第6話 その3「女の子」
パンを咥えながら、女の子が元気いっぱいに駆ける。
「やっほ~ 私○○○○… 元気が取り柄の花のJK。 どこにでもいる普通の女の子だけど… 私には二つ秘密があるんだぁ… それがばれたら大変なことになっちゃうの」
女の子が道を進んで行くと、大通りをフラフラち小さい子どもが歩いている。
信号が赤にもかかわらずフラフラと歩いていく。
(あ、危ないッッ え~と… ば、バレないよね… えいっ!!)
小さい子どもの身体がふわりと浮かんで、反対側の歩道に無事に着地する。
(ふう~ 間一髪!! 今度から気を付けるんだよ)
(そう…私の秘密とは… 魔法を使うことができるってこと! まあ、大した力じゃないけどね。。。でもこのことはナイショなの って… やばいやばい… もうこんな時間)
女の子はなんとか学校に着いた。
ふーと一息机に突っ伏す。
となりの席の男の子がからかいながら声をかける。
「おいおい。 今日もギリギリだな?」
「う、うっさい… 女の子は色々と準備がいるの!」
「へえー。 でも寝癖直ってないぞ?」
「え、うそ? うわぁ… 最悪ぅ」
男の子は意地悪気に言いながらも優しい笑みを浮かべていた。
(もう一つの秘密… それはこの恋心… これは、いつか言わないと…)
ガラガラと音を立てて扉が開く。
担任が入って来るなり、女の子に校長室へ行くよう促した。
(え~… やばい。。。 いつもギリギリだからかな。。。 うわ~、最悪だぁ…)
男の子は教室を出る女の子を心配そうに見送った。
魔法少女No2788 樋口レイナ
校長室に着くなり、女の子は『アガペル』によって、拘束された。
そして、上記の番号を付与されて、魔法能力のテストを課された。
結果魔法能力総合Eの判定。
戦力とはならないとされた。
彼女に課された任務は、戦闘時の補助魔法、魔法による治癒、そして、慰みモノになることであった。
『アガペル』内でそう扱われることも多々あったが、多くは戦地に派遣されて、現場の兵をサポートすることになった。
『アガペル』は金銭により戦力の貸出を行っていた。
魔法少女は非常に重宝された。
魔法能力が低くとも、必ず何らかの使い道があった。
戦力という名目もあるので、戦地にいても何ら咎められなかった。
彼女はかつて好意を寄せていた男の子のことを思いながら、揺さぶられていた。
このような環境に2年ほど身を置いた。
組織が壊滅し、彼女はようやく自由になれると安堵した。
早く解放されることを祈った。
しかし、ほどなくして起こったブレイク・ハートの暴走に巻き込まれて、あっけなく命を落とした。




