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日々を語るのは家  作者: 尾結いなり
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日々を語るのは俺

 俺は家。

 だけど、その辺に建つような家とは違い、俺には心がある。

 なんたって、俺は妖怪『迷い家』だからな。


◆◇◆


 家の姿をした妖怪『迷い家』。

 そのほとんどは山奥に生息するらしい。

 炭が爆ぜる囲炉裏。火が揺れるかまど。湯気立つ粥が盛られた鍋――等々。

 それらを無人であるのに、自分の中(家内って言った方がわかりやすいかな)に妖術で出して、生活感溢れる家を装っていると聞く。

 何でも、時折迷い込む人間が困惑する様子を見る為だという。……全く、悪趣味な奴らだ。


 俺も迷い家だが、奴らと一緒にしないで欲しい。

 そもそも、俺は奴らと根本的に違う。

 奴らは人気のない山奥に住むが、俺の住まいは、人間の京、平庵京――それも朝廷の一角だ。

 それに、俺の中には住人がいる。

 常人には視えない『妖怪』を瞳に宿すことが出来る人間――陰明師。

 陰明師に仕える妖怪――式神。

 彼らは互いに手を取り合い、人間と妖怪が巻き起こす事件を解決に導いている。

 俺は彼らの職場『陰明寮』として、見守るのが仕事なんだ。

 人間が驚く顔より、陰明師と式神が織り成す日々を見る方がよっぽど楽しいと思わないかい?

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