第3話「身近」前編
「え?」
「ほ、星野先輩!こんにちわ!」
「え、あ、こんにちわ」
突然の訪問に困惑していた
「え、?よく家分かったね
誰かに聞いたの?」
「あ、えっと……先輩の仲良くされている小鳥遊友里先輩に先輩の御見舞がしたい
のでと住所を教えていただきました……」
オドオドと下を向きながら理由を説明してくれた
「あ、そっか友里に、教えてもらったんだね」
「あ、はい……と、突然押しかけてすいません……」
「いいんだよ心配して来てくれたの凄く嬉しいよありがとうね」
「あ、いえそんな……ハハッ」
凄く照れくさそうに頭をかいていた
「あ、あのそ、それでこ、これ、ど、どうぞ……!!」
突然バックからスポーツドリンクとなにか手紙のようなものを取り出し自分に差し出してきた
「うわぁこんなにスポーツドリンクありがとうこの手紙は?」
「あ、え、えと
し、失礼します!」
何か言いかけたと思ったがそのままそさくさと帰ってしまった
しばらくしてからまた玄関のベルがなり
玄関を開けるとこんどこそ友里がいた
「なんだ……友里か」
「なんだってなにさね!
ほらプリントとノート持ってきたよ」
「ありがとうねまぁ
上がってよ」
「おじゃましまーす」
友里が家に上がろうすると
母親が用事から戻ってきた
「ただいまーあら友里ちゃんこんにちわ」
「あ、昴ママこんにちわー御見舞に来ましたー」
「あらありがとねーあとでジュース持っていくから」
「やったー!ありがとうございまーす」
階段を上がっていく私の後ろ姿をまじまじ見つめ友里が言った
「パジャマ姿がちょっとエッチいですね特に腰つきがふふふ……」
「はいはい、……」
部屋に入ると友里に借りたノートを写しはじめた
「ちゃっちゃっとノート写しちゃうから」
「ゆっくりでええよー……」
人のベッドに寝転がりながら
思い切りくつろいでいた
「あー暇だなぁー昴の下着でも探すかー」
「すーばるのしーたぎはどこかなー♪」
そんな変な鼻歌を唄いながら友里はおもむろにタンスを漁り始めた
「おほー黒の下着発見!エロい!」
「友里ちゃん?今すぐそれをしまわないとこのシャーペンが友里ちゃんの可愛いお尻に飛んでいくよ?」
そう私が言うと友里は無言で
下着をタンスにしまい
初定位置のベッドに戻った
「終わったー???」
いつものテンションに戻ったさすが切替が早い
「もうちょっと……よしっ終わったよ」
「おつかれーさまー」
ノートを友里に返し私はさっき後輩からもらった手紙を友里に見せた
「見て友里さっきね後輩君が御見舞に来てくれてくれたの何だと思う?」
それを見ると友里の目の色が代わり
手紙を私から奪い取った
「昴……これどう見てもラブレターだよ」
にわかには信じがたいことだった
「そんなわけないでしょ」
「絶対そうだってほら読んでみてよこれ」
手紙には丁寧な字でたくさんの文章が書いてあった
「ええ……ど、どうしよう友里……こういうのってどうしたらいいの?」
「キッパリ断るかオーケーするかだね」
友里は自分が恋愛のついもあまいも知っているような顔をしていた
「とりあえずあした直接いうよ
あ、あとさうちの後輩に道教えてくれてありがとね」
「え?何のこと?」
「え、だって小鳥遊先輩から住所を教えて貰ったって言ってたよ?」
「いやわたしそんなこと言ってないけど……」
「え、じゃあなんで私の住所知ってるの?……」
「顧問の先生とかに聞いたんじゃない?」
「え、だってそしたらなんで友里に聞いたって嘘つくの?……」
「ええ……え、あとなんで1度も会ったことない私の名前知ってるの?」
突然背筋が、凍りついた
「と、とりあえずあした直接会って聞いてみるね……」
「それがいいね……
うわー……こわっ……あ。やばいこんな時間だ私そろそろ帰る」
「あ、下まで送っていくよ」
玄関から友里を見送り
私は部屋へと戻った