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【其之弐】怪異

 10分後。

 固まるのも飽きたのでとりあえず行動する事にした。


 我ながら切り替えの早さは見事だな。うん。


「まずは的確な状況判断するための情報収集が最優先だ。これより隠密行動を開始する」


 気分は既にスネーク。


「しかし……人がいないな。こう静まり返ってると不気味……ハッ! もしや研究機関から漏洩したウイルスによって住人がアンデッド化……まさにバイオハザード! うっひょおっ! オラ何だかワクワクして来たぞ!」


 中3なのに厨ニ病。そんな時代が僕にもありました。


「冗談はともかく早く誰かに会わないとここがどこかもわからないよな……ん?」


 急に視界がかげる。

 見上げた僕の視線の先には。


 空を覆い尽くさんばかりの巨大な――目玉。

 ぐりん。目が合った。


「……何じゃこりゃぁああああッッ!」


 本日2度目の名俳優。

 ダッシュで逃げる。走りながら僕は思った。


 たぶん今の僕、世界最速。

 イヤッホォォオオウ! 僕は今! 風になっている!


 3分後。


「……もうダメだ……」


 ごめん。持久力ウルトラマン並だったわ、僕。


 あっさりと追い付かれた。巨大な質量がのしかかってくる。


「ぐぅッ……く、苦し……」


 頭の中に火花が飛び散り、鼻の奥がじんと熱くなる。意識が朦朧となっていく。


 最期に残った意識の欠片がコールタールの様な闇に沈もうとする刹那。



    りぃん。


 鮮烈な音色が辺りに響き渡った。

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