第9話その3「選択②」
無人の荒野でスペードはひっそりと再生した。
「ったく…容赦ねぇな…あのバカ…」
スペードは立ち上がり、身体をコキコキと鳴らす。
「はあ~あ…ったく。 どうしてこうなったよ…」
スペードはここ1カ月で起きた出来事を思い返した。
(ハートめ…いきなり攻めてきやがって… こっちの思惑がバレたのかと思ったぜ… ただ…マークスだけは、驚いていなかったな…何か知っていたのかもなぁ… まあ、一瞬でくたばったけど… 前の暴走時は、まだ本気じゃなかったってことか… 今回は本気で容赦もくそもなかったからな)
(研究施設も取られちまったし…もうアガペルは…終わりだな。主要メンバーはいないし…ちりぢりになった奴らもハートにやられているみたいだし… 終わりかな… 色々と… まあ、たいていのやつらは消えたがってたから、ちょうどよかったろうけど…)
「ったく。いいよなぁっ」
スペードは大の字で寝ころんで叫んだ。
「くそおっっ! 何でみんな私だけを残していくんだよ…くそがあっ… 不死身でも、なんもいい事ねぇ… 死ねないだけで… 生きてるわけじゃねぇ…」
スペードの顔に影が落ちる。
「ん?」
「やぁ…スペードちゃん」
「…お前は… ああ…あー…そういうこと? つながってたってこと?」
「ご名答」
「ペリア…だったよな? あー、マークスが言ってたジョーカーってあんたのこと?」
「よく分かるね」
「まあ、この場所にくることができるのは、アガペルに関与してる奴ぐらいだし…それにそれだけ特徴的なナリをしていたら、イヤでも分かるわ」
「そかね」
「で、そんなアンタが何の用だ?」
「世界を変えてみたくない?」
「は?」
「これをあげる。 どう使うかは任せるよ」
スペードはペリアから二つの装置を受け取った。
「一つは能力をブーストする装置、もう一つは抑制する装置だよ。。。使い方次第で、いろんなことができる」
「な…こんなものできていたのか?」
「プロトタイプはかなり前にできてたけどね… ただ、上級魔法使いようのものはつい最近やっとできたんだ… 正直、キミに渡すか、ハートに渡すか迷ってたんだけどね… 今回は…キミに渡した方がよさそうだ」
「どういうことだ? 今回?」
「おっと…これ以上はいけない… まあ、この世界をキミに委ねるってことさ… 任せたよ」
それだけ言うと、ペリアはスペードに装置を残して、姿を消した。
「は?ちょっ… 待てよ。 どういうことか、説明しろおっ」
スペードは手に握られた装置をまじまじと見つめた。




