12 町
ちょっと、自動投稿をしてみようと思って暫定版を書いていたら、時刻設定をまちがえて投稿してしまったので修正中です。
水曜くらいまでに形にして、今週分としようと思います。
「は?」
でか。
でかでかの、でか。
「なんだこれ」
壁が高くて、手をのばしても届かない。
白ローブ女が巨大女になっても届かないだろう。
とんでもなくでかい壁があった。
「なんのためにこんなものを?」
「敵や、魔人が攻めてきたときのためだ」
「はー」
たしかにこれだけ大きければ、戦わずに、だいたいのものは防げるだろう。
「でもこんなに大きくてどうするんだよ」
防ぐだけなら、もっと小さいものでいいだろう。
「人がたくさんいるからな」
「たくさんいるからって限度があるだろ」
「ファイリスだ」
ファイリスが名乗ったのは、入り口の門にいた人だ。
「トキマが負傷した。落ち着いているが、魔人の呪いがかかっている。特殊な治療もできる人間をすぐ用意してほしい」
「了解しました!」
その男はちょっと引っ込む。
しばらく待っていたらもどってきた。
別の男二人が、棒をそれぞれ端で持ってやってきた。二本の長い棒の上に布をかぶせたようなものだ。
それを、腰くらいの高さに用意した。
ファイリスが布の上に、背負っていたトキマさんを寝かせる。
ずれたところに血がつく。
「すぐ死にはしないだろうが」
「お任せください」
男たちはそう言って、門の中に入っていった。
「これでトキマさんは平気なのか?」
「そうだな」
「治療できないんじゃないのか」
「私はあくまで、戦闘も治療もできる者だからな。専門家ではない」
「その方々は?」
門の人がこっちを見る。
俺。
白ローブ女。
そして……。
「あれ、鳥は?」
いつの間にかいなくなっている。
「気づかなかったのか」
白ローブ女は言った。
「ああ」
「ふふ。われもだ」
「ファイリスさん、彼らは?」
「旅の者だ。すこし協力してもらった」
「そうですか」
門の人は、じろじろと、俺と白ローブ女を見る。
「ファイリスさんは、ご本人ですよね?」
「ああ」
そう言うと、ファイリスは小刀を出して、指先を傷つけた。ためらいなしだった。
血の玉がゆっくりふくらんだ。
門の人が用意した紙に押し付ける。
「たしかに」
門の人は言った。
「魔人の血はあのようにできぬと言われているからな」
白ローブ女は言った。
「できないのか?
「魔人の血の色は何色だ?」
「血の色……」
うん?
そういえば、血の色ってどうだっただろう。
出てなかった気がする。
「入っていいぞ」
ファイリスがこっちを見た。
「……うううおおお!!」
門の中。
中に入ったら人が。
人が人が人が!
人が多すぎる!
「お、おおお」
「どうした」
「おおおお」
俺は壁の近くに行ってしゃがんだ。
「どうしたんだ」
ファイリスが一緒にしゃがむ。
「気持ち悪い……」
「気持ち悪い?」
たくさんの建物がならんで、その通りに、たくさんの人。
いろんな顔をした人。
多すぎる。
あんなにたくさんの人が、全員、いろいろなことを考えている、人間なんだとしたら……。
「人が多すぎて、頭がおかしくなりそうだ……」
「あ? ああ、そうか。そうなんだったな……」
「よし、どこかで食事をとるか」
ファイリスは言った。
「人がたくさんいるところに行くのか……?」
頭がどうにかなるぞ。
「誰もないような、しょぼい店だ」
「なら安心」




