第4話 その4「戦いの後」
地下通路を抜けると、そこは組織の地下基地に通じていた。
シュウリは一層警戒を強める。
「大丈夫だってぇ… ここはもう一切機能していないからさぁ」
シュウリはペリアをにらむ。
ナオが言葉をつけたす。
「本当だ。 ここは本部解体と共に、すぐに人がいなくなった… もぬけの殻だ」
「そう… まあ、確かに人の気配はないわね」
「魔法少女って、気配の察知もできるの?」
「ええ… 火や電気を操ることができれば、そんなに難しいことじゃないわ」
シュウリはやっと、ペリアに対して、まともに言葉をかえした。
「じゃあ、とりあえず、今日はこの施設で休みますかね」
先に行こうとするペリアにシュウリはナイフを投げる。
そのナイフはペリアの頬をかすめる。
「ちょっと、ちょっとおおお… なんで、そんなに躊躇なくKILLしようとすんの」
「あなたが仕切らないで… ナオ…どうする?」
「そうだな… まあ、この施設は私も勝手をよく知っているから、休むにもいいし… いざ攻められたときにも対応しやすい」
「なるほど、じゃあ、ここで休みましょう」
「あんた… 結構いい性格してるわね」
3人は施設の奥に進む。
ロックは壊れているものの仮眠室を見つけた。
シュウリは魔法で開錠する。
「それじゃあ、貴方は一番奥の部屋で… 今開錠しといたから」
「え… 待ってって… もしも襲撃されたときに… 私ひとりじゃ、対応できないよぉ? 私か弱い人間なんだから…」
「数秒は稼げるでしょ?」
シュウリはペリアに言い放つ。
そして、そのままナオと一緒に部屋に入っていった。
「ちょ… えええっ? アンタたち1人で十分でしょ」
内からシュウリは魔法で鍵をかけた。
ペリアはドアを開こうとぐいぐい引くが、びくともしなかった。
仕方なくペリアは奥の部屋に向かった。
シュウリとナオは部屋中を隈なく調べる。
何も危険のあるものは存在しないことを確認すると、シュウリは内側から防御魔法を部屋全体にかける。
さらにそのうちにナオは装備品の中から電磁フィールドを取り出し展開する。
二重の障壁によって、物理及び魔法の両方に対応する。
シュウリは大きく息を吸ってから、ゆっくり吐く。
ナオは武装を解除して、床に置く。
そして、シュウリを抱きしめる。
ナオの腕の中でシュウリは震える…
消え入りそうな声でつぶやく。
「ナオ… 今日で… 1000人以上死んだ…」
「仕方ない… やらなければやられていた…」
「いろんな子がいたのに… 一瞬で、皆ダメになっちゃった… 私が… ダメに…」
ナオはシュウリの背中をさする。
シュウリの声はやがて嗚咽に変わる。
久方ぶりの、生の命のやり取り…
シュウリのトラウマを引き起こすのには十分すぎるほどの刺激であった。




