不思議な噂話
はじめましての方は初めまして
pixivやハーメルンで活動している水無月夜夏です。
このサイトではほぼ童貞作です。
では、お願いします。
「お、この本面白そうだな。」
俺、結城 月詠は学校が終わり
一度帰宅してから、今日も本屋巡りをしていた。
店員さんに「また来たのか…」と白い目で言われた気がするがおそらく気のせいだ…よね?
まぁ、そういわれるのも致し方ないだろう。
なんせ今日で連続1週間来店してるんだから。
さて、お会計しますか。
「合計で1270円になります。
ねぇ、君。」
「はい?」
なんと、お会計をしてたらいきなり声をかけられたではありませんか。
あ、黒髪美人
「君、本好きなの?
1週間も連続で来てるけど。
ちなみに私は好きだよ、バイトの合間合間に読んでるんだ。」
あなた、バイトなのに1週間前からいるんだね。
出勤ご苦労様です
「あ、私は伊理須 桜よろしくね。」
それで君の名前は?」
「質問が変わった!」
「いいじゃん、私も名乗ったし。」
「はぁ、榊 月詠です。」
「よろしくね月詠君
それで君、本は好き?」
。
「ええ、好きですよ。」
確かに、本は好きだよ、というか好きじゃなきゃ連続で来ないし
うちの家庭、父は一般小説家で母はラノベの小説家だもの
WOW見事なまでの文学一家。
その影響で俺も昔からずっと本読んでて、友達がいなかったっけ、はは
おかげで、雑学とかは山ほどあるぞ
例えば一番長い英単語はPneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis.(ニューモノウルトラマイクロスコーピックシリコヴォルケーノコニオシス)
意味は珪性肺塵症
ちなみにこの病気は、珪質の火山塵を吸い込むことで起きる肺の病気だぜ。
「ふ~んそうなんだ
じゃぁさ、こんな噂知ってる?」
!おっと、話が進んでた
ただ、俺にはその言葉がひどく不吉なものに聞こえた。
だが人間好奇心には勝てないようで
「どんな噂ですか?」
「話す前に君って異世界とかって信じる?」
「信じる信じないは置いといてあればいいという願望はありますね。」
「なら話そうか、1つの噂話を……」
~~~~~
あるところに君みたいな本好きの少年がいたんだ。
その少年はある日立ち寄った本屋で不可解な本を見つけた。
でも少年は、その本にすごく心惹かれた。
なぜだかわかる?
「いえ、全く。」
うん、私にもわからない。
でも、その本は何もなかったんだ。
ああ、店的な意味でカバーとかの話ね。
少年は、このことを店員さんに行ったんだ。
すると
『ああ、この本ね在庫処分の予定だったから君にあげるよ。』
少年は得した気分、というか実際得してるけど
その気分のまま家に帰ったんだ。
でも、いざ読もうとすると最初の1文以外全く読めなかった。
そこには初めにここを読んでみようとだけ書かれてたの。
でも、日本語でも英語でもない調べてもどこの文字でもない
そんな文字読めるか―って思ったときに
突然ひらりひらりと何かが落ちてきた。
それが何かというと
『これは、解説書じゃないか。
ゼル〇の風〇タクトかよ。』
何はともあれ読めるようになったから
最初の文を読んでみると
『ア・クヴォワータ
なんだそれ?』
すると少年の体がいきなり光だしきれいさっぱり消えてしまったとさ。
~~~~~
「ずいぶんと現実味がありますね。」
「信じてない感じ??」
「ええ、細かくできすぎてるというか。」
「あはは、信じるか信じないかはあなた次第ってね。」
その時店の奥から
「伊理須さん、品出しやって言ったでしょ。」
「あ、忘れてた、それじゃぁね少年
また逢えたら、嬉しいね
君に【テラ】あれ。」
ん?今なんて言った?
「あの、っていない。」
「あれ?ねぇ君伊理須さん見なかった?」
「え、そっちに行ったんじゃないんですか?」
「「???」」
こうして、謎の噂話は1つの疑問を残して幕を閉じた。
結局あの人は何だったのか?
帰宅時には頭の中はそれでいっぱいだった。
「ただいま。」
「お、ちょっと月詠こっち来てくれ。」
「なに?」
父さんに呼ばれなければ部屋で本読むのに
こういうときって大体小説の添削かお茶のどっちかだよな。
「お茶でいい?
ていうかなんでこんな散らかってんの?」
父さんの部屋の中そして部屋の前は本でいっぱいになっていた。
「お前にこの本をやろうと思ってな。」
「珍し。なに、片付け中?」
基本的に父さんは本はくれない。
貸してはくれるが
「ああ、母さんにな
とにかく、俺にはもう必要のない本だから。
お前にやろうと思ってな。」
「そういうことなら、ありがと。」
「ちゃんと読めよ。
あ、あとお茶持ってきてくれ。」
「はいよ。」
父さんにお茶を届けた後
俺は読書に夢中になっていた。
「さ、今日買った本も読んだし
もらった本でも読むか。」
早速表紙をぺらり
「な~にこれ。」
そこにはわけのわからない文字の羅列
ただ、最初にここを読んでねとだけ書かれている。
なに、これが噂の本なわけ?
「噂ってこんなさっぱり具現化していいの?
まぁ、1度やってみっか。
確か【ア・クヴォワータ】」
すると、俺の体が突然光だした。
「うっそ、まじかよ。」
こんなことってあるのかよ。
ああ、好奇心猫をも殺す。
よく言ったもんだね。
光はどんどん強くなり
目も開けれないようになった。
だんだん光が収まってくると
まぁ、案の定何も見えないな。
しばらくたち目も治り
周りを見渡すと
「書庫か?」
あたり一面の本と
いや、天井にも床下にも本があり
俺は椅子に座ってる状態だった。
それにしてもなんで椅子浮いてんの?
それより此処どこ??
その時どこからか声が聞こえてきた。
「よし、今日から冒険だ。
よろしくね、月詠君。」
は?なんで俺の名前を?
その時目の前にスマホらしきものが現れた。
ていうか、俺の、なぜか通話中になってるけど。
「なんで俺の名前を知ってる?」
「おー声が聞こえた。
でもその様子じゃ、外の様子は見えてないみたいだね。」
ならどうやってみるんだよ。
と思ったと同時に今度はスクリーン
少し違うとするなら、アニメとかでよく見る空中に浮いてる画面だということ。
それには外らしき光景が映っていた。
「映ったかな?今度はそれを自在に動かしてみて。」
「なんだこの、チュートリアル感は。」
「実際、それに慣れてもらうチュートリアルだから文句言わない。
とりあえず私の顔を映してみて。」
そんなん簡単だろ。
とか思ってたけど意外とムズイ
あ、やっとできた。
「映りました、ってあなたの顔……」
「思い出したかな?」
「田舎のおばあちゃんにそっくりだ。」
「私はまだ16だ!
ていうか私名乗ったよね。」
「あ、もしかして伊理須さんですか?」
「そうだよ、なんでそんなあっさりしてるの。
もっと驚いてもいいじゃん。」
「もういろいろ驚きました。
で、ここはどこですか?」
「その前に敬語はやめてくれないかな。
これからパートナーなんだし。」
「へ?」
「あ、そのスマホのホームボタンの横に何かボタンあるでしょ
押してみなよ。」
「あ、はい、わかり「敬語なし。」わかった。」
いわれた通りボタンを押すと。
「な~にこれ。」
本日2度目でございます。
なんと体が本になってる。
あの、謎の本に。
「むぅ、なんか期待外れの反応だね。
じゃ、この世界の説明を始めようっか。
まずわたしは、イリス・テラベル
そしてここは異世界です。」
「えええええええええ!!」
何だとここが異世界!
それは驚きだ。
「なんでそこには驚くの!
んん、続けるよ。
この星の名前はセフィスト
この世界では、魔物とか冒険者とかよーくあるファンタジー的なことがあるから。
一緒に冒険しよーってこと。」
「ずいぶん要約したな。
ちなみにイリスさんの職業は?」
「さん抜いてね。
私の職業はもちろん魔導士だよ。
そして武器は君魔導書。」
あ、俺が武器なのね。
「へぇ、これってグリモアだったんだ。
ていうか、俺何すればいいんすか?」
「ん~君の役割?
私が詠唱したら、グリモアが魔方陣を展開してくれるから。
あ、ポケモ〇図鑑的な役割お願い。」
ポケモ〇図鑑か、あれって地味便利だよな。
「つまり敵の情報を言えと。」
「もちろん、この世界に蘇生はないから。
情報は必須なんだよ。」
「わかった、わかった。」
「暇なときはそこにある本を読んだり
ゲームしてていいから。」
「え、すげーニート生活。」
「ただし、自慰行為はしないでね。」
「するか!」
ていうか、女子がそんなこと言うなよ。
「じゃ、さっそく初の旅立ちだ!」