26.サーディア
「ん〜、ついった〜! サーディア〜!」
長い道のりを経て、私たちはサーディアへと到着した。
久しぶりの大きな街ちょっと感動〜。
「はーつっかれた。とりあえず宿とご飯〜」
『蝶羽、わしは武器屋が見たい』
「おっけ。ちょっと休んだらね」
歩いてて最初に目についた宿に入った。
「めーっちゃ汗かいた〜。お風呂付きありがたい〜」
ふぃーさっぱり♡
疲れが洗い落ちてく♡
『……前から思っておったのじゃが』
「どした?」
『おぬしはいい身体をしておるな』
「……えっち」
『なっ?! 違うわたわけ! いい肉の付き方をしておると、そういうことを言ったんじゃ!』
「いい肉って……そりゃおっぱいはある方だけど」
『違うと言っておろうが!!』
まあ、腹筋バキバキってわけじゃないけど、我ながらシュッとしてるとは思うよ。
おっぱいとお尻も程よくあって。
「元々食べても太らないタイプだし、こんだけ歩き続けたらそりゃあね。そういえば……ふと思ったんだけど信長って元は男でも今は一応女でしょ? やっぱり女子の柔肌マジ天晴、魅惑の百マン石に全軍前進〜とか思うの?」
『わしを助平扱いするでないわたわけが。たしかに男に性的な魅力を感じはせぬが、かと言っておぬしのような小娘に欲情するほど落ちぶれておらぬ』
「誰も私にっては言ってねーだろ」
『これでもわしは多くの女子を虜にした天下人じゃぞ。おぬしのような未通女では手の届かぬような百戦錬磨の武人じゃ。それをおぬし』
「あーはいはい。わかったわかった。偉い偉い」
何ムキになってんだこいつ。
まあいいや。
「よっし着替え完了っ。どう? バッチリ?」
『うむ』
「いつもどおり可愛いくらい言えよ〜」
『笑止』
武器屋行ってやんないぞ。
魔物を売って、そのお金でご飯。
フラっと入った食堂は、量が多くておいしくて当たりだった。
「ハンバーグうまぁ〜♡」
っぱチーズなんよなぁ。
ハンバーグはチーズしか勝たん。
「テーブルいっぱいに鉄板並べてさ、いろんな種類のハンバーグ食べたくない? デミでしょ、おろしポン酢でしょ、トマトソースとホワイトソースと、目玉焼きも乗っけたいし、パイナップルもアリだな〜。信長ってパイナップル食べたことある?」
『見覚えはないが、肉に酸味の強い果物は合うのか?』
「私は酢豚にパイナップルはアリだし、チーズピザにハチミツもいける派。あとシチューで全然米食える」
『雑食ということか』
味覚がグローバルって言え。
「はーお腹いっぱい♡」
お腹が膨れたら魔物の解体、それから武器屋へ。
さすがサーディア。
前の街に比べると品揃えが豊富だ。
『ふむ、良いのう良いのう』
信長も武器の種類が多くてご満悦だ。
『どれを買おうか迷うのう。この甲虫刀とやらは虫の羽のような刃紋が魅惑的じゃし、この大太刀、剛刀・轟も中々の代物。うーむ……やはりここは全部まとめて買うことにするか』
「ふざけんな。私の服買うお金が無くなるだろ」
『耐え忍ぶのも武士の心構えじゃ』
「耐え忍んでねーだろ武士代表」
散々悩んで、甲虫刀を一振りと、やいのやいのとうるさい信長に折れて、一番安い鉄槍を一本購入した。
『良い買い物をした。褒めて遣わす。またわしのコレクションが潤った』
「はいはい。信長って槍も好きなの?」
『蒐集したのはもっぱら刀じゃったがな。槍は戦場でこそ真価を見せた。可成の槍捌きは、それは見事なものでのう。おぬしにも見せてやりたかったわ』
楽しそうに語っちゃって。
「ちょっとずつだけど、宝物庫が潤ってきたね」
『うむ。いずれはイディオンの武具全てを収めよう』
「ステータス補正が無いから、変化は外見と素材くらいなんだけどね。この甲虫刀も、イディオンだとめちゃくちゃ斬れ味が」
パシッ
「良くて……って、あぇ?」
手から甲虫刀が消えた……?
『呆けるな蝶羽!! 掻っ払いじゃ!!』
「うえぇ?!」
本当だ、子どもが刀持って逃げて……
『さっさと追わぬかたわけぇ!!』
「わあぁ?!」
信長さん激おこじゃねーか。




