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第6話 その1「油断」

暗闇の中シュウリは彷徨う


(うかつに距離を詰め過ぎたか… だけど、私を引き込むほどの精神魔法を出せるなんて予想外だった… どれほど精神魔法の修練を重ねたのかしら…)


シュウリの身体が徐々に雲散していく。


(まあ… いっか。 最後にもう一度だけ… ナオとしたかったけど…)


シュウリは消える覚悟を決めていた。



魔法にはいくつか種類がある。

大別すると

精製魔法、干渉魔法、精神魔法、因果干渉魔法である。


多くの魔法は精製魔法と干渉魔法である。

精製魔法・・・空間中のマナと呼ばれる概念によって、炎や水を作り出す魔法。

干渉魔法・・・物を動かしたり、自身を強化したりするもの。

精神魔法・・・干渉魔法から派生したもので、精神的な部分に干渉する場合を指す。特定の魔法少女しか使うことができないが、その効果の絶大性から、干渉魔法と分けて分類、研究されるようになった。

因果干渉魔法・・・いずれにも属さない強大かつ危険な魔法をカテゴライズするために設けられた。

現在リストに上がっているのは・時間逆行・蘇生・結果書換の3つである。

現存する魔法少女において使い手をされているのは『アガペル』の総帥マークスのみである。



基本的に精神魔法に対抗するためには、精神魔法耐性を持っている必要がある。

マークの4名の精神魔法力はスペードがやや劣るものの、あとの3人は同程度であった。

ゆえに、精神魔法を繰り出そうにも効かなかった。

だが、この5年でクローバーは研鑽に研鑽を重ねて、シュウリの耐性力を上回る精神魔法力を鍛えていた。

そのクローバーの執念がシュウリを捕らえることに成功した。


シュウリには抗う術はなかった。



クローバーは勝利を確信した。


「ははははは… やった… ついにやったわ… 最強の魔法少女… ブレイクハートを捉えたっっ。 さすがのあなたも… 精神を完全に破壊されれば… もう復活もできない… ついでに今後脅威になり得るナオも捉えたっっ…」



その様子を遠くから眺めていたペリアは… 勝利の叫びをあげるクローバーを憐みの表情で見つめた。


「可哀想に… いや…別にいっか… まったくどいつもこいつも私のナオを軽んじ過ぎなんだよねぇ… ナオがブレイクハートに勝てないのは相性… それと勝つ気が無いからってだけなんだよねぇ… まぁ… 身をもって知りなよ?」




クローバーの身体を背後から剣が貫く。


「え…???」


クローバーが振り向く間もなく、剣はクローバーの身体を切り裂く。

ナオは剣を捨て重火器でクローバーの身体に集中砲火を浴びせる。


「シュウリ… 起きなさい」


ナオの呼びかけにシュウリの身体が反応し、精神世界に沈殿していた意識を引きずり上げた。

意識が戻ると、すぐにシュウリは状況を把握し、散らばるクローバーの身体に向けて消滅魔法を放つ。


その光にクローバーは消えていった。

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