5話「羽WING」前半
ここまで一応、序章ですw
次の回から
ようやく本題に入ります
緑色のパンドラはまっすぐと
こちらへと走ってきた
「に、逃げないと……!!」
トンデ!
「と、飛ぶ?!飛ぶってなに?!」
ワタシノセナカニツイテイルハネハカザリジャナインダヨ!ジブンガトビノヲシッカリトイメージシテ!
「そんなこといったって……どうすれば……」
自分の飛んでいる姿というのを必死に自分の頭で想像してみた
どこへでも自由に飛んでいける自分
不思議だが自分の中で簡単にイメージすることが出来た
すると突然背面の翼からキラキラと星のような粒子が吹き出し始めた
緑色のパンドラはすでに目の前まで迫っていた
アステールは勢いよく上空に飛び上がり
緑色のパンドラの攻撃を避けた
「す、すごいほんとに飛んでる……嘘みたい……」
緑色のパンドラも背面の翼をはためかせすぐさま目の前へと飛び上がってきた
緑色のパンドラは飛び上がるだけで特になにも行動をしてこようとしなかった
緑色のパンドラの中から突然声が聞こえてきた
「あなた飛べるのね
飛ぶことの出来るパンドラはこのヴィエーチルの他にあまりいないから驚いたわ」
非常に丁寧だがどこか見下したような物言いでこちらに話しかけてきた
「他のパンドラって……ほかにもこんなのいるんですか?……」
「いるんですかって……あなたもしかしてはじめて?」
「そのパンドラはなにも教えてくれなかったの?」
「何も……」
「意地悪なのねいいわ私が特別に説明してあげるとりあえず
下に降りましょうか」
──
「パンドラに乗れるのは
パンドラに夢を伝えた契約者だけ
契約者はこの戦いに関わる変わりに
伝えた願いを仮として自分の人生に反映してもらえる
だけどあくまでも仮だから永遠にするには
このパンドラ同士の戦いに勝ちづけなければいけないまぁこんな感じよわかったかしら?」
あまりにも突拍子もない話しすぎて
全く呑み込めない
「パンドラってどれくらいいるんですか?……」
「さぁそこまでは分からないわ
まぁ戦ってればそのうちパッといなくなるんじゃないかしら」
「そのうちって……もし負けたら……さっきのパンドラみたいに消えちゃうんですよ?怖くないんですか?」
「ぜんぜん怖くないわよ負けるなんて考えてないから私は勝ち続けるもの」
やけに自信のある返事だった
こんな先の見えないことにどうしてそんな自信が沸いてくるのだろうと不思議でたまらなかった
「まぁ一通り話し終わったし
再開しましょうか」
「再開って……なにを」
「何って貴女話し聞いてなかったの?
戦うのよ初心者は早々に潰して置いた方が楽だから」
ヴィエーチルはすでに構えの姿勢に入っていた
「そんな……」
戸惑いながらも自分も構えをとった
今まで普通に生活していた自分がなぜ
こんなことに巻き壊れることになったのかこのときまだ自分は気づいていなかった
そしてこの戦いがその罪に対する償いの戦いだということにも──