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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「最後の色は何色?」

作者: 戸部いとり

閲覧注意作品


人の最後の色は何色?



始まりは全て無色


色はない


時を重ねる毎に


色が足されていく


絵の具を洗った後のバケツの中みたいに


足され


変化し


混ざり合う



幸せな色


憂鬱な色


一つ一つが異なり


同じ色はない


常に変化し続け


人を彩る



色を保つのは難しい


一度、黒を足せば


全て黒に変わる


元にはなかなか戻らない


他の色を足しても


なかなか戻らない



色を足せばたすほど


色は濃ゆく


くすんでいく


辛い想いをするほど


くすんでいく


では、人の最後の色とは



先日、その答えを知った。


無だ。


何もない無だった。


私の目の前には


物云わぬ「無」が横たわっていた。


あぁ、そうか……。


最後に残るのは色も何もないのか。


憎悪や未練すら「死」という概念により


全て洗い流されてしまうと


私は理解した。



『素晴らしい……』


私は目の前の遺体に


賛美(・・)した。



苦痛に歪むその顔は


私にとって


とても美しく見えていた。





「あなたの最後の色は……何色ですか」



最後まで、お読み頂き有難うございました。

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