表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このゲーム、無理ゲーです。  作者: 音無 紗乃斗
13/46

【第12話】もう意味も分からなかった。

 「た……倒しきった…………」

たった一戦にここまで労力を使うのも珍しい。

狩りゲーでもここまでは精神力使わんぞ…………


 フィーン____

軽快な効果音(サウンドエフェクト)が、フィールド上に窓枠(ウインドウ)が表示されたことを辺りに知らせる…………たぶんリザルト画面だ。


中央に表示されたその窓に駆け寄る二人。


【RESULT】


【Monster】

Bpigfang:32

Total:32


【Zenie】

あいーん:240

Nom:240

Total:480


【Experience】

あいーん:16

Nom:16

Total:32


 「じ、じゅうろく!? こんだけ倒して、経験値たったの十六!?」

一匹あたり1の経験値という計算だが……、相当の時間を掛けた割には少なすぎる。


慌ててメニューを開き、ステータスの確認……


【レベル】【3】


 さん……3……

頭の中で、確認するように何度も繰り返す。低くはない、低くはない……。

半ば言い聞かせるような気持ちで、内心呟く。


他のゲームで序盤の一戦を終えた後にレベルが2つも上がるなんて結構な優遇だし、素直に喜べることなのかも知れないが……


【次のレベルに上がるための経験値】【5】


 32匹分の経験値を二人で山分けしてもこの程度……。

しかも、残り必要な経験値を表すゲージが既に半分を超えているのに、まだ5も必要とは……。


つまりは3レベから4レベに上がるのに必要な経験値量は10以上だったってことだ。

1レベから2レベに上がるのに必要な値が3だったのだから、2つ上がっただけで約3倍……。必要経験値の増えかたが普通じゃない。


……元々必要経験値は低めではあったが、その分跳ね上がった時のインパクトも大きいというわけか。


 くそ……


「お金も……思った以上に少ないですね」

彼女の意見にコクコク____と頷く。


まとまっているから分かりづらいが、一匹あたりたった15ゼニーだ。

消費される量を考えると少すぎる。


「これじゃステータス上げにも何時間かかるか……」

力なく呟くノム。


 どうする……さっさとジョブが欲しい。クエストを進めなきゃとてもじゃないが金が足りない。

……だがこの分では、ノムさんの言う通りステータス上げにも相当な時間が…………


最悪パーティー解消をして……ソロプレイに(いそ)しむしかないのかもしれないが、そんなことをしたら俺はモンスターを倒すことすら出来なくなる。

つまり、ここでもしノムさんが俺を見捨てたら…………アウトだ、瞬間的に詰む。


 しかもその可能性は低くない。

彼女の印象的に、流石に高いとは言いたくないし……仮に高かったとしてもそうは思いたくないものだが、ソロプレイに徹した方がこれは効率が良さそうだ。


切り捨てられないことを祈りつつも、かなり不安な気持ちで彼女を見つめる…………。


 すると。


「え……?」


 唐突にノムさんが、自分のステータスウインドウを見て(といっても俺からその窓は見えない仕様なので、単に俺からはステータスウインドウを見ているように見えた、だけなのだが)、複雑な表情のまま固まっている。


「…………ノムさん?」

 ____一体どうしたんだ?


「ステータスが……」


「ステータス?」

確かに必要経験値が1レベの時の何倍にもなってたのはあれだったけれど…………。

改めて自分のものを見る。

やはり酷い。どう考えても鬼畜すぎんだろ、このゲーム。


「こ、攻撃力が……」


? 攻撃力?

前述の通り画面が小さめなので、攻撃力が表示されている所までスクロールして下げる…………


【攻撃力】【13】


「っ!?」


じゅうさん! い、1レベの時点で3だぞ!?

ぼ、防御力は!?


【防御力】【7】


なな……なな。2しか上がってない。

あれ、おかしいな……?


改めて攻撃力を見る。


【攻撃力】【13】


じゅうさん……10もあがったってことだ。

たった2レベ上がっただけで。


 こ、これは驚くわけだ。

______たぶん……攻撃力のほうが徐々に高くなっていくゲームなのだろう。

防御力は、……どちらかというと装備に依存する……とか。


それにしたって上がり方に差が出すぎだけれど。


 頭の中を整理し、ノムさんの方を向く……

きっとこういうシステムなんじゃないか、と、説明しようとした……その時。

彼女はボソリと呟いた。

「攻撃力が三十九……」


「えっ……?」


「三十九も上がってます……、防御力は四十以上……」


「!?」

39と40って…………俺の10倍以上……跳ね上がってる……?


「そ、それ、本当に…………?」

困惑した顔つきで事の真偽を確かめる。


「う、嘘ついてどうするんですか!」


確かに……でも、それじゃどうしてそんなに……


 その後数分間は、もう何もいなくなった戦闘フィールドの中、二人で顔を見合わせ留まっていた。


……もう意味も分からなかった。


 だがその時、俺が一番気にしていたのは…………

必要経験値の倍加や、攻撃力の異常上昇のこと、ノムさんの圧倒的ステータスなどではなく…………


 俺とノムさんの、扱いの差だった______。

【次回の投稿は6月25日18~20時を予定しています。読んでくださった方々、ありがとうございました】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキングに参加しています! クリックして投票をよろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ