あれ、鳥は?」

 いつの間にかいなくなっている。


「気づかなかったのか」

 白ローブ女は言った。

「ああ」

「ふふ。われもだ」

「ファイリスさん、彼らは?」

「旅の者だ。すこし協力してもらった」

「そうですか」

 門の人は、じろじろと、俺と白ローブ女を見る。


「ファイリスさんは、ご本人ですよね?」

「ああ」

 そう言うと、ファイリスは小刀を出して、指先を傷つけた。ためらいなしだった。

 血の玉がゆっくりふくらんだ。

 

 門の人が用意した紙に押し付ける。


「たしかに」

 門の人は言った。


「魔人の血はあのようにできぬと言われているからな」

 白ローブ女は言った。


「できないのか?

「魔人の血の色は何色だ?」

「血の色……」


 うん?

 そういえば、血の色ってどうだっただろう。

 出てなかった気がする。


「入っていいぞ」

 ファイリスがこっちを見た。



「……うううおおお!!」


 門の中。


 中に入ったら人が。

 人が人が人が!

 人が多すぎる!


「お、おおお」

「どうした」

「おおおお」


 俺は壁の近くに行ってしゃがんだ。


「どうしたんだ」

 ファイリスが一緒にしゃがむ。


「気持ち悪い……」

「気持ち悪い?」


 たくさんの建物がならんで、その通りに、たくさんの人。

 いろんな顔をした人。

 多すぎる。


 あんなにたくさんの人が、全員、いろいろなことを考えている、人間なんだとしたら……。


「人が多すぎて、頭がおかしくなりそうだ……」

「あ? ああ、そうか。そうなんだったな……」


「よし、どこかで食事をとるか」

 ファイリスは言った。


「人がたくさんいるところに行くのか……?」

 頭がどうにかなるぞ。


「誰もないような、しょぼい店だ」

「なら安心」

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