五回目のゆさぶり/小春さん、ひとり反省会
白色の湯船から顔だけ出してゆらゆら。
後頭部と耳までお湯につかって、そう、背泳ぎみたいな状態です。
鼓膜まで水浸しなので水音以外はほとんど聞こえず、ぼんやりしたい時にぴったりなのです。
「…………」
こないだ小手毬さんが椿さんの手を取っていたのが羨ましくて、手ぐらいつなげたらいいのにと、思って、出かけたら、予想を、超えた、展っ開に…………。
おおお思い出しただけでどきどきしてきました。
物凄く久々に撫でて、抱きしめてもらいました。
椿さんが撫でてくれる早さとか、抱きしめてくれる力加減は子供の頃と何も変わっていないのに、頭がくらくらしてしまいました。
もっとぎゅっとしてくれたらよかったのに。
「…………」
寝ぼけてたって言ってたけど、それでもうれしい。
名前を呼んで手を取ってくれたって事はもしかして私の事、ちょっとは好きですか?
椿さん。
そうだったらいいのに。
「…………」
…………噛まれたのはあれ、お弁当足りなかったんですかね。
あと先生は別に私に味方してくれている訳ではないという事がよく判りました。
小手毬さんまで連れて来て。
あの人は決して信用してはいけません。