あとがき
ご愛読いただきありがとうございました。
昔から第二次世界大戦の仮想戦記が好きで、一度は書いてみたいと思っていました。そこで、拙作『大坂の幻〜豊臣秀重伝〜』の息抜きがてらに考えたのが短編『レーニンの毒饅頭』の世界線でした。
あの世界線では日本がいわゆる『北進論』に全振りしますので、当然『南進論』なんか取れません。そこで、ワシントン軍縮会議で日本が対米英6割の海軍力を甘受するのですが、その際に問題になったのが、戦艦『陸奥』でした。ソ連相手に戦艦なんて要りませんから、当然、廃艦にすると思います。
一方、当時の同盟国であったイギリスは、16インチ砲搭載の戦艦を持っていませんでした。そこで、「『陸奥』をイギリスに売り飛ばせば良いんじゃね?」という考えに至ったのです。
ですが、構想していくうちに、「『陸奥』がイギリス戦艦としてネルソン級戦艦の代わりに活躍する話は、『レーニンの毒饅頭』とは別に独立して書いたほうが良いな」という思いに至り、短編として新たな話として創作することにしました。
ところが、史実のネルソン級戦艦の活躍を調べていくうちに、結構話が膨らんでしまい、短編では済まなくなってしまいました。そこで、舞台をあえてマレー沖海戦にすることで、何とか中編に収めることができました。
本当は『グナイゼナウ』との戦いや、『ビスマルク』との戦いをもっと書きたかったのですが、これは省かせてもらいました。
機会があれば、前日談として書ければ良いな、と思っております。
そして、『アダムス』と他のイギリス戦艦との関係性なんかも書いてみたかったです。
裏設定なのですが、『アダムス』は比較的性能が近いクイーン・エリザベス級戦艦と戦隊を組んでおり、しかも『アダムス』の近代化改修は『ウォースパイト』をモデルとしているため、『アダムス』と『ウォースパイト』の関係性にももう少し触れたかったです。
また、ハリントン艦長と『陸奥』そして『アダムス』との関係や心情をもっと深堀りしたかったのですが、これも省かせていただきました。ところどころ急な心情場面が出てくるような構成になってしまったのは、ひとえに作者の才能不足のせいです。申し訳ございませんでした。
さらに、日本海軍の航空隊の数にも史実と異なる部分があったことをお詫びします。
一応、鹿屋海軍航空隊は史実よりも増強された状態で送り込んだことになっており、第2話で山本五十六に「全機」という言葉を追加して入れているので、多分大丈夫かと思ったのですが、不親切な書き方になってしまい申し訳ございません。
これも作者の力不足によるものです。本当に申し訳こざいませんでした。
また、後日談として、『アダムス』の残された砲弾を改造した2000ポンド爆弾の開発秘話とタングステン作戦秘話。というのも書いてみたいと思っています。
なにはともあれ、急ぎで書いた全12話、最後までお読みいただきありがとうございました。改めて御礼申し上げます。
また、いいね!や感想をいただきありがとうございました。個別返信をしない、というのが私のスタンスなので、返信を差し上げることを控えさせていただきました。申し訳ございませんでした。ですが、しっかりと読ませていただきました。本当にありがとうございました。
・・・ところで、この世界線では、軍艦を擬人化したゲームや漫画やアニメに出てくる『アダムス』(元『陸奥』)って、どんなキャラクターになるんですかね?




