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アリジゴク

作者: ガガーリン

ある爽やかな朝、おれは散歩にでた。気分よく歩いていた。目の前は明るく、おれの将来の見込みも悪いものではなかった。

その時、突然、身体が地面に引っ張られるのを、感じた。

大きな穴に突然おちたんだ。

おれは何がなんだかわからなかった。

気が付いたら砂を手足でかいていた。

いくら手で砂をかいても、いくら足で砂をかいても

どんどんおちていく

おれは必死で手で砂をかいた

おれは必死で足で砂を踏みしめ

それでもどんどん穴の中心へとずるずる落ちていく。

いくら手で砂をかいても、いくら足で砂をかいても

どんどん落ちていく

とうとう穴の中心に呑み込まれた。

これ以上、必死にもがいても無駄な努力だった。

しかし身体はすべて埋まってしまったが、頭だけは突き出ていた。

おれはこれ以上、砂をかいていくのをあきらめた。

おれは上を見上げた。このときおれはアリジゴクに落ちたことに気が付いた。

人々は、おれのことを気にもとめずに、ただ通り過ぎていく。

だれもおれを見ようともしない。

だれもおれを気にもとめないで、早足で歩いて去っていく。

おれは、身動きせずに、再び上を見上げた。

穴の最底辺では、世間がよくみえる。

仲の良かったあいつが、おれを横目におれの彼女を口説いている。

そしたら、会社のアイドルのあの子が、口にもできないことをやっている。

社会は、下から見たら、よく見える。

また別のあいつが、仲の良かったあいつが、穴に落ちたおれを見下して、

鼻でわらっている。

外面では、調子のよかったあいつの本性がこれだ。

穴の最底辺では、世間がよくみえる。

あこがれのあの子の残酷さにおれは、はじめて気が付いた。


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